「好きな男がいるのに他の男と出掛けんな！バカ！」
「御幸とバッティングセンター行っただけだよ」
ヒトミちゃんは厳しいなあ。
「みょうじちゃんの価値観が分からん！だってデートじゃん、その気がなきゃしないでしょ」
「デートっていうか、ただ遊びに行っただけっていうか」
「男女間の友情なんて存在すると！？」
「しないの！？」
「私の中ではあり得ないけど」
「そうかなあ……私の中ではあり得るけど」
「みょうじちゃんの価値観が分からん！」
デートって言っても、むりやり付き合ってもらっただけだしな。打つだけ打って普通に解散したしな。
「その好きな人に誤解されたりしたら、どうするの？」
「……そこまで私のことを気にしてるとは…思わないかな……」
「みょうじちゃんの恋愛望み薄いな！」
「やめて、言わないで！」
「御幸君とデートしてる暇があるなら、その好きな人とデートできるように頑張りなよ」
「仰る通りです…」
「誘ったりできないの？」
「そんな！恐れ多い……！私は先輩のお姿さえ見られればそれで十分…」
「何？崇拝の対象なの？好きなんじゃないの？」
「好きだけど」
「普通さあ、好きなら恋人っぽくなりたいとか思うじゃん。何で崇拝しちゃうの？」
「あのお方にはそんな俗っぽい欲望をぶつけてはならぬ」
「だから信者かよ！そのノリウザいから！」
「ツッコミも厳しい……」