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▽ 独白


※暗いです


 僕は自信を持って言えるだろう。高校に入学したあの日、僕にやって来たのは春なんかじゃなかったと。
 生徒会で大活躍したり、空から降ってきた女の子と付き合ってみたり、そんな漫画のような学校生活を期待したわけじゃなかったけど、進学すれば「青春」というものが経験できると、僕はおそらく少なからず信じてきた。
 過去の自分に警告してやりたい。僕の世界は灰色と言って差し支えないと思う。
 友達がいないわけじゃないし、学業が壊滅的に不出来なわけでもない。だが、それ以上のことは何もない。あの日僕に飛び込んできたものがあったとしたら、それは冬とか、倦怠とかいう言葉だったはずだ。
 学校、家、布団、稀にコンビニか本屋の往復。「現代人の鑑」とは褒め言葉なのか、以前友人から言われたことがある。さして嬉しくもなかった。
 師走の教室では、いつも通りの授業が行われている。僕が昨日習った公式を思い出そうとしていると、窓の外に初雪がちらつき始めた。
 何人かの生徒がぱっと目を輝かせる。まさか雪遊びでもするつもりなのか。
 どうか積もらないでくれと祈りつつ、ぼーっと真白の空を見る。
 ああ、退屈だ。  多分僕は、羨ましいんだと思う。雪が降っただけで騒げるクラスメイトが。液晶の中で歌い、喋り、絵を描くようなアイドルが。何も起こらない世界が、つまらなくて、見苦しくて。
 ただ、どうだろう。まだ僕に不満を漏らす権限はあるのだろうか。だって僕は、何を努力したわけでもないのだから。そもそも僕には、本当にこの怠惰なループを抜け出す気があるのかすらも疑わしい。
 その気力さえ存在しないのだとしたら、僕は健全とは言えないだろう。欲望だけは一人前の、ただのヒトだ。
 しんしんと降り続ける雪を見ていると、その白さに目がチカチカしてきた。
 いっそ、感情も何もかも捨てて、真っ白になれたらいいのに。そんな馬鹿らしい、失笑もののことを考えた。
 僕が灰色を卒業できる日は来ないだろう。誰かのコピーのような日々を、ただ淡々と過ごすのだろう。そのうちに背は伸びて、人に触れる機会も増えるだろう。
 そのたびに僕はきっと他人を妬み、捨て台詞を吐き捨てて去っていく。

 「僕は、そういう人間だから」


ああ、退屈だ


 これが生命だというのだから、世界はわからないものだ。













何故書いたその1です…結局何が言いたかったのかさっぱり^^^^^
もう鼻で笑い飛ばしてやってください…!!




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