※「誕生日と共に」の裏表現有り.verです
名無しを布団に縫い付けたまま正守がくれるキスに、名無しは溺れる。
お酒の酔いもあるのだろう、ぼぅっとして何も考えられずに正守に酔っていく名無しはもう手の拘束なんてなくても抵抗しなかった。
離れた2人の間に銀色の糸が引かれ、途切れた。
唇についたそれをペロリ、と舐める名無しに正守は身体の中心に熱が集まっていくのを感じた。
耳朶を甘噛みされて声が出てしまう名無しが可愛くて正守はしばし名無しの耳を愛撫して遊ぶ。
「んっ、っ…やっ…」
首筋を通り、鎖骨にかかり印を散らしていく正守にいちいち反応してしまうのが恥ずかしいらしく、声が漏れないように名無しは自分の手の甲で口をふさぐ。
いつの間にか上の服は脱がされていてブラもはずされてあらわになった名無しの胸に正守が触れた。
名無しの形のいい豊かな乳房を正守は片方の手でゆっくり揉む。
それと同時にもう片方の胸の頂を舌で刺激した。
「ぁんっ…はぁっ、あっ…んぅ…」
ビクッと背中を反らし自分の出す声を抑えようとする名無し。
眉を寄せて、正守の愛撫によって漏れる声を必死に抑えようとしているその姿がさらに正守を煽っていることを名無しは知らない。
「名無し、声出して」
そう言うと、いやいやと首を振り、涙で濡れた瞳で正守を見る。
(そんな目されても征服欲が掻き立てられるっていうかさぁ…)
あんまり俺を煽らないでほしいな、と苦笑して名無しの口を覆っている手の指先に軽くキスをする。
驚いた顔をして頬を赤く染める彼女は本当に可愛い。
「名無しの声、聞かせてよ」
低く耳元で囁くこの声に、名無しが弱いのは知っている。
そっと口に当てていた手をどかして
「だって、こんな声恥ずかしいんだもん」
と言う彼女の固くなった胸の頂を指で転がしてやれば
「ぁあんっ、やっ…まさもりぃ」
遮るものがなにもなく出る名無しの声に正守は満足して、また欲情した。
胸に舌で刺激を与え続けながら正守の手は名無しのわき腹をなぞり下りていく。
太ももの内側に手を這わせると焦って足を閉じようとする名無しの膝の裏に手をやって開かせる。
名無しのそこは下着越しにもわかるくらい濡れていて
「感じた?」
「っ・・・言わ、ないで」
自分であんなに喘がせておいてこんな質問は卑怯だとわかっているけれど真っ赤な顔で唇を噛む名無しがエロいのが悪い、と責任転嫁させてみた。
もう役に立たない薄い布を取り去り一糸纏わぬ姿で月明かりに白い肌を晒す名無しは妖艶に視覚から正守を追い上げる。
濡れている名無しの中に指を一本つぷり、といれる。
「痛い?」
ビクッとして目を瞑った名無しにそう聞くと返事の代わりに喘ぎ声が聞こえて大丈夫だとわかった。
「んっ、あ…あっ、あぁっ…ふぁっやぁっ」
指を二本に増やしてバラバラに動かし、主張を始めた彼女の敏感なところに触れてやると急な強い刺激にシーツを握り締める。
「あぁっ、やぁ…正守っ、」
わざと水音を立てて彼女に聞こえるようにする。
彼女の蜜を舐めるといつも名無しは嫌がる。
首を振って、おかしくなっちゃうからダメと言うのだけどその乱れた艶姿が見たくてやっているのからそんなことを言われても困る。
ーーーピチャピチャ
「…ひぁっ…あ、あぁぁっ…やっ、め…っん」
舐めても舐めても奥から溢れ出す蜜を音を立てて吸い上げればビクビクと名無しの身体が痙攣し悲鳴に近い声が上がった。
「もう我慢できないかな…」
呟いて自分のものを名無しにあてがうと、自分の裸の胸に名無しの、正守より少し体温の低い手が当てられた。
「まっ、て、まさもり…まだ、」
「イったばかりだから、って?」
ーーークチュリ…
「んっ、あっ…」
荒い呼吸を繰り返す名無しの蜜を絡めるように正守のものを触れさせると、途端に物欲しそうな切ない目をするのだから無意識でやっているのだとしたらたちが悪い。
「俺のこと、煽りに煽りまくってるんだよ?名無し」
「え?…!!あ、ああん!」
グッと一気に名無しの中に入るとシーツを掴む手にさらに力が入ったのがわかった。
名無しはもう初めてではないけれど(初めてはもちろん正守だったけど)いつも正守を受け入れるとき少し苦しそうだ。
まあそれは正守も同じで、温かく少しきついくらいの名無しの中は気持ちがいいが、しっかり気を保たないとこっちがもっていかれてしまう。
名無しの目から流れる生理的な涙を拭って律動を始めた。
「あっ、あ、…ひぁっ…まさ、もりぃ…んっ、やぁっ」
正守の背中に懸命に腕をまわし自分にしがみつく彼女に自然と口角が上がる。
「んぁっ、っ…やっ、はげし…ま、さもりっ、あぁっ」
激しい突き上げに眉を寄せて快楽に溺れそうになる自分に必死に耐えている名無しの顔をもっと見ていたい。
優しくしてやる余裕も理性も飛んで、正守は名無しと共に頂点へ追い上げられていった。
「あぁっ、んっ…まさっもり、…おかしく、なっちゃ、う」
キスして
途切れ途切れにそう言って出してきた名無しの舌に自分のを絡めて深く貪り、お互いの鼻がくっつきそうな近距離で好きだと言い交わした。
「っく…名無し、イっていいよ」
最奥を突き上げて名無しの中が痙攣したのを確かめて彼女の白い腹の上に劣情を射精する。
「ぁっ、んっ、あぁぁっ」
名無しの身体が弓なりにしなり、足先がビクビクと動いて先ほどより激しく達したらしい。
大きく息をするため上下運動がいつもより大きい名無しのお腹からわき腹にかけて流れ落ちる白濁が扇情的で正守は再び大きさを増してきた自分のものを名無しにあてがった。
「ふぇえ!?待って正守、まだムリ…んっ」
慌てる整わない息のままの名無しの口をキスで塞ぎ正守はまた欲望のままに名無しを求めた。
おだやかな顔で眠っている彼女の髪を正守はそっと梳いた。
結局、もうムリと言う彼女に耳をかさず気を失わせるまでやったのだから全くどっちの誕生日だかわからない。
『正守が、いてくれて、幸せだよ』
意識を飛ばす直前微笑んだ名無しの言葉は、正守が名無しに対して思っていることそのままであった。
月明かりに照らされて透き通るように白い名無しの首筋に1つ紅い花を咲かせて、起きたら怒られるかなと密やかに笑う。
彼女と自分の左の薬指に光る真新しいリングに気づいたら名無しはどんな顔をするのだろうと、腕の中の彼女にキスをした。
「誕生日おめでとう、名無し」
口づけと共に落とされた祝福。
時計が新しい一日を刻み始めた。
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