‡ S h o r t × s h o r t ‡
『伝えたい事が有るんだ』
何時も、何時の時も迷う事なく全力で守ってくれる君−−−
真っすぐなその瞳はとても澄んでいて、眩しくて綺麗で、見ているとこちらの目が眩んでしまいそうになる。
絶望に堕ちれば、必ず救い出してくれる。
笑顔を向けて励ましてもくれる。
手を差し延べ、共に前へ進むと誓ってくれる。
思い返してみれば、君は何時の時もそうだった。
そう、何時だって……。
その強さは一体何処から来るんだろう?
教えて欲しい。
けれど、何となく疾(と)っくの昔から答えを知っている様な気がする。
こんな事を言ったら君は何て言うかな?
戸惑う? 馬鹿にする?
それとも、俺の真似をして当然の事の様に踏ん反り返る?
優しい君の事だから何も言わずに只、微笑みを見せてくれるだけなのかも。
………犯した大罪は生涯消える事はない。
どんなに償おうとも、決して許されるべきではない。
この命が有る限り、自分は永久に罪人だ。
それでも君は、こんな俺の側に居てくれた。
小さな手で俺の手を取ってくれた。
『有り難う』をウェルヴへ。
遥か遠い彼方の時空を越えて、今君に出逢えた事に深く深く感謝の意を述べよう。
いいや、
感謝だけでは足りないかも知れない。
君はそれだけの事をこの俺にしてくれた。
俺はどうすれば、君に報いる事が出来るだろう?
何でも言って欲しい。
君が俺を必要とするのなら、どんな困難が有ったとしても側に行くと誓おう。
それが、君の第一騎士としての最後の務めだ。
例えどんなに離れていたとしても、君が守ってくれたこの蒼い地球(ほし)から必ず君の住む宇宙(そら)まで逢いに行くよ。
だから、その時まで待っていて欲しい。
こんな事を言っても、君が大人しく待っている様な人じゃないのは分かってる。
なら、俺はすべき事を急ぐ。
だから、君は無茶な事はせず、俺の帰還を待っていて……−−−
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