その参 氷室君と！
火神の兄貴分である氷室辰也は、変人だ。おおらかで情が深い反面、激情家で猪突猛進な面を持っている。変わっているからこそ、アメリカから今まで続いているのだろう。彼、氷室には困った癖がある。それは＿＿＿。
「タツヤァァァァァァアアアアアアアァァァァァアアァァア！！！！！！」
「んー？ どうしたんだい？ タイガ」
「ふく、服、服！！！」
「あー。やっちゃった」
それは、露出狂であることだ。野郎が上半身脱いだとかパンツ一丁だとか文句は基本的につけない。日本では少ないが、帰国子女でアメリカにも住んでいたことのある火神としては脱ぐこと事態は、ＴＰＯさえ守ればそう文句はない。しかし、氷室はそこの所ができていないことが多いのだ。
ふと振り向くと、全裸。それが屋内ならまだましだが、それを外でもやってしまう。氷室がイケメンに部類される顔でないなら、年間百回くらいは警察に御用とされているに違いない。イケメンってすごい。
「また脱いだろ！」
「最近暑くてねぇ」
「そういう問題じゃねぇ！！ 皆も何か言ってくれよ！！」
火神は援護を求めて、リビングにいた面々の方を振り向いた。我関せずとのんびりしていた紫原・黒子・今吉・黄瀬は顔を合わせただけ。一番に喋ったのは黒子である。
「火神君が怒るのは分かります」
「黒子……！」
「ん〜」
不運話
火「あっ」
黒「……どうしましたか」
火「財布忘れた」
141002 掲載