一周年記念 その十五




「絶対ですか……?」


困ったように八の字に眉を下げた。

目を潤ませて上目遣いで俺を伺う姿は、こうグッと来る。

恐ろしい事にコイツはこういう仕草を無意識に遣って退ける。

甘やかしてやりたいが、これは譲れない。


「ちゃんと失敗する毎に、キスしてもらうぞ」

「教官!意地が悪いですよ!?」


ニヤリと笑いながら言えば、ぽこぽこと郁は怒りながら突っ込む。

あぁ、ペナルティ発見。


「『教官』?」

「うぅ………………あつしさん……」

「ペナルティは?」


更に郁は頬を目一杯赤らめた。


「いーーーく?」


名前を呼べば、渋々と顔を近づけた。

唇がさっと重なり合い、瞬く間に離れた。





Practice makes perfect






「きょ…………篤さんのいじわる」

「付き合って何ヶ月経っていると思ってるんだ?

 いい加減に、名前を呼んで欲しいもんだ」

「うっ、でも間違う度にキスって……!」

「オマエ、身体で覚えていくタイプだろ」

「………………そうだけど……」

「これが一番だろう?」



下書き 110813
掲 載 110827
再掲載 111218
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