一周年記念 その五




よし!と今日も決意を新たに起き出した。

訳も解らずこの古代エジプトらしき処に放り出されて、早二ヶ月。

運良くアテム(らしき人物)に拾われて、生きています。

自分で言うのも何だけど、よく生きていたなぁ。

乱暴な人達に捕まった時はどうしようかって思ったけど、アテムに出逢えたからラッキーだったよ。

アテムは優しいし、傍にはクリボーがいるからあんまり寂しくは無い。

………………うん、ないんだから………。

今はアテムが空いた時間に言葉を教えて貰ってるんだ。

………………あんまり成果は上がってないけどね。

それでもやっている意味ってあると思う。

優しく笑ってくれるんだよね、上手くできると。

年上の威厳が形無しだけどね!




Everything must have a beginning




最近のお気に入りはとある奴隷商が進呈した肌の白い奴隷だ。

異国の者らしく言葉の不自由なソレは、何とも変わった奴だった。

正妻の唯一の男子だから、憎まれたり怨まれたり恐れられたり、逆に胡麻を擦ったりする者のどちれかに別れた。

しかしコレ___ユーギは違う。

奴隷を含めて多くの人間が持っている、どす黒い闇が無い、澄んだ瞳をしている。

俺がちょっと構うだけで、笑いかけるだけで、本当に嬉しそうに笑うのだ。

裏表の無さに救われたのは、俺だ。

だから今日も愛でる。



下書き 110813
掲 載 110815
再掲載 111218
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