どこか不器用で、
優しくて、
あたたかい、
貴方の手。
02包み込む
日本は居間のテレビで共にくつろいでいるイギリスの手を盗み見た。
細く白く長い指はすらりとしていて、美しい。
その手はどこか不器用で、優しいことを日本は知っていた。
繊細に指を動かし刺繍を作りあげていく姿も、
優しい仕草で薔薇を手入れしている姿も、
大切に包み込むように自分に触るイギリスの姿も、
ちゃんと日本は知っている。
「……………俺の手がどうかしたか?」
「え?あの、あー指が綺麗で触りたいなぁって、
あぁ、もう何を言ってんでしょう!/////」
日本は予想外に話しかけられて、気が動転しているようだ。
普段は絶対にむやみに言わない本音すらだだ漏れである。
イギリスは少し驚いた顔をして破顔した。
「どうしたい?」
「/////手、いいですか」
イギリスは返事代わりに手を差し出した。
日本はその手を両手で包み、時に絡ませた。
(可愛いなぁ、日本)
(イギリスさんの手は大きいですね)
麗らか春の風が彼等の頬を撫でた。
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