誰か
誰か
私の聲を
聞いて下さい
どうか
どうか
私の大切な
あの子を
助けて下さい
誰か
だ れ か
Mannaz
play 1 プロローグ
時は二十一世紀も半ばを過ぎた、2061年。
人類はより加速化しながら進歩・発展している。
特にここ二十年ほどで目覚ましく進歩した分野がある。
それは“メタリアル・ネットワーク”___通称“メタル”である。
二十一世紀初頭に『人間の意識同士を繋ぐ理想的ネットワーク社会の形成』を唄い、個々の記憶の情報化及び保存が出来るようになった。
しかし、そこで個々の記憶の流出や改竄等の新たな問題が出て来た。
その時、人類には二つの道があった。
一つ目はネットワーク社会からの離脱である。
だが、ネットワーク社会に依存し、生きてきた人類はその選択肢を選ばなかった。
人類はよりセキュリティを強化した新たなネットワーク空間を望み、成し遂げた。
それがメタル___電脳情報処理システムである。
人々はそれを受け入れ、各々の生活に浸透させた。
そして、メタル内部で人々は仮想空間を持つようになった。
この仮想空間は現実世界に限りなく近い再現性を持ち、利用者の理想の具現化を可能とした。
開発されたメタルは個人の仮想空間に留まらず、ありとあらゆる空間の共有・制作ができるようになった。
例えば、失われた生き物に出会えたり、リアルでは体験できない数々の快楽を享受もできる。
つまりは、理想がメタルと金さえあれば、あらゆる理想が叶えられる。
それに伴い、新たなメタルビジネスも生まれるのは当然だ。
数多ある中でも、今注目されているモノがある。
【Mannaz(マンナズ)】というゲームだ。
若年層からブームが起こり、今ではユーザーは全世界の約四億人以上が参加し、今なお増加傾向にある。
ゲームの的確な目標はなく、ユーザーの自由度の高いゲームだ。
ある者は仮想空間内のモンスターと戦い、またある者は仮想空間内で別の人生を体験している者もいる。
これからもゲーム【Mannaz】は盛況になっていくことだろう。
To be continued
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資料『R/D/潜/脳/調査/室』公式サイト様