肌に張り付くような湿気が多い日本に恋人のイギリスが昨日から遊びに来ていた。
日本は「夕飯を作ってきますので、どうぞごゆるりと」と、
イギリスに言い残し席を立ったのは今から十分前のこと。
イギリスは勝手知ったる何とやらで寛いでいたが、
用をたす為に本に栞を挟んで立ち上がった。
トイレは台所の近くにあるので、日本に顔を出そうとイギリスは心に決めた。
近付くにつれ、一定のリズムを刻む包丁の音が聞こえてきた。
更に近付くと___音を殺した嗚咽をイギリスは確に聞き取った。
足早に台所に入った。イギリスは日本との距離を素早く、静かに詰めた。
「っ、ふっ」
「泣いているのか?」
日本はビクリと体を揺らし、振り返った。
目は涙でうるみ、目元は赤くなっていた。
「(俺なんかしたか!?)」
イギリスは数々の原因を考え始める。
日本は俺といると嫌とか?
本当はもう手を切りたいとか?
素直に色々言えないで傷付けたとか?
目隠しとかの夜の営みが嫌だった!??
イギリスは内心一人大暴走である(笑)。
「あっ、す、すみません」
「俺が………原因なのか?」
「いえ!違います」
不安そうにこぼしたイギリスに対し、日本は素早く否定した。
恥ずかしそうに日本は頬をかいた。
「た、玉ねぎが目に染みてしまいまして………/////」
日本の涙の原因はタ マ ネ ギだった。
イギリスは内心ほっとして緩やかに笑った。
「/////うんと美味しい夕飯をつくりますね!!!」
「楽しみにしている」
イギリスはそっと触れるだけのキスをすると足早に出ていった。
「//////////(恥ずかしい………)」
日本は真っ赤に染まった頬を手で覆い、色が引くまでしゃがみ続けた。
▼オマケ1
退出したイギリスは___
廊下で同じく顔を真っ赤に染めていた。
座敷童が不思議そうな感じでイギリスを見上げていても暫くは反応できなそうである。
「//////////ちょっとだけ待っててくれ」
赤みが引くまで後五分。
▼オマケ2
「イギリスさん、ご飯ですよ」
「あぁ、分かった」
「今日はカレーです」
「日本の作るカレーはいつも美味しいな」
「ありがとうございます、イギリスさん。お代わりありますから沢山食べてください」
「日本もか?」
「もう/////」
オワレ
090804 下書き
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