これは酷い(真顔)
火神大我・十六歳は今日も今日とてバスケットをしている部活少年だ。
基礎練習でへばりつつも、沢山運動した後だからお腹が空いてしょうがない火神は急いで家路を向かう。
あんまりにも空腹だったのでいつもは避ける薄暗い公園を突っ切って行く事にしたのだった。
後々火神はこの選択を心の底から後悔する事になる。
公園を中程過ぎた頃だった。
『やーやー火神君』
「だ、誰だ!」
『火神君、火神君。そんなにきょろきょろしなくても君の足元にいますよ』
「ヒッ……!!」
いきなり話し掛けられ、自分の周りにはそれらしき人影はない。
まさか幽霊か、と顔を青くした火神にその声の主がそっと火神の足を触った。
足元に視線を落とせば、一瞬犬かと思い身体を強張らせた。
ソレは特に火神の反応を考慮しないまま飛び上がり、火神の肩に降り立った。
「な、なんだオマエ」
ソレはなんとも奇妙な生き物だ。
全体を見れば猫にほど近い。
三角の両耳の間から垂れる耳毛(?)は長くそれに通すように黄色の輪が浮いていた。
全体の体毛は薄い水色をしており、耳毛(?)の先はその色を濃くしている
しかし、何処か火神の記憶に引っかかる。
『僕はクゥロべえです』
「はぁ?」
『君の名前はなんですか?』
「俺は火神大我だって、しゃべったーーーーーー!?!?!?!?」
『その反応遅くないですか』
やれやれと溜め息をつくクゥロべえ。
その仕草に自身の相棒である黒子を火神
『僕と契約して魔法少女になってください』
「いや、俺男だぞ」
『失礼しました。では僕と契約して魔法少年になってください』
「なるわけねーだろ!」
『分かりました。今は諦めます』
「はぁ、良かったぁ」
『君が僕の魔法少年になるまで何度でも勧誘しますからね!』
「えぇぇ」
おわれ
下書き 140524
支部掲載 140524
再掲載 140627