____おっぱい。
それは男にとって夢と希望と欲望が詰まっているモノ。
現実には脂肪とか筋肉で構成されているのだが、まあそんなの関係なかろう。
これはそんなおっぱいに色々抱いちゃっている少年とその幼馴染のハートフル()コメディである。
東京都の某所にある高校____桐皇学園にはちょっとした有名な部活がある。
それはバスケ部だ。
夏のIHで準優勝を取り、夏休み明けでは全校生徒の前で表彰されたりもした。
今はその話は傍に置いておくとしよう。
桐皇バスケ部のエース・青峰大輝は入学条件で練習にはでないが試合には出るとつけている。
そのため普段行われる基礎練習その他に加わる事はほぼないのだが、時折気まぐれを起こして参加する事があるのだ。
今日は珍しくそんな気まぐれを起こした青峰がふらりと来ていた。
その事に一番喜んでいるのは青峰の幼馴染で桐皇バスケ部のマネージャーを勤める桃井だ。
いつもよりもにこにこ笑っている。
試合形式の練習で入れ替えのために青峰がベンチに戻って来た。
記録を取ったりとスポーツドリンクを配ったりと忙しそうに動いていた桃井も一段落着いたらしく、青峰の隣に腰を下ろした。
そんな気の緩んだ休憩の中、一発の爆弾が投げ込まれる事になるとは、誰が予想できただろうか。
「ねー、大ちゃんじゃなくて青峰君はおっぱいが好きなんだよね?」
「は!? えー、あーまーな」
「青峰はおっぱい星人やもんねぇ」
「おまっ、そこら辺を女の子にオープンにするのやめろ!」
「はぁ? なんで若松サンに言われなくちゃなんねーの?」
からかいに乱入した今吉に、青峰に突っかかる若松。
その様子をやや離れた所から心配そうにしている桜井に、傍観を決め込んだ諏佐。
桃井は真剣な表情で、口を開いた。
「大ちゃんって、おっぱいが好きなの? ホントは雄っぱいがいいんじゃないの!?」
「は? おっぱいとおっぱい?」
「ちょwwwwwwwももいwwwwwwwそれはwwwあかんwwwwwww」
「おっぱいとおっぱいって何が違うんだ?」
「スイマセン! 若松さん、桃井さんが言っているのは女の子のその……むね、と男の胸筋と言う意味の雄っぱいかと」
大混乱中の青峰を他所にそんな会話がされているが、本人の耳に届く筈もなかった。
さらに追い打ちが来た。
「若松さんみたいな雄っぱいの方が良いんでしょ!?」
「いや、だから」
「友達が『青峰君っておっぱいおっぱい言ってる割りには桃井のおっぱいに興味ないんだねー。だからきっと青峰は男のおっぱい、略して雄っぱいが好きなんだよ☆』って言ってたんだよねぇ」
「ッッッwwwwwwwwwwwwww」
「今吉、呼吸しろ」
「スwwwwスwwwwwスミwwwwwwマセンwwwwwwww」
「で、誰の雄っぱい?」
「どうしてそうなった」
「若松先輩? 諏佐先輩? それとも今吉先輩? 大穴で桜井君?」
「いや、そこにおっぱいねーじゃん」
「もー、かがみん? きーちゃん? ま、まさかテツ君……なの?」
「いや、さも俺が男が、好きみたいな風に言うな」
「テツ君は譲らないんだからね!!!」
「俺の話を聞け!!」
「休憩終了ですよー」
「「「「はーーーい」」」」
「え? え? え?」
監督に促されて、次々とコートや自分の仕事に戻った五人。
一人取り残された青峰は耄けたままだ。
「え? 俺放置か。………………とりあえず、さつきに変な事吹き込んだ奴、コロス」
青峰少年はそう誓ったとさ。
おわれ
桐皇うちわけ
桃井:暴走型ボケ
青峰:馬鹿ではあるが一応ツッコミ
桜井:控え目なボケ
若松:小ボケ時々ツッコミ
今吉:あざとボケ
諏佐:スルー&傍観時々今吉へのストッパー
下書き 140523
支部掲載 140524
再掲載 140627