ゲ瀬←←←←笠
その男を表現する言葉は多数存在している。
曰く、美しい。
曰く、イケメン。
曰く、犬っぽい。
多数の顔を使い分けていると言えばいいのだろう。
しかし笠松に言わせれば、酷く蟲惑的な男だ。
その男__黄瀬は恋愛という価値が世間一般とずれている。
週あるいは月に恋人が変わり、何股も普通にしていた。
彼にとって恋愛などちょっと気を紛らわすゲームあるいは性欲を処理するツールでしかない。
ここのところ黄瀬が凝っていることは、自分の主将である笠松をからかうことだ。
ルールは二人っきりの時で、言葉ではなく態度で笠松を弄ぶ。
六月を過ぎた頃から酷く熱っぽく黄瀬を見つめていた事に気付いたからこそ意味がある。
そう、笠松は黄瀬に対して恋愛感情を抱いていたのだ。
芸能界に所属していて、人の機微を読むのが得意な黄瀬にとっては恰好の弄りネタでしかない。
ちょっと熱っぽく見遣れば、笠松は頬を赤らめる。
小指を絡めれば硬直したのは中々に嗤えた。
(俺がセックスしたいって言えばあの人、股広げてくれるんじゃないんスかね)
くつくつと嘲笑う黄瀬の瞳は酷く獰猛な目をしていた。
【好きすぎて死にそうな5つのお題】
シュッレーディンガーの猫様よりお題拝借。
下書き 140306
掲 載 140314
(ルートは二つ)
(ゲ瀬ルートだとそのまま肉体関係に突入してグズグズと腐って行く)
(改心ルートだと犬瀬に大変身☆)