一周年記念 その二十
誰が一番変人か?
そう呟いたのは誰だったか………………。
「絶対、シカマルだろ!」
「はぁあ?」
人里を離れた森の中に人目に付かない一軒家がひっそりと佇んでいた。
そこに木の葉最強にして最凶なコンビが寛いでいる。
金髪碧眼のうずまきナルトが、相方の黒髪黒目な奈良シカマルにそう言い出した。
廃れて久しい鉄の里の禁術書を読み進めたシカマルは顔を上げ、ナルトの方に向き直る。
「何が俺なんだ?」
「誰が変人かって話だ」
「………………変人はお前だろ」
ナルトの持ち出した話題に呆れつつ冷静に突っ込んだ。
何分、彼らは良くも悪くも普通じゃなかった。
方や木の葉一のトラブルメーカー、方や木の葉一のマッドサイエンティスト。
両者、類を見ぬ変人である。
「………ひとまず他の奴から考えようぜ」
「………そうだな」
痛い沈黙の後に目の前の議題を脇に避けた。
無駄に熱くなり、この前の第二演習場破壊は火影にこってり絞られ、修繕費が互いの懐を打撃し、また減給が暫く続く予定だ。
あれは痛かった。
閑話休題。
「まず七班か」
「サスケはブラコンで、サクラちゃんはサスケマニアな変人だな」
「十班のイノは植物マニアで、チョウジが食い道楽」
「キバは犬馬鹿。シノは虫馬鹿。ヒナタは………なんだろ?」
「唯一の普通なんじゃねー?」
「そうかも」
ざっと同期を分析した二人は、更に考えていく。
曰く、カカシは変人でなく変態とか。
曰く、アスマは変人でなく熊とか。
「全く変な奴ばっかだな!」
「そうだな」
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此処に火影が居たらこう思っていたに違いない。
『戦闘狂のトラブルメーカーとトラウマ量産マッドサイエンティストには言われたくない』と。
下書き 110906
掲 載 110909
再掲載 111218
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