一周年記念 その十九




俺はアイツに出会うまで、色んなモノを呪っていた。

母の事も、その時知らぬ実父の事も。

そして何より俺自身の事を。

許せなかった。

許せるわけがなかった。

自分を世界を呪えば呪う程、闇の深みに填まっているように感じた。

深みから俺を引き摺り出したのは父さん。

光を灯したのは、七地だ。

七地が変わらずにいてくれたから、お人好しだったから、傍にいてくれたから。

俺は独りじゃなかった。

俺は罪を背負って、いく。

もう、恨まない。

ただ前を見据えて行く。

終わりまで。





Curses, like chickens, come home to roofs






だから

終わるまでずっと

俺の傍らにいて欲しい

ただ其れだけが俺の願いだ



下書き 110908
掲 載 110909
再掲載 111218
BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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