図書室の話B | ナノ
※きり丸視点
※きり久(R18)


自分で思ってる以上に俺は先輩に大事にされるんだと実感して、それだけでさっきまで辛うじて残っていた理性が消えるには十分だった。好きにしろ、と男らしく簡潔に言って俺にされるがままになってる先輩が格好よくて、完全に勃ち上がった俺と違って頭が上がり始めたくらいの先輩のものが愛おしくって、舐めて擦って吸ってと愛撫を繰り返すうちにおおきくなっていくのがたまらなくって、でも今日はこの立派なものが使われずに終わるんだという歓楽さに眩暈がした。先端を口に含みながら、ローションを使って後ろも解し始める。

なんでローションがあるかっていうと、さっきまで池田先輩達がやってた付近の本棚に、本の影に隠れるように忍ばされていたからに他ならない。本当にいけ好かない先輩だ。同じ先輩でも久作先輩とは随分違う。当たり前だけど。アドバイスと称して俺を唆してくるあたり性格悪いなぁと思わざるを得ないだろ。それで用意周到に未使用のローションを置いていくんだから全部あの先輩の思った通りになってるみたいで気に食わないけれど、それよりもこんな場所で許してくれた久作先輩への気持ちが溢れてしまいそうだ。どっかの誰かさんと違って常識人な久作先輩は俺か先輩の家じゃないとキスすらしないのに学校でやるなんて、しかも俺が知る限り先輩は抱かれるのは初めてなんだから嬉しいに決まってる。

「先輩、痛くないですか?」

最初は痛い。無理矢理広げられる苦しみは本来味わうはずないものだ。それでも吐息を漏らすだけでぐっと耐えて、大丈夫だと言ってくれる先輩をどうにか早く楽にしてあげたくって、再び口を動かして前も刺激する。苦い我慢汁も今の俺にとっては甘く、興奮しかしない。

「は、ぁ……ん、きり丸、足、こっちむけろ」

滅多に聞くことがない艶めかしい声に、かっと血が上る。本当にどうにかなりそうだ。

「お前、も、そんなにして、つらいだろ?」

あぁもうそんな気を遣わなくたっていいのに。今日は俺が全部したいし先輩を満足させたいのに、体は正直でお言葉に甘えてしまうあたり俺は耐え性がない。油断すると全部持っていかれそうになる巧みな刺激に耐えつつ、負けないように解しながら先輩のいいところを探す。最初は指一本でもきつかった場所が俺の指を二本、三本と飲み込んでいく様も間近で見ると格段にエロくって、ローションで滑りがよくなっているおかげかスムーズに動く指に先輩の腹筋が震える。きっとあともう少し、と欲張って奥を引っ掛けば口の中の質量が増し、俺への刺激が止まった。ようやく見つけた箇所が愛おしくって、忘れないように執拗に責める。

「ねぇ、いってください、久作先輩」

徐々に強くなる後ろの直接的な刺激と前への愛撫に先輩は俺の口の中で達した。脈を打って震えながら吐き出されるのが堪らなく嬉しくって、大事にこぼさないように喉を鳴らして飲み干す。先輩と今まで何度もやったけど、前戯も含めて俺より先に先輩がいったのは今日が初めてだった。残念ながら声はかみ殺されたけど俺のにぶつかる先輩の熱い吐息は聞こえたし、余韻に浸る先輩の息遣いは半端なく色っぽくて、吐き出された精液が少し濃かったのも相まって、俺は無意識に自分のを扱いて勝手に達した。俺の手から溢れたのが先輩の顎から下を汚していく快楽に逆らえず、出したばかりのはずなのに勃ったままだ。性欲に弱くだらしがない俺の痴態を咎めない先輩の口の周りを舐めてきれいにする。久作先輩のなら美味いけど、自分のはそう思えないのが不思議だよな。お互い唾液と俺の精液の残骸とでどろどろになりながらするキスはねっとりと気持ちがよく、先輩に手をとめられなかったらまた一人で触って勝手にいくとこだった。

余談だが俺はよく先輩の前で自慰をする。前戯の延長だったり、挿入後の余韻のままだったり色々だけど、先輩に見られながら自分で触るのはいつもと違うよさがあってほぼ毎回見てもらっている、恥ずかしながら。でも先輩も気持ちよくなるのを優先したらいいって言ってくれるから俺が勝手に触っても意地悪くまたかと笑うくらいだ。だからこそ、たまの焦らしプレイの気持ちよさも半端なくって病みつきになっていくんだよな。そのあたりの配分が先輩はすこぶる上手い。だから俺はもっとやりたくなるのに、ってもしかして週に二回くらいしか相手をしてくれないのも焦らされてるだけだったのか?テスト中になると勉強に集中するからひどいときは二週間お預けだし。あれは俺にとっては死活問題だ。そりゃ先輩はいいかもしれないけど、俺は勉強どころじゃない。

「だいぶ解れましたけど、どうです?いいですか?」
「お前が、ねちっこい趣味してるってよく分かった」

先輩をいかせた後も後ろに指を入れたまま、弱い部分に直接触れないように細心の注意を払って動かしていた俺に対する先輩の評価は妥当だと思う。つい数十分前までは固かったそこがどんどん柔らかくなって俺の指を覚えていくのは至福だ。こんなことを思うあたり、俺も池田先輩のこと言えないくらいに歪んだ趣味をしているのかもしれない。

「そろそろいれますね」

散々動き回った指を抜く。この抜くときの内壁のうねりがこれから俺のを締め付けるのかと思うと期待で胸が膨らむ。ようやくなくなった異物感に安堵しただろう先輩には申し訳ないけど、片足を持ち上げて先端を宛がう。それだけでこれから起こることを予測したのか、復活して腹につきそうな先輩のものが震えて、耐えようとする先輩の顔にはそそられる要素しかない。先輩がここまでエロいと思わなかった。

慣らしたとはいえ狭い中を押し広げるけど、きつい締め付けに俺が先に根を上げそうだ。ここで先輩のを触って力を抜くのは容易いけど、出来れば後ろだけでいく快感を味わってほしくてそれは我慢。少しずつ入れては抜いてを繰り返し、先端が入ったところで一度止める。いつもはそんなに汗をかかない先輩の額に浮かぶ汗がキラキラ光ってすげぇきれいで、塩辛い珠をひとつひとつ唇で受ける。今の先輩はほんと色っぽい。可能ならずっと眺めてたいけど俺が限界だから、一気に根本まで挿入する。これ、俺がよく先輩にしてもらうんだけど、いきなり奥まで入れられると脳みそが揺れるくらいの刺激になって、目の前が真っ白になるんだ。そうなればもう体に与えられるもの全てが快楽に繋がって脳髄に伝わる。あの何も考えられなくなる感じは病みつきになる。そうなった先輩を、俺は見たかった。

「入っ、ちゃいました、ね。久作先輩」

荒い息しか返ってこないけど、いいんだってのは後ろの締め付けで分かる。ぎゅうぎゅうと収縮を繰り返して俺も気を張っていないと持っていかれそうになる。濡れて焦点がぼやけた先輩の眼差しは熱に浮かされていて、普段の余裕がなくなっていた。そりゃ当然だろ、俺がいっつも先輩にされてることをしてるんだから気持ちよくないはずがない。だいたいどういうところが感じやすいかなんて俺は自分の体で熟知してるんだから。

そう長く持ちそうになくて、このまま動かずにいたら俺の方が確実に先にいくから自然と揺れる落ち着きのない腰を何も考えずに振った。抜くときに先端が引っかかる感じとか、入れた時に俺のに合わせて動く先輩の中とか、入れられるのと違った気持ちよさがあってハマりそうになる。先輩のから垂れる我慢汁が多くなってきて、あともう少しだと腹筋に力を入れた。でもそんな必死の努力も虚しく先輩がいったのは俺が中に出してる最中で、恥ずかしながら後ろでいった先輩にまた俺のは反応してきて、しかもその時の締め付けがこれ以上ないくらい抜群だったから、まだ芯を持ったままだったりする。

「っ……ど、でした?」

汗やら何やらでどろどろに汚れてるのも気にならないくらいに息が上がったまま、肩で息をしている先輩を伺う。

「早まった、気がする」

お前に抱かれるの、と絶え絶えに言う顔が真っ赤で、格好いい先輩が無性に可愛く思えて、こんな顔が見れるならそりゃエスカレートするよな、と意地の悪い先輩の嗜好がちょっと分かってしまったのがつらいけど、満足してくれたのが嬉しくって気怠そうな先輩に上から抱きついた。俺、やっぱりこの人が好きだ。

「言っておくけど、今日はもうしねぇからな」
「今日は俺も大丈夫ですってば」

まだ半分勃ってるし熱は引かないけど、この余韻に浸っていたくて先輩にキスをねだった。