「そうだ、旅行に行こう」
「はぇ?」
「ベタに温泉がいいわよね。うん、よし決めた」
「えええええ!?とりあえず浴衣は絶対着てね!」
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「菜緒ちゃんって結構唐突だよねえ…」
「だってせっかくの纏まった休みだもん。さくさく決めないと時間もったいないでしょ?それに」
「それに?」
「節約出来た時間は佐助と一緒にいれるもの」
「菜緒ちゃぁん…!俺様きゅうんとしたぁ…!」
「あら、今だけ?」
「…ううん、いつも」
「ふふ、佐助のそういう素直な所好きよ」
「菜緒ちゃん、下半身が早くもぽかぽかし出すからえっちく笑わないで…」
「堪え性ないなあ」
「あなたを好き過ぎるが故です」
「どうにかしてあげたいけど…さすがに温泉街じゃね…」
「おれさま、おそと、だいかんげい!」
「M字開脚固定で局部晒したまま放置してやろうか」
「ごめんなさい」
「は〜、それにしてもいい所見つけられたよね。ちょっと寂れてるからどうかな〜と思ったけど、そこがまた情緒があっていい感じだし」
「浴衣で出歩くのちょっと憧れてたんだよね」
「下駄の音も小気味いいし楽しいな〜」
「あ、はい」
「うん?」
「手」
「…ふふ」
「えへへ」
「カラ〜ンコロ〜ン♪カランカランコロン♪」
「このまっふりした雰囲気で鬼太郎を歌うなんてさすが過ぎる」
「まっふりって何?」
「まったりうっふりの略」
「うっふりって…まあいいか」
「こういう雰囲気の事だよ。一緒にいると自然と笑顔になっちゃう」
「…妙に納得してしまった」
「でしょ?」
「あ、ゲーセンだ」
「レトロな空気出てますなあ」
「ちょっと入ってみようよ」
「ういー」
「あはは、レトロだー」
「こういうのまだあるんだ。なんて言ったっけ?インベーダー?………、」
「逆に斬新に見えるわ。佐助ゲーム得意?」
「……上手くもないけど下手でもないって感じ?」
「どしたのさっきから。うるさいなら出る?」
「…菜緒ちゃん、ちょっと後ろ向いて」
「え?うん」
「っ、ちゅ、ちゅぅぅっ」
「さあっ!?」
「…ぺろっ」
「んぁっ…」
「はいオッケー」
「おおおオッケーじゃないわよ!何してんのこんな所で!?」
「虫よけ」
「は?」
「さ、気を取り直してゲームやろっか!」
「下から握りこむスティックの持ち方!?あんた実はすごい出来る人でしょ!?」
「ワンコインで良いとこ見せちゃうよ〜♪」
(誰の許可を得て浴衣姿の菜緒ちゃんに鼻の下伸ばしてんだっつの)旅行中の虫よけ対策は万全。
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