ちびちゃん達が突然大きくなってしばらく経ったある日の事でした。


「わっ、わわわ…!」

「おっと」

「お…おお〜…ありがとー元親くん」

「どういたしまして。なんだ?上の荷物とんのか」

「ううん、荷物置きたかっただけ。もう置けたから大丈夫だよ」

「こんな事で怪我してちゃ世話ねえぞ」

「いやあ、かたじけない」

「そんなんは男に任せろよ。あぶねえだろ」

「うん。へへ、ありがとー」

「で、菜緒はいつまで元親にもたれ掛かったままなんだよ」

「や、収まりがよくて…こう…うん」

「菜緒は軽いなー」

「え!?ほんと元親くん!?」

「おう。ほれ」

「うわっ!?うわわわわわこれは女子憧れの!!お姫様だっこ!!」

「どこに女子が」

「黙れ小僧!いやしかし元親くんすごいね。不安定かと思ってたけど結構安定してるんだねお姫様だっこって」

「俺がお前を不安にさせるわけ…ねえだろ…?」

「元親くん…っ!」

「おーい佐助ー。お前の嫁さん浮気してっぞー」

「こらあー!俺様のお嫁さんに手をだすなあー!」

「いや、どちらかと言うと貴様の嫁の方が浮気心を出しておったぞ」

「菜緒ちゃん…!?」

「ちがっ!佐助!これはちょっとじゃれてるだけよ!」

「なんでちかちゃには抱っこさせるのー!俺様もしたい!」

「…へあ?」

「おいでおいで!俺様のとこおいで!」

「え、あ、うん」

「よい、しょっ、と!ほら!俺様だって出来るもん!」

「佐助大丈夫…?しんどかったらすぐ
下ろしてね?」

「む、俺様男の子だからだいじょぶですぅー」

「菜緒、おのこにそれは失言ぞ」

「つーん」

「ごっ、ごめんね佐助!」

「…なんちゃって。菜緒ちゃんびっくりした?」

「…したぁ…!」

「ごめんね。でもね俺様菜緒ちゃんが近くて嬉しいー。へへ、菜緒ちゃあん」

「ん〜」

「そこでちゅっちゅ始めんなよ」

「「政宗、ひがむなひがむな」」

「ちげぇよっ!!」

「しかし政宗の申す事も分からんでもない。打開案として…」

「えっ!?わっ、元就!?」

「我が抱けばいいだけの事。これならばいちゃつけなど出来ぬだろう」

「そ、そういう問題かなあ」

「…ふむ、菜緒、お前痩せたいなどと申しておったが今のままで十分ぞ。これ以上肉がなかったら腕に骨が当たって抱きごたえがないわ」

「あ、ありがとう…?」

「元就の口説き文句は分かりづれえなあ」

「「口説き…文句…?」」

「そこ二人で首傾げんなよ」

「元就、菜緒ちゃん返して!」

「喧しい、耳元で騒ぐでないわ。ほれ」

「ちょっ、投げっ!?おわぁあ!?」

「はい、キャーッチ」

「びっ、くりしたぁ…!」

「俺様が抱っこしたからもう大丈夫ですよー」

「佐助…!やっぱり佐助が一番よう!」

「「「あーもー分かったからあっち行けお前ら」」」


君の腕の中が一番!





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