何かしら「繋がりのある人」とは、前世でも繋がりのあった人らしい。
それは、下校中に会った小学生だとて例外ではないようだ。
「…と、言われてもね猿飛くん」
「わあ他人行儀!昔は佐助さま佐助さま!って引っ付いてくれてたのに!」
「…記憶にないなあ」
「菜緒ちゃん小さかったもんね!」
「小学生の君に小さいって言われても」
「だから前世は、だってばー!」
「前世なんて言葉よく知ってるねえ。えらいえらい」
「もおーっ!」
「さすけえ!」
「あ、旦那!」
「む?…はっ、そなたは!」
「佐助くんの弟?」
「菜緒ではないか!」
「…が、なんで私の名前知ってるの?」
「弟じゃないよー。お隣さんの幸村くん。そんでおれさまの主だったお方だよ」
「あるじ…?…って御主人さまとかの主?」
「そーそー。だんなぁ!菜緒ちゃんおれさま達の事覚えてないんだって!」
「なんと!?とけるほどあいしあったあのひびもか!?」
「幼稚園児から飛び出る言葉には到底思えない…」
「むう、前は旦那にとられちゃったけど今は身分とか関係ないもんね!ねっ、菜緒ちゃんおれさまのモノになんなよ!」
「なにをもうすかさすけ!菜緒、おまえはおれのしょゆうぶつであろう!?」
「あっ、そうそう。今日ね家庭科実習でマフィン作ったの。食べる?」
「「わー!たべるー!」」
こうして現世も紡がれる絆
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