十万打企画 | ナノ


▼ 敵強ヒロイン×トミー様

普段は自由気ままに世界を旅する放浪者、そんな私の裏の顔はIGOの第0ビオトープ職員である。ちょっとしたきっかけで知り合った与作に推薦され、知らない間にそうなっていた。最初は文句を言ったけど、会長(というかリーダー?)から直に頼まれては断るに断れない。そんな訳で仕方なく引き受けた。まあ、給料いいし、何かしら呼び出しがない限りは特に活動がないから今まで通りのんびりと放浪していた。


そう、「していた」


第0ビオトープ職員の中で、私は最年少かつ女だ。そしてIGOには美食會という敵対組織が存在する。それはつまり、IGOの情報を知りたい敵側にとって私は獲物以外の何物でもないということを示している。職員になってから暫くして、見た目からして「悪役ですよー」って奴等が襲撃してきた。彼等はご丁寧にも自分達が所属する組織を教えてくれた。それが「美食會」だった。とりあえずその時は適当にボコって逃げた。それが駄目だったようだ。
数日後、今度はてんとう虫+ゴキブリ+人間みたいな奴が現れた。強さと見た目の酷さがパワーアップしてしまった。あれだ、ちゃんと会長に知らせたり襲撃犯を警察に届ければすれば良かった。何故私は厄介事を更に厄介にしてしまうようなことをしてしまったんだ…。いやでも、こいつは強いから警察に届けても意味はない、むしろ警察がご臨終する。かといって、会長に連絡するのもなぁ…あの人は忙しいだろうに、この程度のことを知らせるのは忍びない。
「此所で潔く情報を吐いて死ぬか苦しんで情報を吐かされて死ぬか、好きなのを選んでよ」とりあえず、ボコって逃げた。

また私は選択を間違えた。

それから一ヶ月過ぎた。その間に、その物騒な台詞を吐いた奴に遭遇した回数、二十三回。
付きまとわれるようになってしまった。



「…しつこい」

「お前も諦めが悪いよネ。逃げられると思ってんの?」


いつもお前をボコって逃げてるよ、一時的にだけどね。そう心で吐き出した。

彼はトミーロッドと名乗った。どうやら私にあっさりと負けたことが相っ当悔しかったようで、襲撃という名のリベンジをほぼ毎日してくる。そして私は一発殴って気絶させて逃げる。これが最近の日課となりつつある。嫌だなこんな暴力的な日課。


「今日こそお前を殺してアゲル」

「あげなくていいよ頼んでないから、というか、情報はどうなったの?」

「いーよ別に。あってもなくてもボク等のやることはそう変わりはしないし」

「じゃあもう現れないでよ頼むから、頼むからぁ…」

「ヤダ」



即答。とっくに諦めてるからもう何も思わないよ…素直にはい分かりましたと言う奴が美食會にいるわけないもんね。また今日も殴らないといけないのか。暴力は好きじゃないけど、仕方ない。
というか、どう考えても実力的にトミーロッドじゃ相手にならないんだから諦めればいいのに。本当にしつこい。



「ねぇ名前。もしもお前がボクに平伏したら、選ばせてやるよ」

「は、何を?」



もしかしてあれか、初対面時に言ってた潔く吐いて死ぬか苦しんで吐かされて死ぬか、てやつか。そう尋ねてみたら「んーん」と頭を横に振りながら言われた。子供がやったら可愛い仕草と台詞だ。トミーロッドがやったらどうかって?ホラーかスプラッタ映画見てる気分になる。怖いというか、背中に悪寒が走る。



「それは負けてからのお楽しみってやつさ」

「…」


全然お楽しみじゃない。私の生死を懸けてまで気になるとじゃないし、悪いけど今日もさっさと殴って逃げよう。




(ボロボロになって無様に地面に這いつくばる名前を見下ろして、選択肢を与えてやる)

(潔くボクの物になるか、無理矢理ボクの物になるか)

(それ以外の選択肢はやらないよ)

(ああ、早くその日が来ないかなぁ!)


リクエストありがとうございます。
とりあえず、真っ先に書き上げたものからアップしていきます。順番はどーでもいーや(トミー様の台詞ぇ)
ふるぼ、フルボッコ…ぇ?あれトミー様フルボッコじゃな……すみませんこれで許してください。

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