当為

本来、「こう」あるべきなんだ。
僕はベットの上で思った。

部活の帰り道、日向が自転車を押しながら駆け寄ってきた
日向にくっついて影山も来た
いつもむかつくけど日向の隣にいるのが当たり前みたいな顔してる影山は更にむかつく
「月島ぁ、数A教えて!」
「…谷地さんは?」
「今日は用事があるから頼めないんだよ!!」
「やだ」
「明日、当たるんだよ!」
「…」
小さな巨人なんて憧れてるこいつから影山を引き剥がすチャンスだと思った
「わかった」
「やった!!」
「…教えてやるから、うち来なよ」
日向が飛び跳ねてる
騒ぐな!と隣で影山が日向を牽制してた
「王様、今日は日向だけ。」
「はぁ?!」
「明日当たる理由が日向にはあるけど、王様にはないでしょ」
影山がなんか吠えてるけど無視して次の角を曲がった。
「わあ〜!月島んち初めて来た!」
「当たり前でしょ」
「おじゃましまーす」
母さんと日向が挨拶してる脇を通り過ぎて自分の部屋に入った
「なんか、月島の部屋って感じする!」
「余計な事言ってないで数A教科書出して。」
鞄を漁る日向を後目に制服を脱いだ
「ん、出した!」
「じゃ、そこ座って」
日向は僕の指差した場所に座って卓に教科書を置いた
僕は日向の隣に座る
「お前のクラス、今何処までやってんの?」
「円順列と商の法則!」
「ふーん、うちの方がちょっと進んでるな」
日向はパラパラと教科書をめくった
「そうなの?」
「うん。明日のとこ、取りあえず読んでみなよ」
予習は一回、教科書を頭にいれてから。
ま、日向相手じゃ自分の予習みたいには出来ないけどさ
「…だから‥こうなる訳」
「うんうん!わかった!!」
「はーぁ…馬鹿に教えるのは倍疲れる」
「にゃんだとぉ!でも、ありがとっ月島!」
日向がパタンと教科書を閉じた
「谷地さんが駄目だった時はまた頼むな!」
日向が立ち上がったので手を掴んだ
「ちょっと、このまま帰る訳?」
「ん?なんで?帰るよ」
「お礼とかないの?」
「今言ったじゃん!ありがと月島って!」
座ったままだから、日向を見上げる格好になる
「どうゆうこと?」
日向ってこうゆうの疎そうだからな
さて、なんて言おうかな
「…ストレッチ、学校では出来ないストレッチしたいから手伝いなよ」
「え〜ストレッチ?部活後にしたじゃん!」
「予習みてやったんだから黙って手伝えよ」
「むぅ、わかったよー」
動きやすいように日向にも制服を脱がせた
日向か制服脱いでるうちに僕は念のため部屋の鍵を閉めた
音楽聴くために部屋は多少防音してあるから余程の事がなければ親は来ないだろうが。
「お前、した事ないだろうから先に俺が教えてやる」
「おう!」
「ベットに寝て。」
日向が寝転がった上に四つん這いで乗る
「うぅ〜なんかいつもより月島がでかくみえる〜」
「うるさい、黙ってろよ」
日向のシャツの裾から手を差し込んだ
ビクッと日向が強張るのが分かる
緊張が俺の手に伝わる
本来、「こう」あるべきなんだ。
こいつは捕食される側だ
身長は中3平均よりやや劣るだけで特別小さな訳でもない
僕がそう思う所以はもっと根本的な何かなんだと思う
脇腹に指を滑らせると唇を噛み締める
くすぐったいの堪えてる顔だ
乳首を人差し指の腹でクリクリと回す
だんだんと硬くなってきてはいるけど、別段反応がある訳でもない
思ってたより面白くなくて爪で引っ掻いた
「つうあっ!!」
大きく日向の体が跳ねて、僕の事を睨み付ける
「月島、ふざけんな!いてぇじゃんかよ!!」
「あーごめん、見えないから思ったより強くしちゃった」
「じゃ、見てやれよ!」
日向は自分からTシャツを捲って胸元まで引き上げた
「…あっそう、じゃ遠慮しないね。」
露になった日向の乳首にキスした
それから甘噛みして日向の表情を伺うと眉を寄せて目をぎゅうっと閉じてる
舌で押しつぶすみたいに舐めてやる
「ねぇ、日向どんな感じする?」
「っ、わかんね…けど、なんかゾワゾワする」
「ふぅ〜ん」
ちゅ、ときつめに吸った
わざと日向の足の間に膝を入れて股間に押し付けた
日向が小さいから二点責めする体制がちょっときつい
口で右乳首を優しく吸いながら、左乳首は爪でカリカリ引っ掻くようにしてると少しずつ日向の反応が変わってきた
吐き出す息が上がってきてるというか
体を起して日向を見下ろすとシーツなんか掴んでて
言うなれば、これは
「…扇情的。」
「へぇ?なに、つきしまぁ…?」
少し潤んだ目をして俺を見る日向のズボンに手をかけた
弾かれたようにそれを止めようと僕の手を日向が掴む
「なんかエロい事しようとしてる!?」
「え?」
「この前…影山も、なんか、ちんちん触ろうとしてきた」
「王様が…?」
なんか一気にテンション落ちた
ていうか
王様ってば、トチって日向に警戒心植え付けてんじゃんか
「……そんな事言う日向にはまだこのストレッチは早いかもね」
俺は日向の上から降りた
「っんだと!?」
「お礼はまた別の時でいいって意味だよ」
「ん?よくわかんねぇけど、そうなの?」
日向は首をかしげながら乱れた服を直して制服を着た
うちの母さんは夕飯食べていけばいいのに、って残念がってた
玄関先の門を出て日向が頭をペコッと下げると自転車を漕いで行ってしまった
逃した獲物の背中を見てる悔しさに自分の表情が歪むのが分かった