聖なる夜の。  プロローグ 




クリスマス・イブ。世の中では子供達が浮かれ騒ぎ、恋人達はロマンチックな夜を過ごし、各々が各々なりに楽しく時を過ごしている頃。

一部の者たち、世間では「サンタさん」と呼ばれる、不思議で少々特殊な仕事に就く人々−−は、忙しく働いていた。あと数時間の後に、各地方に住む子供達にプレゼントを届ける為に、荷物を積み込んだり最終確認をしたりと色々あるのだ。
「おーい、方位磁石持ったか?」
「ちょっ、なんか地図無いんだけれど?どこやったっけアレ」
「知るか!その辺探してみろ!」
「げ、ソリの足取れかけてる…誰か工具箱持ってきてくれ」
「んな暇ねーよ!」
ワイワイ言い合いながら少年や青年達は着々と出発への準備を進める。その中で、小柄な茶髪の少年が、ソリを引くメブキジカ達のいる厩舎から出てきた。
「シカたちの体調は大丈夫。もういつでも出発できるよ。」
「お、サンキュ、トウヤ。お前今回は出れるんでろう?」
「ええ、まあ。」
「そうか、良かったな。何しろ前回は風邪引いて休んでしまったしな。」
「あの時はすごい迷惑かけて…」
「いいって。そんなことより準備は?」
「あー、まあ……」
「要するに終わってないな?」
少年のギクリとした様子に青年は笑い、「ほら、さっさと準備してこい。こっちはオレがやっとくから。」と少年の背中を押した。
「す、すみません!」


聖なる夜まで、あと二時間。



(準備におおわらわ!)




サンタトウヤ君。意味不明な文章ですが、最後まで読んでいただけるならば幸いです。

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