オンナッテノハ、





って言う切り口で始まる話題が大っ嫌いだった。その手のものをクダまきながら説教臭く話すジジイにだけは、心底なりたくなかった。女に縛られない惑わされない男。女で腑抜けにされない間違えない男。思考回路が女の跡を追っかけないで済む大人になれるなら、オレはなんだってやってやる。俺は、なる。むしろなれ。別に女なんてどうでもいい。そうすっぱり言い切れるくらいに、毎日毎夜ベッドの中で満足してやる。そうすれば考えなくて済む日が来るはずなんだ。



「異次元の女好きなんじゃないの?好きすぎてツラいって叫んでるようにしか聞こえませんけど。」
「ウソだろ。」



おっぱいに目がいく。



ダメだ見るな追うな。見ないように志乃の首だけを見詰めても心がおっぱいにいく。ダメだ追うな、落ち着けオレ、法華経般若心経唱えろ祝詞呟けオレ。とにかくアルカイックスマイルでも作っとけ。



「女好きで悪いこともないんじゃない?行動がいかにも女好きだったら引くけどね。」
「マジかよ。」



有り得ないぞ、肯定された。女に女好きは罪に値せず、罰は行動が伴うときのみ、とか判決下されたらどうすればいいんだ。人生17年、寡黙に誠実に生き抜いてきたオレは「女好き」を看板に背負っても良いなんて許されたらこの後どう生きていけばいいんだ。時代錯誤な硬派を売りにして近所の女子校にコアなファンがいるこのオレが、コンビニでヤンマガとか袋綴じとかいっそエロ本とか読んでも許されるのか。



「行動が反映されたらダメなんだって、普通の女子は。」
「ならどうしろと?」



結局戻るのか。



女に左右されない鋼の心を培うために孤独な闘いにまた挑み直さなくてはならないのか…!一度許しておいて突き放すなんて、この目の前にあるむにむに柔らかいおっぱいがオレにもあれば…セルフサービスで慰められたのにって超絶気持ちわりィ…おっぱいは男にはいらないの!



「だからね、おっぱい見られても触られても久作ならいいよって少し恥じらいつつすり寄れちゃう私と、ベッドで満足しちゃえるように一念ぼ、発起すればいいんじゃないかな。」



やばい、目の前にやわらかいおっぱいがある。と言うか抱きしめられてる感触やばい。しかもこれちょっと舌出したら歯で咬んだら感触から触感に変わるヤバい。ヤバさ振り切れオレの五感がオーバーヒート。いやむしろ喰われるのは俺なの?入れられちゃうの?



「ね、しようよ?」



もうやだオレの誓い、オレの操、ドコに消えて飛んでった。おっぱいの前に陥落だ。って言うか"しようよ"ってどんな殺し文句だよマジでコロサレマシタけどアナタ無しで生きていけませんけど。



「気持ちいい?」
「言葉に、出来ない…!」



これだから女ってヤツはオレを支配して離さない。





*煩悩まみれの話をお堅い代表能勢で書きたくて。





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