『…うん、分かってるよ。ちゃんと待ってるから。そんなに怒鳴るなよ…、』
分かってない。お兄ちゃんはいっつも何処か行っちゃって家に居ないんだ。
…別に居なくても良いけど、
私は日本の空港でお兄ちゃんとの電話を切りふと思った。久し振りの帰国。パパと2人で長い時間かけて帰って来た日本。飛行機に乗ったかと思えば今度はタクシー。…流石に酔いそう。私は外を見て気分を和ませた。あと1時間、
私は今回イタリアに戻る予定はない。ずっと日本に住めるみたい。その代わり、お兄ちゃん達とボンゴレとして色々とやらなくちゃいけないらしい。何をするかは具体的には分からないけど。あ、あの角…、あの角を曲がれば家に着く。もうすぐ、ママに会える。お兄ちゃんに、会える。
私は待ち切れなくて車から降ろしてもらって走った。何年経っても変わらない町並み。家の屋根が見えてわくわくしてくる。
角を曲がって少し休憩して街を見渡そうとすれば、
そこには楽しそうに笑うお兄ちゃんがいた。
「このダメツナがあ!」
私は大きな、大きな声で叫んだ。
『まゆこ?!』
私はずかずかとお兄ちゃんに歩み寄った。
「結局待ってないじゃない!いっつもそう!さいってー!」
『仕様がないじゃないか、誘われたんだから』
「断れば良いじゃない!」
私がお兄ちゃんを叱っていると目付きの悪いタコみたいな頭をした男の人が近付いて来た。
『何だてめえ、十代目に何文句吐いてんだあ!?』
パパに教えてもらった通りだわ、獄寺隼人。何かとお兄ちゃんに執着するのよね。
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