「あ、」
あの後ろ姿は、
「半田ー!はーんーだーッ!」
『お、井上じゃん。おはよう』
「おはよ、朝練終わり?」
『うん。お前も?』
うん私も、と返して歩き始める。半田とは同じクラスで、席が隣になってから仲良くなった。そこそこ頭も良くて、運動神経も良い。良く言って完璧(…は言い過ぎ、かな…)、悪く言…うのはやめとこう。まあ中途半端な(…言っちゃった)奴だけど素敵だと、思う。私は好きだ。ああ、そう言う意味で。……なんか、ベタだよね。
『テニス部大会もうすぐだもんなー』
「サッカー部は大会真っ最中、でしょ?」
『うん、まあ』
「頑張ってね!応援してるから!」
『おう!』
満面の笑みを見せる半田はすっごくカッコ良かった。返事の代わりに軽く笑って見せてそして下駄箱へ。
『……あ、のさ、井上』
「なあに?」
半田は何となく、だけど気まずそうに、右へ左へと目を動かしていた。
『お前、明後日、空いてる?』
「…?うん」
『まじ?部活は?』
「ないよ?」
じゃあさ、と半田が続けた。顔、赤くなってる…?
『試合、見に来ねえ?』
「…え?」
『や、応援、来て欲しいなあって』
良いのかな、私で。
「…私で良いの?」
『お前で良い…っつうか、お前が良いっつう…』
「え…?」
やばい、顔、熱くなって、きた。
『あの、お前が応援してくれたら、頑張れそうって言うか』
「…!…行く!」
まじで?と聞いた半田は真っ赤な顔で。うん、まじ!と答えた私もきっと真っ赤な顔してる。自惚れそう…ッ!うわ、!少女マンガみたい。
貴方と平凡な恋を
半田ーッ!
井上…!マジで来てくれたんだ…
当たり前じゃん!カッコ良い所期待してるからね!
…が、頑張る!!
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半田くんにはベタな恋をしてもらいたい。