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 朝食を作り終わった帝人は、時計を見た。8時を少しすぎた頃だ。そろそろ静雄を起こそうと寝室に向かう。
 2人で使っている大きなベッドに静雄はいた。まだ寝ているらしい。
 布団が盛り上がっている場所まで行くと、帝人はそっと布団に手をかけた。

「静雄さん、起きてください」
「……んぅ」

 帝人の声と共に窓から射し込んだ光が静雄の顔を照らした。少しだけしかめられた顔を微笑ましく思いながら帝人は静雄の肩に触れ軽く揺らした。

「朝ごはん出来ましたよー。起きてくだ――うわぁっ!」
「はよ、帝人」
「おはようございます静雄さん。って、そうじゃなくて! 毎日毎日、僕をベッドに引きずり込むのはやめてくださいよ」

 びっくりするじゃないですか。腕の中でそう唇を尖らせる帝人に静雄はくすりと笑みを溢した。
 毎朝の恒例なのにいつまで経っても慣れない帝人。口では止めろと言っていても、本当に嫌だとは思っていないのだろう。いつだって抵抗らしい抵抗もせず、この腕の中に収まっているのだから。
――でも、少しだけ困らせてやろうか。

「お前がいなくなるから」
「え?」
「いつも先に1人で起きるだろ」
「朝食作らきゃいけないですし」
「俺も起こせよ」
「……でも、静雄さん疲れてるでしょ?」
「お前がいない方が嫌だ」
「……」

 難しい顔をして黙り込んだ帝人に静雄はうっすら笑いかける。

「だから俺も起こせよ。な?」

 帝人、と名前を呼べば小さな頭が縦に振られた。笑みを深めた静雄がぎゅっと帝人を抱き締める。

「朝ごはん冷めちゃいます」
「もう少し」
「……仕方ないですね」

 ぽつり、ぽつりと小さな声で交わす言葉がくすぐったくて、2人は笑った。

「そろそろ起きるか」

 ひとしきり笑ったあとで静雄が言った。帝人を抱き締めていた手を緩め、上体を起こす。そのままベッドから出ていこうとする静雄のパジャマを帝人が掴んだ。

「どうした、帝人?」
「静雄さん」

 静雄が振り返るとさっきまで自分と一緒に笑っていた帝人が拗ねていた。名前を呼ばれても思い当たることがなく、静雄は首を傾げるばかりだ。

「おはようございます、静雄さん」
「あぁ。――おはよう帝人」

 二度目の挨拶に帝人が言わんとすることを理解した静雄は、挨拶と共に帝人の額に口づけた。
 帝人がにっこりと笑う。

「朝ごはん、温め直しますね」




(全てはキスから始まるの!)



* * * * *
静帝の日おめでとうございます!
同棲か新婚か、よく分からない2人になりました(笑)いつでもくっついてキスばっかりしてればいいです(^p^)

すいません、実は半分しか書いてません。また今度続きが書けたらといいなぁ…(遠い目)


2011/04/23


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