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※性描写はありませんが話の内容少し注意
※音トキ要素あり









「神宮寺、お前と試したいことがあるんだ」

時刻は10時。久しぶりに2人で夕食をとり、まったりとした時間を過ごしてそろそろ寝るかとベッドに腰かけると、そこに聖川が乗り上げてきたかと思うと正座でこんなことを言われた。
…正直言うと、嫌な予感しかしない。聖川が試したいなんて言う時点で、毎回だいたいろくでもない。さあ今度はどんなことを吹き込まれてきたんだお前は。

「……。…なんだよ」

たっぷり間を置いてからしごく真剣な聖川を結局拒否できず内容を聞いてしまう。俺の返事を聞いて聖川はごそごそと何か取り出した。

「これなのだが」

「!!!!?」

ああやっぱ拒否すれば良かった…!俺は思わず頭をかかえる。
そう、聖川が目の前に出したのはまあ…所謂「大人のおもちゃ」とやらだ。メジャーなものから俺でも使い方が予測できないものまで様々にごろりと広げられる。なかなかの有り様に言葉が出てこない。
聖川はこれを俺に試すつもりなのか?いや待て、そもそもこいつはこれが何か絶対にわかってないだろ。
多分、聖川が買ったわけじゃないだろう。確実に誰かに吹き込まれて押し付けられでもしたんじゃないか。

「…聖川」

「なんだ」

「誰に押し付けられたんだいこんなもの」

「俺に寄越してきたのは一十木だが?」

イッキか…なにしてるんだ、いや何をしたいんだそもそもなんで聖川にこんなものを貸す展開になったんだ!?
だがイッキの脳内なんてどう考えてもわかるはずないのでとりあえず続けて聞くことにする。

「なんでそんなことになったのさ」

「ん?それは今日一十木と話していて…」


〜回想〜


「それでね、その時のトキヤってば超可愛くてさ〜!」

「ほう。…それで、気になっていたのだが、そのおもちゃとやらはなんだ?」

「え〜!マサ知らないの!?レンともうありとあらゆるプレイしてそうなのに!」

「?いや、特にはしていないが」

「じゃあ、やってみなよ!俺の貸してあげるからさ。あのトキヤがめろめろなんだもん、絶対レンにも効果バツグンだよ〜あ、ちゃんと消毒してあるから安心してね?」

「消毒…?まあ、神宮寺が喜ぶなら」

「うんうん、喜ぶこと間違いなしだよ。レンの結果も聞かせてね〜!」


〜回想終了〜


「…という経緯なのだが」

「………」

予想以上のことに俺はさらに頭をかかえた。
そもそもイッキとイッチーはなにをしてるの?いや、確かに前からイッキには無邪気の裏に影があるというか、なんかただ者じゃない感じはしてたし、イッチーもすごい腰をかばいながらぐったりして登校してきた時もあったけど、あの2人はなかなか、いや相当ハードなことをしてるらしい。イッキ恐るべし。
そしてあのイッチーをも泣かせるアイテムの数々が聖川に渡された、と。…って、なにしてんのイッキ!?
今更だがとんでもないものを聖川に渡してくれたものだ。多分ここで俺がこれらを拒んだら、まず聖川はくそ真面目にこの使い方を調べるだろう。そして用途を知ったらムッツリな聖川は俺がどうなるかを想像したあとに一回抜いてから俺にそれを使おうとしてくるだろう。我ながら展開が読めすぎて困る。
…さて、そこで問題。

「…どうしようか、これ…」

「どうするも何も、俺は試しても良いかと聞いたのだが」

「いやそもそも聖川、使い方知らないだろう」

「使い方なら、一十木に教わった、心配するな」

「へえそうなん………!?」

そこで、一旦俺の思考が停止した。
…ええええ知ってるの!?完全に知ってないっていうことで頭の中で進めてたんだけど!?もうなんでイッキ教えちゃうかな!なんでそういうところだけ抜け目ないのかな!?いろいろ確信犯の塊だよねイッキ!?

「なんだ神宮寺、面白い顔をして」

「うるさいよ!おまえのせいだよ!」

真顔でそんなことをいう聖川につっこんだあと、そこであることに思い当たる。
ん?使い方をわかっててこれを試そうということは…もしかして…。
そう考えがよぎった時には、聖川の顔が至近距離まで迫っていた。

「…おいおい…聖川…?」

「それで、これらは試しても良いか?」

言いながら、そのおもちゃを俺の目の前に見せつける。そしておもちゃごしに見える聖川の目は…まさに本気の眼差しを見せていた。
あぁ、ダメだもう逃げられない。この聖川からは、逃れられた試しがない。明日も学校があるっていうのに、拒まなくてはと頭の中で危険信号が鳴り響いているというのに、俺はもう聖川の首に腕を回していた。

「…お手柔らかに頼むよ」

「善処しよう」


…次の日、同情の目をしたイッチーが1日気を使ってくれたのは言うまでもない。





―――
偶然にもさっちゃんこと五月さん宅でキリ番を踏んだようでしたので、無記名でマサレンねだったら書いてくれました。
いやーそれにしても何でわたしってわかったんですかねぇ…不思議すぎて夜も眠れないよ☆
ぶっちゃけ無茶振りだったので流してもらっても…とか思ってたんだけど流石さっちゃん!本当にありがと〜!




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