好きなオペラは何ですか？ たくさんあって選べませんが、最初に嵌ったのはヴェルディの「椿姫」です。悲劇なので苦手な方にとっては後味の悪い作品かもしれませんが、ようやく幸せを掴めた、というところでヒロインのヴィオレッタが息を引き取ってしまう、という場面…何度見ても泣けました。初めて見たＤＶＤでヴィオレッタをやっていたのが、アンジェラ・ゲオルギューさんという「椿姫の為に生まれた！」と言われる程のソプラノ歌手で、以来私はすっかり彼女の虜です。 喜劇ではドニゼッティの「愛の妙薬」。２回程見に行きましたが、あれは何度でも笑えるコメディ作品なのでお勧めです。インチキ妙薬売りのドゥルカマーラに騙されているとも知らず、愛の妙薬を手に入れ喜ぶネモリーノが可哀想すぎて…(笑)「なんて大ばか者なんだあいつは」と大笑いするドゥルカマーラも面白いですし、偶然とはいえ結局妙薬を飲んだ翌日に、ネモリーノが想い人を手に入れる、というのもなかなかに愉快です。 コメディといえば王道はやはりモーツァルトの「フィガロの結婚」ですかね。オペラ入門編というか、初めてオペラに触れるという方はかなり親しみやすい作品かもしれません。この作品もちょくちょく笑える場面が出てくるので、何度でも楽しめます。結末がわかっていても面白い、そんな作品なので、オペラに興味があるという方は是非ご覧になってみてください。 そして最後に、今私が最も好きなオペラは「椿姫」と同じくヴェルディ作曲の「仮面舞踏会」です。これも本当に残酷な悲劇で、椿姫とは違い切ない悲劇、というよりは、ドロドロとした、真に後味の悪い悲劇です。主人公はリッカルド、彼には想い人である美しい女性、アメーリアという人がいます。そのアメーリアもリッカルドを愛しているのですが、しかし彼女には彼に「愛している」と言えない理由が。実はアメーリア、既に結婚していて、彼女の夫レナートは、リッカルドの部下で親友でもある人物なのです。つまりレナートからしてみれば、自分の親友と妻が不倫関係にある、ということ。それがばれ、レナートは最終的にリッカルドを殺害するのですが……完全に被害者なのはレナートなのに、悪役扱いされているのが悲しくて。私はレナートが大好きなんです。レナートのことを思うと、ぎゅっと胸を締め付けられるというか、そんな気持ちになります。とてもドラマティックな作品なので、後味わるいのが平気だという方に強くお勧めします。 …と、長々と語ってしまいましたがまだまだ好きなオペラはたくさんあります。私が声楽の道を決めたのもオペラが切欠ですし、やはり私の中でオペラはとても大きな存在ですね。将来は名のある役柄をいただいて舞台に立ち、ブラーヴァと言われてみたいです。 最後に一言、私にクラシックを語らせるとうざいくらい長い。 [back] |