A子さんの盤上遊戯 | ナノ
私がテニプリの世界にトリップして数年が経過したん。
元の世界では独身やったけど今は違う。
若返っただけやなくて容姿も別嬪になったんや!
まー今流行りのミクロ系なんやけどな。
その内、成長するやろー
二度目の中学校生活は面白いで!
だって皆がうちを取り合うんや。
前の世界ではなかった事やな。
「此処におったんかい柚妃。」
ファンには絶対に見せない柔らかな笑顔は私だけのもんや。
「別にうちが何処におっても良えやん。」
プイっとそっぽを向けば、蔵はうちをあやす様に抱きしめた。
「そんな冷たいこと言わんといてくれんか…」
甘えるような声を出す蔵にうちはしゃーないといった雰囲気で笑う。
「蔵は甘えん坊やなぁー」
まぁ、うちの方が精神年齢高いさかい仕方ないんやけどな。
だって精神年齢だけでも更年期やもん(笑)
手を繋いでコートに戻れば、うちと蔵を見咎めた王子様達が騒ぎ出した。
うちは四天王のアイドルやさかいな!
皆に平等に愛しとるで。
「そう言えば、跡部から合同合宿の話があったんやっけ。」
冊子配るでーと合宿のしおりを手渡された。
ズラリと並ぶ有名校に以前の知識が甦る。
うちが一番輝く舞台になるやないの!
全国で取り合いされるのも女冥利に尽きるわ。
甘く、あまく、アマク、虚像のお菓子(世界)がとろ〜り解けて行く。
幸せと絶望はいつも貴女の傍にある。
頭が良いだけでは駄目よ?
強欲女にペロリと食べられてしまうわ。
だって彼女は悪食女王様だもの。
ご馳走様と食べられないようにしないと、ね?
私?
私は××よ。