転職 プログラマー A子さんの盤上遊戯 | ナノ
綻びを破綻させるなんて案外簡単なのよ?

「あんた何やの?うちの蔵達を取りおって!男に媚売って恥ずかしいと思わんの?」

キャンキャンと喚くミクロちゃんに

「ウザい子ね、仕事の邪魔しないでくれる?」

ニッコリと毒を吐いた。

だって臭い大量のタオルを抱えているのよ。

早く洗濯したいんだもん。

「なっ!」

反撃されるなんて思って無かったのかしら?

本当に小学生みたいね。

「貴女の眼は節穴かしら?仕事をしているのは、私よ。応援ばかりで何にもしてない貴女と一緒にしないで無能な売女ちゃん。」

退きそうもないミクロちゃんを蹴り飛ばして、私は洗濯場へ向かった。

後ろでキーキー喚くミクロちゃんの声は意図的にシャットダウンする。

あんなウザ苦しいの相手にしてらんないもん。

「それにしても良い天気よねー」

このままサボっても良いかしら?

だって私は正式なマネじゃないもの。

そんな私に

「栄子さん、竜胆に毒吐きました?」

謙也がいつの間にか後ろにいた。

「竜胆?」

誰?

という私の表情(かお)に謙也が溜息を吐いて

「うちのマネですわ。何や栄子さんに無能な売女って暴言吐かれたって泣き付いてましたで。」

うんざりと報告してきた。

「へーで、皆の反応は?」

ニヤっと笑って聞けば

「切原がキレてナックルサーブ、鳳のスカッドサーブが同時に竜胆に直撃しとったぐらいじゃないっすか?」

ケラケラと鬼の所業を笑って報告された。

この子、本当にミクロちゃんが嫌いなのね。

「次はどないするんですか?」

暇なんは嫌いなんすよ、と告げる青年に

「そーねぇ、ミクロちゃんに自滅して貰おうかな!その時は遠慮なく君達も巻き込むから覚悟してね?」

リップキスをして告げる。

ある意味死刑宣告より酷いかもね!

責任は当然取らないけどさ!


ヒロインなんて要らないでしょ。

要るのは大悪党だもん!

じゃないと物語(ストーリー)が進まないわ!