転職 プログラマー 沈黙の太陽オマケ | ナノ
ピオニーに保護されてから数ヶ月が経過した。

アビスの世界らしく世界は滅亡の危機に瀕している。

何故かセクハラ皇帝のお気に入りって…泣いても良いですかね?

せめてルークが世界を救ってから来たかったよ。

アクゼリュスが崩落した知らせが届いた頃、グランコクマは騒然としたっけ。

まぁ、原作通りであれば彼等は死ぬ事はないんだけどね。

にしてもアクゼリュスが崩落してから三月以上が経過しているのにも関わらず、ジェイド・カーティス以下同行者からの報告は一切無かった。

ついでにキムラスカから宣戦布告されている。

俺達マフィアだってホウレン草(報告・連絡・相談)は必須だったんだけどな…

世界が違うと常識も違うのか?

それとも原作通りコスプレ軍人だったりするのか?

てーか、何で俺はピオニーの隣に座っているんだ??

まるで后妃扱いじゃねーか!

奴にはそんなつもりは全くないんだろうけどさ。

そんなアホな考え事をしていた俺に

「マリアはどう思う?」

いきなり問い掛けられた。

お偉いさん達の会議に俺が出席するのも間違っていると思うんだけど、正直聞いてません…なんてアホな事が言える筈がない。

俺は冷や汗をダラダラと流しつつ

「キムラスカが調査隊も出さずに戦争を仕掛けるというのは、預言に詠まれているのやも知れません。」

アビスの知識を掘り起こして尤もらしい事を言う。

チラリと彼等を見ると俺の発言はずれてなかったようだ。

「大詠師がキムラスカにいると云う事は、もしかしたらマルクトが戦に負ける事が詠まれている可能性が高いのでしょう。」

てーか、ピオニーが死んでマルクトが滅び世界が滅びるんだけどねー。

なんて事は絶対に言わない。

ザワザワと揺れる議会に

「……可能性は高いな。にしても親善大使殿が生きているか…」

ポツリと呟かれたピオニーの言葉に生きてるぜーとも言えず、俺は

「親善大使は私が探しましょう。」

きっとまだユリアシティにいると思うからねー!

と心の中で呟きつつ提案をした。

反対の声もする中で俺は

「今、身軽に動けるのは私ぐらいでしょう。(ルークを味方に付けておけばローレライの加護も受けられると思うし)」

ニッコリと外面用の笑顔で打算丸出しな提案をする。

か弱き乙女?を一人で行かせるわけないと踏んでいるけどなー




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俺はピオニー達の反対を押し切ってユリアシティにいる。

護衛としてアスラン青年が着いて来てくれたのは、俺の戦闘能力が低い事をピオニー達も知っているからだろう。

(心は)男としてプライドが刺激されるけれども命の方が俺は大事だ!!

チキンって言うな!

それにしても薄暗くて陰気臭い街だなぁ…

アビスをプレイしてた時もそうだったけど、辛気臭い街だと思う。

監視者の街ってだけで偉いと思っているのだろうか?

根暗オタク臭がプンプンしてるよ。

きっとユリアオタクなんだろーな。

俺達は余所余所しい住人に目もくれずルークがいるだろう市長の家へ向った。

「本当に此処にルーク様が?」

アスラン青年の言葉に俺は苦々しく頷く。

だってレプリカルークは彼等に見捨てられて此処にいる筈なんだもん。

案の定レプリカルークはティア・グランツの部屋にいた。

憔悴していると言った方が正しいかもしれない。

俺達の姿を見て怯えた様子を見せた。

仔チーグルがレプリカルークを守るように俺達を威嚇する。

「御初お目に掛かります。ルーク・フォン・ファブレ様、私はマリアと申します。」

俺はナウシカを心掛けてニッコリとルークを見た。

が、警戒心は解けず。

「ルーク様、私はマルクト帝国第二師団長アスラン・フリングスと申します。つかぬ事をお聞きしますが、ジェイド・カーティス大佐とはご一緒ではないのですか?」

アスラン青年の言葉に怯えるように身体を震わせるルークを見て困惑する彼。

「……ジェイド達には置いていかれた。」

ルークがポツリと漏らした言葉にアスラン青年は頭を抱え、ガバリと土下座をした。

そりゃーそうだろう。

和平を結ぶはずの親善大使を置いてけぼりにするんだよ。

アスラン青年の謝罪の嵐に困惑するルークは

「俺は、本物のルークじゃないから…レプリカなんだ。」

だから謝罪しなくても言いと言い切った。

そんなもん通用すっか!!

と心の中で俺とアスラン青年は突っ込みを入れた。

「レプリカであろうとキムラスカの王命を受け親善大使であるのは、ルーク・フォン・ファブレ様は貴方唯一人です。」

幼子を諭すように言えば泣きそうな顔で

「俺はアクゼリュスを崩落させた大罪人なんだ。」

涙を零す。

精神年齢七歳児にアイツ等なんつー事をしたんだ??

ゲームでも酷かったな…と思いつつ俺は慰めるようにルークを抱き締めた。

「私は少しだけですが過去視が出来ます。僭越ながらルーク様のアクゼリュス崩落について視させて頂きました。」

嘘だけどねー

「アクゼリュスの崩落はルーク様を操って超振動を使わせたヴァン・グランツです。そして機密である筈の扉を開けた導師や護衛の役目を果していなかった愚か者達にも責任が御座います。」

お前だけの責任じゃないと断言すれば、隣にいたアスラン青年も同意した。

「瘴気中和出来るって師匠が言ってたのに!俺は、俺は…」

涙を流すルークを優しく撫でる。

「もし、アクゼリュスで亡くなった者達を思うのであれば、私達にルーク様のお力をお貸し頂けませんか?」

ぶっちゃけルークの超振動が無かったら外殻大地降下も出来ないもんね。

そんな俺の言葉にルークは承諾の意を示した。



こうして(ルークの)世界救済活動が始まりの幕を開けた。