夫婦になった兄弟 | ナノ


▼ 13 壊れそう、決壊 ※

それから数日後の夜。俺は住居にある別室のタンスの前にいた。
一番上の引き出しを、真上から見つめること数十分。

ここにはあの薬剤師からもらった、色とりどりの潤滑油を隠していた。
見るたびに、プレッシャーに背中を殴られている気になる。

俺が優太に言ってないのは、実はこの事だけじゃない。
小瓶の横にある、布に包まれた小箱もそうだ。

これは以前、集会所でラドから渡されたものだが、俺にとっては忌まわしい物体な為、考えないように放置していた。

周りから弟とのセックスを促されている。

船で逃げることも考えたが、ラドが指揮をとる島の交易船が再び出航するのは、二週間も先だ。時間がない。

暗がりで考えていると、外から扉がコンコンと叩かれた。

「兄ちゃん、いい?」
「んっ!? ああ、すまん。今出るから」

弟に声をかけられただけで、変な音が出ちまった。
平静を装い部屋から出ると、浴衣姿の優太は少し顔を赤らめていた。

「その……もうすぐ夫婦の時間だから」
「……あ、あー。もうそんな時間か。わりい」

奴の肩に手をぽんと置き、居間に移動した。
入り口にすでに男達の気配を感じた俺は、その足で奴らの元へ向かう。

蚊帳をくぐって廊下に出ると、半裸の見張り番二人が驚いて顔を上げた。

「悪いが今日は俺の腹の調子が悪くてな。伽は中止だから、お前達ももう休んでくれ。部族長命令だ」
「……はっ。承知しました、部族長。どうかお体をお大事に」

あっさりと退いた連中に驚きつつ、この手は頻繁に使えるものでもないと気を引き締める。
部屋に戻ると、優太が心配そうな顔で俺に歩み寄ってきた。

「兄ちゃん、具合悪いの? 大丈夫?」

伸ばされた手にそっと腹をさすられ、胸が痛むだけでなく鼓動が跳ね上がった。
優しく弟の手首を掴み元に戻す。

「こら。勝手にお兄ちゃんのお腹を触るんじゃない。俺は大丈夫だから、お前はもう寝なさい」

不自然な棒読みで頭をさわり促すと、優太はやや納得いかない表情で「分かった…」と踵を返した。

俺はまた一人で別室に戻り、ベッドに腰を下ろして肩を落とす。

これでいい。
まだ心の準備が出来ていない。

ーーいや、まだって何だ。
いずれお前は何をするつもりだ。

自問自答しながら、落ち着かなくなった俺は、窓辺の風に当たろうとした。
蝋燭台の火を消しても、2つもある月明かりが煩わしいほどに眩しい。

たぶん今日も眠れないが、目を閉じよう。





「……兄ちゃん、兄ちゃんてば、ねえ」

しかしまた優太に起こされた。
寝入ったばかりで寝ぼけていた俺は、今度は諦めモードで近い温もりに手を伸ばす。

「なんだよ……また俺はお前に…セクハラしたのか…」

腰を抱き寄せゆっくり目を開けると、弟の大きな瞳にじっと見られていると気付き、体を起こそうとした。

「なあ、何かあったのか? なんでここで寝てるの?」
「……は?」
「だって兄ちゃん、いつもしつこいのに。最近様子がおかしいだろ」

図星を突かれて、冗談すらとっさに出てこない。
黙った俺を気にした優太が、そっと肩に触れてきた。

「なに……いや、平気だからさ。お前は気にすんなって……ほら、もう寝ろ」
「……じゃあどうして俺の手離さないんだよ」

俺はぎゅっと奴の手を上から握っていた。

まただ。
どこまで馬鹿なのか。
しかし動揺する俺に畳み掛けるように、優しい弟は瞳を覗きこんでくる。

「兄ちゃん。考えてること俺にも教えて。兄弟なんだから、気持ちを共有してがんばらないと……この前言っただろ? 俺、兄ちゃんしかいないんだから」

やめてくれ、優太。
俺を追い込むな。

心臓がおかしな鼓動を刻んでいる。
まだ触れてもないのに、熱いものが込み上げる感覚に、苛まれる。

「ああ、覚えてるよ。俺だって、お前のことが何よりも大事なんだからな…」

だからだ、本当のことを言うべきなのに言えない。
『伝承を完成させれば帰れるかもしれない』なんて不確かなことを告げて、危うい欲望でこいつを汚すわけにはーー。

ベッドの端に座る優太の黒髪に触れた。
そっと掻き上げると、一瞬目をつむるものの、大人しくしている。

こんなあどけない相手に、何が出来るんだ。

考えると同時に、優太の背中を抱き抱え、上半身を重ねたままシーツの上に押し倒した。

「……あっ、兄ちゃん……」

見下ろした弟の浴衣の隙間から、淡い乳首がのぞいた。
それを見て、自分が考えたことに戦慄する。

「ほら、分かるだろ? なんだか知らないが、お前に興奮するんだよ。だから一緒に寝ちゃ駄目なんだ」

半分ヤケで、子供に言い聞かせるように諭した。
しかし弟はそれでも引かなかった。

それどころか、何故か俺の背中に手を回し、しがみついてきたので俺はがくりと脱力する。
抱き締めてみるが熱が治まるどころか、膨張していった。

「優太ぁ……なんで分かってくれねえの? ほら感じねえのか俺のちんぽ、お前のここに当たってんだろうが」

腰をぐっと押し付け、泣ける思いで訴えても、優太は首を振って俺を離そうとしなかった。

「……に、兄ちゃんがそうなっちゃうの、俺知ってる。してるとき、いつも勃起してるから」

こいつはまたそういう破廉恥な言葉を使ってきやがる。
だが怒るよりも、どんどん余裕が失せていく。

「それに俺、諦めないって言っただろ?」
「なんだよそれ…」
「……だから、前に進むためなら、一緒に頑張るから……」

そこまで言われて、俺はこの顔を赤らめる弟が何を考えているのか、やっと理解が通じたのだった。

同時に底知れぬ焦燥と怒りに似た感情が、心と頭を占めていく。

「おい。何言ってんだよお前、お前はまだ子供だ。そーゆうエッチなこと考えんな」
「兄ちゃんに言われたくない、俺もう子供じゃないよ」

むっと眉をよせて言い返される。

それはどういう意味だ?
この体を、まっさらで綺麗な肌を、あいつが踏み荒らしたのだと暗に告げてるのか?

なぜ一人でそんな覚悟をしたんだ。
俺が話をする前に、どうしてだ。

「へえ。俺とこういうことして平気なのか、優太は」
「ん、あっ、あぁ」
「何するか分かってるのか? なあ」

そりゃ分かってるだろう。
俺が、俺がすでに抱いているのだから。

どうしようもない衝動をぶつけるべきではない。
絶対に駄目だ。
優太は俺の大事な、たまらなく可愛い弟だ。

そうだ。
浴衣を全部剥いて、白い肌をさらして、全身を口で愛撫したあと、俺自身を埋め込んでめちゃくちゃに突いてやりたくなるほどーー可愛い。

きっとエロい顔で「兄ちゃんもっと、もっと」ってねだってくる、そのぐらい可愛い弟になるだろう。俺の優太は。俺のものだから。
あいつには渡さねえ。今日はたくさん可愛がってやりたい、俺のほうが気持ちいいって、言わせてやるーー






俺は一体どうしちまったんだ。
頭が狂ったのだろうか。

じゃなければこんなふうに、大事にしている弟の浴衣をひんむいて、薄桃色の乳首にしゃぶりつくなんて、出来るはずもない。

「んうぅっ、もうやめて兄ちゃん、なんでそんなとこ舐めるんだよ!」

シーツを両手で掴み、真下で震える優太が声を上げた。

「……あのな、セックスは入れて出すだけじゃねえんだよ、つーかお前の可愛いおっぱい前にしたら我慢できねえ」

荒い息を吐き出しながら片手で胸を柔らかく揉み、もう一方を舌で愛撫する。
「兄ちゃんの変態、ばかっ」と弟の暴言を受けたが、一度起こってしまった欲情は俺にも手のつけようがない。

「でもお前乳首舐めてるだけで、ここも濡れてるぜ? ほらわかんだろ、すげえ硬くなってんの」
「自分だってそうだろ! 俺よりおっきくて硬い!」
「……優太。何度言ったら分かるんだお前は、そーゆう言葉で男を挑発するんじゃない」

ぐっと腰を押し付け、切羽詰まった状況を教えてやる。
睨んでいた優太の目尻が濡れ、頬に赤みが増していく。

ああ、やべえ。俺は何してるんだ。
このままじゃマジで弟をやっちまう。取り返しがつかなくなるだろうが。

頭の片隅で、頼む誰か止めてくれと叫びながら、弟の下着をずらしていく。
もう何度も見たはずだ。今さら珍しくも何ともないと思っていた。

だがそれを暴いた瞬間。優太の恥ずかしがる悲鳴とともに、明らかに俺のが反応した。

「なあ。一緒に擦り合いっこする?」

尋ねながら俺は自分の浴衣の帯を緩め、下着を脱ぎ去った。
弟が一瞬目を剥いたが構っていられず、速攻体を重ねて上から抱き締める。

「ん、あぁ、まって、にい、ちゃん」
「……っは、あ、待てるかよ、こんな気持ちいいの」
「でも、だめだって……っ」

俺に体を揺らされ、されるがままの優太が背中にしがみついてくる。

こいつは快感に弱いタイプみたいだ。
小刻みに刺激を与え始めた途端、すぐに腰を震わせてしまった。

「あ、っやだ、やだ、出ちゃう、とめてってば!」
「だから止められねえって、いいから出しちゃえよ、優太…ッ」

頭を抱き寄せると、びくびくと優太が下半身を痙攣させる。
俺の腹とちょうどそこに、生温かい液が広がっていった。

腕の中で息を整える弟を、手のひらであやすように落ち着かせる。

「なんだよ、すぐ出ちゃったな。一緒にすんの気持ち良かった?」
「……もうやだ……兄ちゃんのせいだ……早く拭いて……っ」
「はいはい。分かったから、ちょっと我慢してろ」

顔を背け、文句を言う優太の黒髪をそっと撫で、俺はベッドから体を起こした。

射精した後、こんなふうに俺に頼んでくる弟を可愛いと思うことに、それほど異常性を感じないのだから、俺は根本からおかしいのかもしれない。

頭の中では、次の段階に全意識が集中していた。
布を取った後、自然な動作で例の引き出しを開ける。

だがやはり、変だ。
ほんの数時間前まで俺は、大切な弟を汚してはならないと、葛藤に苦しんでいたはずなのに。

今の俺は、一体誰なんだ?

そうだもう一度冷静になれ。この引き出しは永遠に封印しろ。今ならまだ間に合うかもしれないーー

「兄ちゃん……もうすぐ入れるの?」
「……は?」

振り向き様、交わし合った視線に動揺が走る。
優太が目を伏せて、遠慮がちに口を開いた。

「あの……前した時、魔法使ったんだ。痛くなくて、中が濡れてきた……。兄ちゃんも出来る?」

待て待て待て。
俺はその信じがたい弟の質問に、目の前が真っ暗になった。

怒りがたぎる。聞くまでもない。あいつがやったのか?
なぜ俺は想像したくもない具体的な行為を、この無垢な弟から、聞かなきゃならねえんだ。

傷つかなくて良かったのだと素直に喜べるほど、俺は、良い人間じゃない。

「ちょっと待ってろよ優太、そこ動くな」

頭に血がのぼり、瞬時に決意が吹っ飛んだ俺の手が、再び箱の中を漁り、適当な潤滑油を取り出した。

「何それ? どうするの?」

不思議そうに見上げる純粋な表情に、また心が揺らぐ。
そばに座り落ち着こうとするが、顔も知らない野郎のことが、ちらついて離れない。

「ん? お前のここに塗るんだよ、ちゃんと全部入るようにな」

俺は正気じゃない。

弟の両脚を開かせ、腰をこちらに引き寄せた。
現れた淡い窪みを見つめ、こんな小っちぇえとこに入るのか、という気はしたが、もう俺は経験済みだ。

薄緑色の液を手に取り、指の腹でぬる。

「あっああっ」

優太の声が艶がかる。円を描いたあと、ぬぷっと差し入れると、腰が大きく反応した。

「すげえ狭いな、もっと力抜けって」
「んああ……や、あ……」

探り始めると中が熱を持っていくのがわかる。
ここに俺のを入れて、前後に動かして、ああ良さそうだと興奮が募る。

十分にほぐした後は、細身の体にのしかかり、反り立った自身を当てた。

「ほら入っちゃうぞ、優太のここに、ほんとにいいのかよ?」

挑発的に言う一方で、俺は祈っていた。
頼む、本気で拒んでくれと。

「や、やだ……」

か細く首を振られる。
そうだ、俺に抗え、大嫌いでも何でもいい、拒絶しろ。

優太が俺の目を見て、腕を握ってきた。

「……兄ちゃんの顔怖い、俺、もっと優しくがいい…っ」

思わぬことを告げられた瞬間、思考が止まった。
すぐに言葉が出ず、息を荒くつく。

毒気が抜かれ、また急な脱力感に襲われた。

「……あー……そう、そうか。すまん優太。……俺おまえのこと、怖がらせちゃったのかな?」

額の汗を拭いながら尋ねると、弟は静かに頷き、俺の胸に抱きついてきた。
さっきと同じように混乱した俺は、奴の頭を撫でる。

「でもな、悪いけど止められねえ。じゃああれか、優しいエッチならしてもいい?」

我ながら程度の低すぎる台詞だと思うが、俺は弟相手に完全に余裕を失っていた。
優太はうつむいたまま、小さく口を開いた。

「……最初から嫌なんて、言ってないだろ?」

俺には正直分からない。なぜこいつが受け入れてくれるのか。
だが無性に何かが込み上げる。

本音を言えば、今すぐ襲いかかって全てを暴きたくなるほど、弟の存在に魅入られながらも、じりじりと耐えていた。

「じゃあ入れるぞ、優太」

少しずつ腰を沈ませる。亀頭がせまい穴に押し入っていく。

「んんっ、ああ……兄ちゃんっ」
「痛くないか? 大丈夫か?」

優太が懸命にこくこくと頷いている。

俺はもう、まともに生きていけないだろう。
自分の意思で弟を犯したのだ。きっと地獄に落ちるーー。

分かっているのに止める事が考えられない。
欲望と感情がせめぎ合い、目の前が熱の霧に覆われる。

「あぁ……やべえ、優太……すげえ熱い」

腰を前後に引くたび、液と厚い肉壁に挟まれ、卑猥な水音が響く。
弟は口を結んでぎゅっと目をつぶっていた。

「こら、ちゃんと息しろよ……顔真っ赤だぞお前」
「……んっ、……ぅん、……にいちゃ…っ」

優太は焦って呼吸を繰り返すが、必死に俺の両腕に掴まっていた。
そのいじらしい仕草が、さらに男の欲望を駆り立てる。

「なぁ優太、お前がお願いしたんだもんな、今からいっぱい可愛がってもいいよな?」

ガンガン突きたいのを堪え、ゆっくり中をぺニスで擦る。
濡れた内壁がきゅうっと締めつけてきて、初めての感触に引きずられそうになる。

「……もう、うるさい兄ちゃん、ばかっ」
「バカはないだろ、お前のことも、気持ちよくしたいんだって、ほら足閉じんな」

膝の裏を持って、太ももを開かせる。
抵抗される前にぐっと押し付けた。

「ほら、もっと良くねえ?」

だんだん速度を速め、奥を突いていく。
すると優太の感度が明らかに変わり、短い喘ぎが断続的に漏れ始めた。

揺れる上半身をなぞり、胸元に手を添える。
包むように揉むと、弟が敏感に身をよじらせる。

「可愛い顔してんな、お前……そんなに声出しちゃって……兄ちゃんのちんちん気持ちいいの?」

耳元で囁くと、「うるせえ!」と怒鳴られた。
素直にならない弟が微笑ましくも、もどかしい。

こいつには卑猥な言葉を浴びせるのも、聞くのもしんどいはずなのに、つい男の本性をぶつけてしまう。

「気持ちいいって言えよ、優太。お前のここ、すげえ締めつけてくるよ」
「あぁ、やあっ、違う!」

酷くはしないと誓った筈だが、沸き上がる感情にはもはや、自分が抗えなかった。

「……な、俺のほうがいいだろ、もう優太は俺のもんだよな? あいつにはやらせねえよな?」

俺はいきなり何を聞いてるんだ。
優太は真下で揺らされながら、熱に浮かれた顔で、見返してくる。

「こんなになるの、俺だけだって、俺にしか見せないって、約束しろよ、優太」

ほっぺたをなぞり、そこに口づけた。
柔らかさに驚き、引き寄せられるようにまた口を近づける。

「……んんっ、な、何してんだよ、兄ちゃん!」
「お前が早く答えねえからだろ。もっとするぞ、いいのか?」

どっちがガキなのか分からないが、俺はなぜか固執していた。
こっちに振り向かせたくて、頬に口を這わせながら腰を打ちつけ、弟の快感を刺激していく。

「あっ、ああっ、んあぁっ」
「……良くなってきた? もっと奥突いてやろうか」

前屈みになり、腰をさらに密着させて抱き締めると、優太の腕が俺の背にきつく回された。

「あ、んんっ、兄ちゃん、俺っ」
「イキそうか?」
「へ、変だ……い、いくっ」

ああ、なんでこんなに可愛く思える?
俺のせいでこんなふうになっている弟に、ひどく興奮する。

「変じゃねえって、俺も気持ちいい、一緒にいこーぜ」

二人の呼吸が速まるにつれ、揺らす動きも激しくなる。
恥ずかしいのか答えなかった優太だが、俺ももう限界だった。

奥まで勢いを強めると、いっそう弟の声が頭の芯に響いてくる。

「……はっ……だめだ……もう出ちまう、優太……っ」
「ん、んあっ、にいちゃ、兄ちゃんっ」

思いきりしがみつかれて、腰を強く入れる。
大きく体をしならせた弟を離すまいと、腕に閉じ込めたまま、俺は精を放った。

ドクドクと弟の中に精液が流れ込んでいく。
不思議と虚脱感よりも、充足感が勝っていった。

「……っ、はあ……優太」

重い体を上げ、視線を合わせようとした。
弟は首筋にまで汗を滴らせ、ぼうっと赤らんだ顔で、胸を上下させていた。

達したばかりで腰が微かに動いている。
ずっと押しつけていた腹の間は、べっちゃりと濡れたままだった。

「なあ……」

俺がまたしつこく頬に吸い付いても、何も言われない。
そのまま口に持っていこうとすると、途端に体をビクンと強ばらせ、奴は俺の腕の中で、全力でもがき出した。

「……なんで暴れるのお前」
「ふざけんな、き、キスは、しねーだろ普通、兄弟なのに!」
「だから? もうエッチしちゃっただろ、ちゅーぐらい許せよ」

優太の顔を撫でながら平然と告げると、驚愕の目で見返された。

ダメだ止まらねえ。完全にタガが外れちまった。
俺はこれから、どう生きていけばいいんだ。

なぜこいつのことが、こんなにも気になって、違う感情を抱くようになったんだ?

問題は、あの野郎のせいだとは思いたくないぐらいに、俺が弟に、狂い始めてるということだ。



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