騎士団員おいしい。 | ナノ


▼ 11 若きマッチョ

砂丘に点在する野営地のテントの上を、コウモリの俺は勢いよく滑空する。
暗闇に風の音だけが吹きつける中、騎士たちの寝床を物色していた。

どれにしようかな?

魔族の俺は、夜になると活力満タンになる。
久々に夜這いのチャンスが訪れ、興奮しっぱなしだった。

おっ。
あのテントから若々しいマッチョの匂いがする。
さっそく透明化して布をすり抜け、中へお邪魔した。

薄暗い屋内は、テーブルと棚、大きな寝台のみという簡素な造りだ。
男の熱気がむんむんしている。
寝台には、大柄な男が手足を投げ出して寝ていた。

体をよく見るため、魔法で小さな明かりを灯す。

短い茶髪と精悍な顔立ちによく似合う、がっちりとした太く長い手足。
下着ごしに見事な股間の盛り上がりを確認し、にんまりと笑う。

ふむふむ。
初っ端から大当たりだ! 
かなりの上玉を引き、鼻息がとまらない。

「う……」

気配を感じ取ったのか僅かに身じろぐ男を見て、慌てて術式を施す。
これで寝ている騎士に好き放題できる。

「ん、んぁ、はぁ、あぁっ」

男のシャツを胸の上までたくし上げ、厚みのある胸筋を揉み揉みしながら、もう片方で自慰をする。

くっきり割れ目の入った腹筋が、明かりでほんのり甘そうな蜂蜜色に照らされ、エロい。
俺はやっぱりガチムチが1番好きなのだと再認識する。

「ぁ、あ、出ちゃうっ……だめぇっ」

一人で盛り上がり、つい淫らな腰つきを始めてしまう。
腹筋はもちろん良いが、とっさに騎士のチンポにぶっかけたくなった俺は、股間の下に感じていたモノを下着から暴き出した。

俺が見せた淫靡な夢のせいだろう、ビン!と勃ち上がった大きな逸物が現れた。

すごい。
この騎士団はまさにデカブツの宝庫。
兄上、見てますか、俺は最高に幸せですッッ!

久しぶりに脳内で話しかけてしまうほど、テンションの針が振り切っていた。

「あっあぁ、出るうぅぅッ!」

先端からほとばしり、きちんと騎士のチンポと腹の両方にかけ終わる。

ぬらぬらと光る性器の輝きーー
ふぅ。また芸術品を生み出してしまった。

「はぁはぁ……」
「あ、あんた……誰?」

目を閉じて余韻に浸っていた俺に、いきなり野太い声が投げかけられた。
完全に覚醒した騎士が、仰天の面持ちで俺を見ている。

「……あれ、また起きちゃったか。俺は淫魔だよ。なぁ、お前のチンポすごいデカイな。超うまそう」

何食わぬ顔で微笑み、俺なりに警戒心を解こうとする。
騎士は顔をサッと赤くした。
体を起こし目線を下にやり、精液を見てさらに真っ赤に染まる。

「えっ嘘だろ、何やってんだ。ちょっと、どいてくれよ、恥ずかしいだろ」

大きな体つきのくせに反応が初々しい。
けれど予想していた拒否感は見られない。
これはもしや……チャンス到来か?

「俺あんた知ってるぞ。騎士の間で噂になってる、団長の恋人だろ?」

狼狽えながら告白される。
どうやら俺は、中々の有名人らしい。

「恋人? 俺は確かに今あいつのものだけど、時々皆から餌貰ってるんだ。害はないから安心しろよ、ちょっと気持ちよくなるだけ……」

言いながら自分の精液を尻に塗り込み、ぐちゅぐちゅと卑猥な音を立ててみせる。
騎士の澄んだ茶色の瞳が、俺の手つきに釘付けになっている。

「ねえ、入れていい? ……お前のちょうだい?」
「だ、だめだっ、団長にバレたら殺される!」
「平気だよ。上手くやるから……」

このことが知れたら、またあいつは怒るだろう。
けれど俺には、生まれながらの性質を変える術など無いのだ。

お仕置きなら後でたっぷり受けてやる!

早くも想像してはぁはぁ言いながら大きなブツを手に握り、中へと誘導した。
腰を落とし、騎乗位の体勢になる。

「あ、ああぁぁん! す、すごい、お前のほんとおっきいっ」
「や、やばいって、やめッ」

腰を上下前後に揺り動かし、中のいいとこへ当てていく。

「なっ、俺、初めてなんだよ……!」

それは本当か。
オイシイ情報に唾をごくりと飲み込む。
こんなやらしい体をしていて童貞とは、なんて罪深い騎士なのだろう!

「そうなのか? お前のヴァージン奪えて嬉しい……じゃあ俺がたっぷり搾り取ってやるっ」
「く、あ、……待て、あぁ、もうやば、いッ」

言葉とは裏腹に、男は急に俺の脇腹を掴み、下から強く腰を入れてきた。
背中に腕を回され、包み込むように揺さぶられる。
耳元で荒い息が吐かれ、まるで大型犬に抱きつかれているような感覚がした。

「んあっあぁ、もっと動いて! そこがいい!」
「わ、分かった、ここだな?」
「やあぁぁぁっ、だめえぇっ」
「ああ、すげえきつい、こんな気持ちいいのか……ッ」

快楽に負けたのか、騎士は完全に乗り気になっていた。
若いパワーは凄い。
未経験である故に動作は荒削りだが、そこがまた興奮要素となる。

「だめだ、もう出る、あんたの中、出すぞ!」
「んぁあっ出して、お前の、たくさん出して……ッ!」

ギシギシと揺れる寝台の上で揺さぶられ、奥深くに騎士の精が吐き出された。

あぁー……美味い。
若き騎士の精は、フレッシュでまだ誰にも汚されていない、純粋無垢な味わいだった。

精気とは十人十色で個性豊か、まさに奇跡の恵みなのだと、悪魔ながら神に感謝したくなるほどであった。

「あぁ、まずい、どうしよう。俺はなんてことを……」
「大丈夫だよ。気持ち良かっただろ? お前のことは誰にも言わないから」

頭を抱える騎士の背をさすり慰めていると、じり、と地面を踏む音が聞こえた。

ん?
言ったそばから誰かが入ってきたようだ。

「おい、うるせーんだよ。あんあん、あんあん言いやがって。ここどこだと思ってんだ?」

この声は……久しぶりに聞いた、あの巨体の騎士のものだ。
入り口に目をやると、腰に剣をぶら下げた険しい顔の男が立っていた。

「リーディス? なんであんた、ここにいんの?」
「よお、ルニア。気配がしたと思ったら、やっぱお前か。あのな、俺の隊の奴に手出すなって言っただろうが」

仁王立ちになる騎士からは、いつもの軽薄な笑いは消え失せ、ちょっぴり怒っているように見えた。

そうか。
この若きマッチョ騎士はリーディスの部下だったのか。

「た、隊長……! 申し訳ありません、これは、あの」
「セイラ。てめえなに簡単に寝込み襲われてんだよ。普段から油断するなっつってんだろ?」

騎士は素早く寝台の下の地面に正座し、平身低頭して謝った。
なにやら上司から部下への説教が始まっている。
しかも一人はエロすぎる半裸状態で。

ああ、いい光景だ!

「なあなあ。俺が食べちゃったんだ。許してやってくれよ」
「ったく、しょうがねえな。でもお前はまだ許してやらねえ。ほら、俺と来いよ」

ぐいっと腕を引っ張られ、簡単にリーディスの肩の上に担がれる。

おっ。
一足先にお仕置きタイムか?
途端にわくわく胸が踊りだす。

足をバタつかせながら、慌てて部下である騎士に目をやった。

「なあ。セイラ、だっけ。お前すげえ美味かった。また俺と遊んでくれる?」

誘うような声色で告げると、若き騎士は再び顔を赤く染め上げ、ぽりぽりと頭を掻いた。

「えっ、参ったな。どうしよ……」
「おいてめえら、まだ反省してねえのか? ルニア、お前も堂々と誘惑してんじゃねえッ」

巨体の騎士にバン!と強めに尻を叩かれ、「ああぁんッ」とはしたない声を上げる。
そうして俺は、怒り心頭の隊長、リーディスの寝床へと連れ去られたのである。



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