お兄ちゃんシリーズ | ナノ


▼ 夏休みの過ごし方 後編

夏休みの真ん中で、お兄ちゃんのお友達グループに入れてもらえた僕は、なんと今日驚きの場所に向かっていた。

空が青く、太陽が反射して眩しいけれど、車の中はエアコンが効いていて涼しい。
僕は兄いわく「不良」のサミさんと後部座席に座っていた。助手席には「チャラ男」のエディスさん。そして運転をしているのは僕の自慢の兄だ。

「ルカ、大丈夫か? ごめんな、俺がほんとは隣に座りたかったのに。運転手になっちゃってて」
「ううん、大丈夫だよ。運転してるお兄ちゃん格好いい!」
「え、そう? やる気でるなぁ、写真撮ってもいーよ

僕が身を乗り出して話していると、助手席のエディスさんがにこりと振り向いた。
この前僕のドジで"ナンパ"されそうになってしまったため、茶髪の優しい風お兄さんにどきっとする。

「ルカくん、やっぱり俺が横に座ろうか。そいつタバコくさいでしょ」
「えっ……そうなの?」
「おい失礼なこと言うんじゃねーよ。臭くねえよな? ほら袖嗅いでみ、ルカ」
「……うーん分かんない。お兄ちゃんと全然違うなぁ」

全身黒ずくめのサミさんに腕を差し出され、クンクン鼻をつけてみる。
よーく見ると耳にもすごいピアスしてるし、痛くないのかなって心配になる。

「ほー。あいつどんな匂いすんの? いかがわしい匂い?」
「いか……なにそれ??」
「お前な、サミ、ルカにひっつくなっつうの! あと変な言葉教えんなよっ」

すかさず兄がミラー越しに注意して、男の人たちの笑い声がどっと響いた。

やっぱり大人が使う言葉はちょっぴり難しい。
でもお友達と一緒にいるときの兄は、なんだか表情がくるくるして面白いから、そんな姿が見れることは嬉しいなって思った。



そこは森の近くに湖がある、バーベキュー場だった。
離れたとこにも家族連れや友達同士で来ている人々がいて、楽しそうな声が聞こえてくる。

仕事があった母には「ルカ連れてくなら保護者つき」と言われていたけど、あいにくたまにお世話になる親戚の叔父さんは都合が悪くて、僕達四人でそれほど遠くない場所にやって来た。

母も絶対変なことしないように、と兄に条件を出して許してくれたけど、変なことってなんだろう?と僕は少し頭をひねった。

とにかく無事に目的地に着いたあと、車を駐車場に置いて、皆で荷物を運び出す。
休暇中のお出かけも久しぶりだし、大人の男の人達の集まりというだけで、僕はなんとなく誇らしい気分になって、ワクワクしていた。

「うわぁ、こんな綺麗な湖見たの僕はじめて!」
「そうだよな、ここ来たことなかったよなールカは。気に入った?」
「うんっ。あとでお兄ちゃんと泳いでいいの?」
「おう。一緒に入ろっか。ちゃんと水着持ってきたか?」
「持ってきたよ〜見てみてっ」
「……えっ、今脱がなくていいから! ちょっ、そのポーズだめ、見えちゃうでしょっ」

お尻を向けて半ズボンを下ろそうとしたら、大慌ての兄に止められてしまった。
変なの。せっかく下に履いてきたんだし、水着だから恥ずかしくないのにな。

僕達が仲良くお喋りしている間、他の二人は離れた所にせっせとテントを作っていた。
そう、なんと僕達は今日、ここにお泊まりをするのだ。
だから僕はいつもと違う雰囲気に興奮していた。

「お兄ちゃん、僕達もテント作ろう〜」
「おお、そうだな。楽しみだなールカと二人きりのお泊まり」
「僕もっ。ゆっくりお兄ちゃん診てあげられるし!」
「ルカ、しーっ」

また慌てている兄に口をむぎゅっと押さえられるけれど、僕達はそのあと一生懸命二人のテントを建てた。
家族で行くときにも使っている、十分に横たわれる広さで、暖かい寝袋つきだ。



その後僕達は、時間もちょうどお昼近くになったので、いよいよバーベキューを始めることになった。

てきぱきと準備をするお兄ちゃん。家族で何度かやったことあるから初めてじゃないけど、立って焼いているその姿がかっこよくて、僕はいつも見とれてしまう。

炭を入れて火をつけ、網を乗せると煙がもくもく出てきた。兄の姿が見えないほど目がしみてくる。

平気な顔をしてる皆は、楽しそうに喋りながらお肉を並べていく。
しばらく待つと香ばしい良い香りがして、お腹がもっともっと空いてきた。

「つうかこの馬鹿でかいステーキ肉、すげえ場所取ってんだけど。誰だよ買ったやつ」
「俺。バーベキューつったらやっぱ分厚い肉だろ、なあルカ。お前も食いたいよな? 兄ちゃんに頼め」
「うん! 僕食べたーい」
「しょうがないなあ……ルカにお願いされたら何でもやっちゃうよ俺。分かってんなお前、サミ」

ニヤリと笑う兄。二人は仲がいいなあ。
エディスさんは食材を出すのを手伝ってくれている。

「ルカくん、他に食べたいものある? 俺ね、色々買ってきたんだよ。あ、野菜好きなんだよね。何がいい?」
「えっとね、かぼちゃとナス!」
「そうなんだ、結構しぶいチョイスしてるね。ギャップがかわいーな」

微笑むエディスさんに頭を撫で撫でされる僕を、お兄ちゃんが「お前はほんと油断ならねえな」と言い目を光らせていた。
皆から優しくしてもらってる僕だけど、もうひとつグリルといえば食べたかったものがある。

サミさん達が食べながらベンチで喋ってる時、僕は兄にくっついた。

「お兄ちゃん、すっごく美味しい! ありがとう。でもちゃんと食べてる?」
「うん、食べてるよー。お前は? もうお腹いっぱい?」
「まあまあかなぁ。でもね、僕あれ食べたいの」
「なあに?」
「焼きソーセージ!」

大きな声で言うと兄はにこりと笑って頷いた。「オッケー」と言って細めのソーセージを網に乗せようとする。
でも僕は違うのを指差す。

「違うよお兄ちゃん。僕もっとおっきいのがいいの」
「……おっきいの?」

なぜか兄がごくっと何かを飲み込んだように見えた。

「じゃあこのぐらい? すっげえ太くて長いよこれ。ルカの口には入んないと思うけどなー」
「ええっ入るよ、大丈夫だもん」

焼いてくれた一番大きなカリカリソーセージを、僕は思いきって頬張った。
確かにすごく大きくて、熱いからくわえるのもひと苦労だ。

「かわいー……ルカ。ああっ、それやばっ……」

僕が食べてた瞬間を、赤らんだ顔のお兄ちゃんが携帯を取りだし、ぱしゃっと写真に収めた。

えっ?
どうしてこんなとこ、撮るんだろう。なんか恥ずかしい。

でもすっごく大きくて美味しかったから、やっぱり食べさせてもらってよかったなぁ。




バーベキューの後、「よっしゃ泳ぐぜ!」といってパンツのまま湖に向かったサミさんと、水着に着替えて同じように飛び込んでいくエディスさん。
僕はそんな兄のお友達二人を見て、自分も早く遊びたいなってわくわくした。

「お兄ちゃん! 僕達も行こうよ〜」
「え、ちょっと待って。俺も着替えねえと。先にテント行っていい?」
「うんっ」

兄に手を引かれて、岸辺から離れた僕達の荷物のもとへと向かう。
しかし三角テントのジッパーを開けて中に入り込み、僕がきょろきょろしてる瞬間、いきなり体がふわっと持ち上がった。

お兄ちゃんが僕のことを子供にやるみたいに、両腕で抱えて、にこっと笑った。

「わあっ、お兄ちゃん何してるのっ」
「えー、だってあいつらいたら全然こういうこと出来ねえじゃん。なあルカ、キスしよ」

近づいてくる顔に軽く唇が触れられて、その後は深いキスになってしまった。
舌が捕まって僕は離れられなくなってしまう。

「ふ、ぅ……あ、っ……ん」
「……はぁ、かわいー、ルカのちっちゃい舌……」
「んっ、お兄ちゃん、早く着替えないとぉ」
「待って、もうちょっとだけ、これ止まんねえの」

口が離れても、浅い息の兄は顔をほんのり染めている。

「もう、こんなにいっぱいキスしたら、またお兄ちゃんのおちんちん元気になっちゃう」
「……うっ。そうだな。大丈夫大丈夫、夜まで我慢するから」
「本当に? 出来る?」
「出来るよ。俺大人だからなー。信じてルカ」

ようやく下ろしてもらえた。僕は後ろで体育座りをして、着替える兄の裸を見ていた。
引き締まったウエストとお尻。お風呂以外で、外でこんなところを見るのも珍しいなぁ。

でも、ぶらっと揺れたものに釘付けになる。

「あっ、お兄ちゃん、半分立ってる! 元気になっちゃってる!」
「え、うそ。やべっ。あーもう、見ないふりしてルカ、そういうのはっ」

隠すようにして膝上ぐらいの水着を、グイッと上に引き上げた。
おちんちん、大丈夫かなって僕は心配になる。

今日は朝早くてお兄ちゃんの治療出来なかったから、おちんちんも泣きそうになってるのかもしれない。夜になったらいっぱいしてあげないと。

「よし、そろそろ行くか。ルカ」
「うん! 待って、僕も脱ぐね」

兄を見ていたせいで忘れてたと、僕は立ち上がって半ズボンを下まで下げた。
Tシャツも脱いで準備万端になると、同じく上半身だけ裸の兄が、ぼーっとこちらを見ていた。

「る、ルカ。その水着、ちょっとピタッとしすぎてない?」
「え? そうかな。これ学校のなんだけど、おかしい…?」

形はボクサーパンツみたいな、紺色のぴちぴちした水着だ。体をねじって、自分のお尻をチェックしようとしていたら。
兄が前から興奮した顔で近づいてきた。

「ルカの、スク水……可愛い、やばすぎ、エロっ……」

お兄ちゃんが膝をついて、後ろから僕のお尻を手のひらでむぎゅっとしてくる。
くすぐったくなり「んやあっ」と腰を振っても、揉みしだいてきて全然離れない。

僕はくるりと前を向き、ひざまずいている兄の前に立った。

「もう、駄目だよお兄ちゃんっ。僕のお尻で遊んだりしてっ」
「だって我慢出来ねえんだもん、こんなむちむち美味しそうなルカ尻発見したら…」

なあにそれ? 勝手に変な名前つけてる。
言いながらまた手を後ろに回して触り、今度は顔を近づけてきた。

「じゃあ前はしてもいい? ルカ」
「……ふぇっ? ……なにするのっ?」

お尻を揉む手を止めず、お兄ちゃんの口がはむっと僕のおちんちんを水着の上からくわえた。

「んやあぁぁっ」
 
はむはむして時々舌をべろーっと下から上に舐めてくる。僕は我慢できずに「あっ、あっ、あっ」と腰が勝手に動いてしまう。

「気持ちいい? ルカのおっきくなってきたね、もっと舐めてあげるね」
「やあぁっんだめえっ、もういっちゃうもんっ」

水着のちょこっと膨らんだ所から兄の顔が離れなくて、唇にいっぱい舐めたり吸われたり弄られてしまった僕は、あっという間にびくびくお尻を跳ねさせた。

「……あぁぁん……お兄ちゃんのばかぁ……」

力が抜けて首に手を回そうとすると、腰を抱き寄せられて、兄の膝の上に乗せられた。

「可愛いー。水着の上からイッちゃったの? まだルカのおちんちん触ってないのになぁ」

優しい声でほっぺたにキスして、また口にもしてくる。
小鳥のようにちゅっちゅされてる間、手が伸びてきてまた僕のおちんちんを撫でてきた。

「お兄ちゃ、僕もうダメだよ、そこ、じんじんするの」
「……え? イッてすぐ、すごい感じちゃう?」

恥ずかしくなって、こくっと頷く。
今日のお兄ちゃん、すごく元気みたい。僕のこと触りたくてたまらないって顔、ずっとしてる。

でも、お兄ちゃんの先生は僕なのに。これじゃあ反対になっちゃう。

「お兄ちゃんだって、触ってないのにどうしたんだろう? ここ、テントみたいになっちゃってるな〜」
「うあっ、ルカ、ま、待ってそこ」
「待たないもん。ほんとは夜に治してあげようと思ってたけど、予定を早めまーす」

僕は兄の水着の三角テントを、両手で上から握った。
いつ触っても、かちんこちんになっていて、今日はとくに久しぶりだからわがままになってるのかもしれない。

「あ、ああ! ルカせんせえっ、気持ちいいですっ」
「そうですか? やっぱりお兄ちゃんは僕の手が一番なんですね〜」
「はいっ、一番です! 先生の手じゃないともう俺イケないですっ」

両手を後ろについてお腹をそらせて、真っ赤な顔でおちんちんを突き出しているお兄ちゃん。

患者さんのために一生懸命手を動かしていたけど、ここは外だし、またこのまま出しちゃったらどうしようと僕は考えた。

「うーん。困ったなぁ。……あっ、そうだ。この前みたいに、お兄ちゃん僕の上に乗って? お腹に出していーよ」

腕をきゅっと掴み、笑顔で言ってみた。
すると一瞬くらっと頭を後ろにやった兄が、踏みとどまって僕をがしりと腕に抱き締めた。

「る、ルカ……そんな鼻血出るようなこと言っちゃ……ダメだろっ!!」

真っ赤な顔で分厚いアルミシートの上に押し倒されたかと思ったら、僕の体をくるりと反転させた。
そして体全体を包み込むように、覆い被さってくる。

「うわあぁぁっん、どうしたのお兄ちゃんっっ」

背中に兄の胸板があたり、お尻には硬いおちんちんが押し付けられる。
初めてのポーズでびっくりした僕は動こうとするけれど、おっきな体の下では、子供の僕はなんにも出来ない。

「はあ、はあ、ルカのお尻で、していい?」

そう言って腰を持たれ、また水着の上から揉まれる。何度もされると気持ちよくなって、マッサージよりも変な気分になってくる。

お兄ちゃんって、僕のお尻がすっごく好きみたい。
おちんちんが僕のお尻の上にぴたりとくっつき、行ったり来たりし始めた。
両手をつけて腰を動かしている。これも、兄の好きな治療…なのかな?

「あ、あんっ、変な感じするよぉ」
「ルカも気持ちいい? ……あーでも、だめだ、やっぱ中に、いれたい」

布の隙間から、兄の指が忍び込んできた。水着をずらして、僕のお尻が半分ぐらい見えてしまった。

それからなんと、熱くなったおちんちんがお尻の上に乗った。
擦り付けて、もっと早く腰を動かしてくる。

「く、ああ、ルカのお尻ちょー気持ちいい、ワレメやばい……っ」

先っぽからあふれてるもので、ぬるぬるしたおちんちんが僕のお尻にはさまって、その間を音を出しながらすごい早さで動いていく。

「んやっ、んあっ、あぁっ、お兄ちゃんっ、なにこれぇっ、待って、待ってえ!」
「ごめんな、待てねえ、ちんぽ止まんねえっ」

後ろから抱き締められて、僕にしがみついたまま、腰をたくさん振っている。

これって……お兄ちゃん、もしかして犬になっちゃったの?
いや、犬じゃなくて僕の好きな狼かもしれない。

僕は動物番組で、こうやって大きな犬が小さな犬の上に乗って、ずっと腰を揺らしているのを見たことがある。

不思議に思って、兄に「これって何してるの?」と聞いたら、少し恥ずかしそうに「交尾だよ」と教えてくれた。

その意味はわからなかったけど、僕は段々パニックになってきた。
押しつけられて気持ちいいのを我慢して、顔を後ろに向ける。

「お兄ちゃん、本物の動物になっちゃったんだ……! どうしよう!」
「……えっ!? なにっ?」

訳が分かっていないのか、その間も腰が止まらないみたい。やばいよ、ほんとに狼に変身しちゃうかも!

「だってこれ、交尾だよね? 僕たち交尾しちゃってるの、どうしようお兄ちゃんっ」

そう言うと、段々お兄ちゃんの顔がもっともっと赤くなっていった。

「……あ、やばい、今、そういうエロすぎなこと、だめだって、……でる、出るから、ルカぁっ!!」

腰をガンガン振っていた兄が何度もびくついて、僕はぎゅううっと強い力で抱き締められた。
シートに押し付けられていた僕のおちんちんも、勝手に何回も震える。

そしてお尻の間に、ぴちゃああってたくさんの液体がかかってしまった。

脱力した兄が背中の上にのしかかる。
最後までなすすべもなかった僕は、力の弱い小動物のように、息を小さくついていた。

「……あー……気持ち、良すぎた……ごめん、ルカ……激しくして」

そんなことよりも、心配で振り向こうとする。

「お兄ちゃん、まだ人間? 僕のお兄ちゃんだよね? 狼になってないよね」
「……なにその、可愛い間違え。どうしたのルカ、怖がらせちゃった?」

脇の下に手を入れられて、体を抱き上げられる。

「ちゃんと見て、お前の兄ちゃんだから。すまん。つい、がっつきすぎた」

兄は何度も謝って、口にキスしてくれた。でも僕は兄が気持ちよくなって、おちんちんが治ったらそれで嬉しい。
背中まで飛んでしまった体を綺麗に拭いてもらい、また膝の上に抱っこされる。

「ねえねえ、今のが交尾? 気持ちよかったね」
「う、うん。まあ半分も本気出してないやつだけど…。つうか交尾って、あんまり大きい声で言っちゃだめだぞ、ルカ」

頭を撫でられてさらに疑問がつのる。

「どうして? ねえどういう意味なの?」

僕の質問に兄がたじたじになる。でもやがて、ぽっと頬が染まりだした。

「えーと、いつかルカにも教えてあげる。ほんとのやつ。たぶんすっごい気持ちいーよ」

へらり、と笑うお兄ちゃんは嬉しそう。
その後も僕は「ええっ、今がいい!」と言って兄を「いや待って、色んな準備があるからね」と困らせてしまった。



テントの中でお兄ちゃんの治療が終わったあと、僕たちは皆で楽しく、湖で遊んだりした。
そうしてあっという間に夜になる。
暗闇に浮かぶきらきら星の下、僕たちは焚き火を囲んでいた。

長い枝の先っぽに刺したマシュマロを火で炙って、焼きマシュマロを食べる。

「はい、ルカ。熱いから気を付けてな」
「うん。ありがとうお兄ちゃん。……あちっ!」
「うわっ、だから言っただろー。大丈夫か、火傷した? 舌見せて」

ベロをよーく見てくれる兄の前で、少しドキドキした。だってさっきは二人で隠れていっぱいキスしちゃったから。
お兄ちゃんも赤い顔でへろへろになってたのに、お友達と一緒だからかな、平気な顔してる。

「おいダッジ、ちょっと薪が足りなくなってきたなー」
「そっか。じゃあお前行ってこいよ、サミ」
「はあ? 俺ずっと火の番してんだろうが。じゃエディス、お前ちょっとひとっ走り」
「いやそこはジャンケンにしようぜ。はい最初はグー、じゃんけんホイ!」

え?え?
皆いきなり勝負をし始めた。たぶん小屋まで薪を取りに行くのを男らしく決めてるんだ。
僕も大人の仲間なんだから混じらないと…!

「ホイ!」

そう思ってグーの手を出したら、兄たちは全員大きな手のひらを開いたパーだった。

「うそ、どうしよう! 僕負けちゃったよ〜」

自分の勝負弱さにショックになり、半分涙声になってしまった。するとサミさんとエディスさんがすっごい大きな笑い声をあげた。

「ははは! はいルカの負けー。お前なに入ってんだよ、天然か?」
「馬鹿、サミ。意地悪ゆーな。偉いなぁルカくんは。こんな力仕事お兄さんたちに任せといていいんだよ?」

エディスさんに頭を撫でられる中、兄もしゃがみこんで微笑んだ。

「そうそう。もう、お前いちいち可愛いルカ。大丈夫、俺がやるからな。ルカはここでこいつらと一緒にいてね」

優しく告げられて、結局兄が僕の代わりに行ってくれた。
なんだか申し訳ないことしちゃったなと思いながら、「ありがとお兄ちゃんっ」とお礼を言って大人しくすることにした。


その後、「寒くなってきたな、上着取ってくる」とテントに向かったエディスさん。
僕は向かいの丸太に座り、棒で火のお世話をしているサミさんと二人きりになった。少し緊張していたら、気軽に話しかけてくれた。

「ルカ、お前ちっこいのに中々男気があるよな。よーし、俺の舎弟にしてやろうか」
「しゃていって何?」
「子分だよ」

にやりと言われて僕は腕を組む。それって、親分の下にいる人だよね。

「サミさん、マフィアだったのっ?」

びっくりして尋ねると、爆笑された。

「ちげえよ。俺はお前の兄ちゃんと同じただの高校生だっての。まあちょっと悪そうに見えるかもしんねえけどな?」

そう言って瓶を口につけ、ぐいっと飲んだ。ほんとにただの高校生なのかな。
僕の兄も、もしかしてマフィアの仲間だったりして。

一瞬考えたあと頭をぶんぶん振っていると、サミさんが僕にあることを命じた。

「じゃあさっそくだがルカ、俺のビール持って来い。缶のやつな。クーラーボックスに入ってるから」
「は、はいっ」

これは親分と子分ごっこなのだと思い、素直に言うことを聞くことにする。
ほんとのお酒は18才からだけど、ビールは16才から飲んでもいいのだ。だからサミさんはやっぱり大人みたい。

そう言えばお兄ちゃんは誕生日会の時飲んでいたけど、家の中では見たことないなぁ。

僕がせっせと運んで持っていこうとした時、通りかかったエディスさんが僕のことを見て目を丸くした。

「うわ、こいつの言うこと聞かなくていいよ、ルカくん」

そしてやんわりとそれを受け取った。
かと思ったら、なんとビールの缶をサミさんの股の間にぽんっと投げた。直撃したのか、「いでっ!」と悲鳴が聞こえた。

「てめっ、エディス、俺のちんぽ壊れたらどうすんだよ!」
「そうだなー、病院に付き添って手握っててやるよ」

喧嘩かと思ったらいつのまにか笑ってて仲良さそう。でもサミさんのおちんちんがちょびっと心配になった。



しばらくして、兄が薪を抱えて帰ってきた。嬉しくて僕が抱きつくと、「お留守番ありがと」と頭を撫でてくれた。
皆で火を絶やさないように、また楽しくお喋りしながら火を囲む。

「ルカ、寒くない? ちゃんと上着着てるな」
「うんっ。お兄ちゃんは? シャツだけで足りるの?」
「んー。ちょっと寒いかも。じゃあここ座って、ルカ」
「ええっ、恥ずかしいそんなの。お家じゃないのに」
「へーきだよ、あいつら気にしないから」

そう言われて、膝の上は恥ずかしいから、お兄ちゃんの足の間に座った。
広い胸板が温かくて、火に当たるよりもぽかぽかする。

サミさんはいつの間にか丸太に仰向けに寝てるし、エディスさんも一人用の椅子で頭を後ろに預け、リラックスしてお喋りしている。

なんだか外だけど、お友達のお泊まり会みたいで楽しい。

「そういやさ、ルカくんって普段どんなことして遊んでるの?」
「……僕? うんとね、お友だちとかけっこしたり、漫画読んだり、ゲームしたりだよ」

エディスさんが顔色を明るくする。どんなゲームか聞かれたので詳しく話すと、なんと同じもので遊んでることが判明した。

「すごい偶然だなー、そうだ、フレンドになる? 色々教えてあげるよ」
「ほんとに? うんっ、いいよ!」
「おい待てエディス、お前ゲームなんていつやってたんだよ」
「いつって家でだよ。ダッジ、お前知らないの? 俺ゲーマーだからね実は」

鼻を高くして言うエディスさんに対し、また兄に「ルカ、こういう怪しい大人には気を付けろよ、勝手にフレンドになっちゃダメだよ!」と言われてしまった。

そして話はまた僕のことになる。サミさんが怪しい笑顔でこっちを見た。

「ていうかさ、お前好きな子とかいないの? 教えろよなあ」
「好きな子? うんっ。たくさんいるよ」

元気よく答えると、お兄ちゃんが「は!?」とびっくりした声をあげた。

「え、嘘でしょ? 誰? 誰だよルカ」
「えっとねー、ジェイクくんとマックスくんと、カールくんと……」
「すげー、ルカくんそんなにいるの? 結構プレイボーイだな」
「いやお前黙ってろ、それルカの友達じゃん、驚かせんなよ……」

兄もよく知っている男の子の友達に、なぜかほっとしていた。変なの、と思っているとまたサミさんの笑い声が響く。

「……お前、やっぱまだまだガキだねえ。じゃあその中で誰が一番好きなんだよ、仲いー奴の中で」

にやにやしながら兄のことを見ている。
僕はサミさんの台詞をよく聞かずに、「一番好き」という言葉に反応した。

「お兄ちゃん! 一番仲良くて、僕一番大好きなんだ〜」

後ろにいる兄にひっついて振り返った。
すると兄の目は暗がりでもうるうるしているのが分かった。

「ルカぁ! 俺も一番好き! ルカだけっ!!」
「ほんとに? やったあ」

僕たちは抱き合って喜びあった。サミさんは呆れたみたいにふざけて白目になっていたけど、エディスさんはけたけたと笑っていた。

だってそれは本当だもん。学校の子も皆好きで大切だけど、お兄ちゃんはいつも僕の特別。
ずっとずっと一番なんだ。



◇◆◇


その後、夜の会がお開きになり、おやすみの時間になった。
兄のお友達二人は同じテントに帰っていって、僕と兄も自分達の寝床へと戻る。

寝巻きは着込んだけれど昼よりも肌寒くて、僕は後ろにいるお兄ちゃんに抱きつかれて目を閉じていた。

「ルカ、暖かい?」
「うん。お兄ちゃんぬくぬく」
「お前も。抱っこして寝るの最高」

寝袋を二つに繋げて、持ってきた毛布に二人でくるまっている。
でもさっきから、兄がなんだがはぁはぁ言ってるように聞こえた。心配になった僕は後ろに話しかける。

「ねえねえお兄ちゃん、夜の治療しなくていいの?」
「……えっ。したい、けど……昼はルカに無理させちゃったから、俺我慢してるの」

きゅうっと抱き締められて、兄の頑張りが伝わる。
でもお尻にくっついたおちんちんは、またわがままを言ってるのか、段々おっきくなっている。

これは先生として、放っておくわけにはいかない。
それにさっきのテントの時間がまだ忘れられなくて、僕もなんだかドキドキ眠れなかった。

「遠慮しないでお兄ちゃん、僕が治してあげるよ。どうしたらいいかな…?」

お腹に回されてる腕をそっと掴んで、顔だけ向けた。すると兄のほっぺたが僕のほっぺたに当たり、すりすり擦られた。

「ルカぁ……優しい。……じゃあ口開けて」
「……ふっ、む……ん、ぅ……」

お兄ちゃんが僕の開いた口に、さっそく舌を差し入れてくる。追いかけっこしてくる大きな舌に捕まって、僕の口は中まで何度も吸われてしまう。

「気持ち、いいよぉ…」
「ん……可愛い……ルカ、キス好き……?」
「……んぅ、好きぃ……お兄ちゃん」

はあはあ言いながら夢中で兄と舌を絡ませあった。おちんちんがむずむずしてくる。
腰をよじると兄の手が伸びてきて、僕の長ズボンの中に入ってきた。

手のひらで押すように撫でてきてビクビクする。
兄のもう一個の手は僕の胸を触って、乳首を指で摘まんできたりした。

「ひゃあぁっ、だめっ、お兄ちゃん」
「ルカ、声出したら聞こえちゃうよ、我慢しよーな…?」
「んやぁぁ、出来ないよぉ」

きゅっ、きゅっといじられたら、もっとおちんちんも気持ちよくなる。

「はあ、おっぱい気持ちいいの? もっと揉んでほしい?」
「んっ、んぅ、やぁ、だめぇ」
「ちゃんと教えてルカ、おっぱいが良い?」
「……ん、ぅん、おっぱい良いよぉ、もっと触ってお兄ちゃん……っ」

その言葉を言ったらもっと恥ずかしくなった。でも兄はさらに手の動きを強めて、胸と股の両方を揉んでくる。
僕は我慢できなくて腰をがくがくした。突然来てしまった快感のせいで、もういっちゃうと思った。

「や、いく、イッちゃうのお兄ちゃん、僕だけ、だめえ」
「いーよ、先にルカのエッチなとこイカせよっか、お兄ちゃんの手でな?」

キスで口を塞がれる。息つぎの合間に僕は「いく、いく、イク」とのけぞり手足を投げ出してしまった。
痙攣したみたいに震える内股を、兄の手が撫でてくる。

「はー……可愛いルカのイクとこ……見てるだけで俺もイキそー…」

後ろからぼそっと聞こえて、僕は腕の中でもぞもぞ寝返りを打った。
まだおちんちんがじんわりするのを我慢して、兄をじっと見上げる。

「ん? ルカ、どうしたの? ……怒っちゃった?」
「ううん。違うよ。でも僕、お兄ちゃんの顔見たいの」

そう言って抱きついた。
だって、森の中だからか、今日はずうっと兄は動物みたいにお尻にくっついてくる。
それも気持ちいいけど、僕は大好きなお兄ちゃんの顔も恋しくなってしまった。

「……ルカっ……前からゆさゆさがいい? キスいっぱいしておちんちん一緒にこする?」
「ふ、えっ?」

兄はいきなり僕の上に来た。長い手足に囲われて、癖っ毛の金髪がふわっと頬に当たる。
どうしよう、僕は突然ライオンの檻の中に入ってしまったみたい。
お兄ちゃんをもっと興奮させちゃったのかな?

「お、お兄ちゃん……おちんちん僕のお腹についちゃってる、すっごく長くて硬いよっ」
「そーだよ、お兄ちゃんもうルカのせいで、完全に臨戦態勢だよ」

少し動いただけでおへその穴をぐりぐり撫でられたみたいになっちゃって、僕は「ひゃああっ」と高い声を出した。

片手をついたままの兄は、もう一個の手で自分のと僕のおちんちんを一緒に握って動かした。
同じリズムで腰も揺らすから、下にいる僕に大きな振動が伝って、もっと気持ちよくなってしまう。

「あっあっ、おにいちゃ、だめ、僕がしたいのにぃ、おにいちゃ、自分で治療してるのっ」
「……ん、うん、そう、だなっ……今日は特別、いつものお礼にさせてっ」

言いながら僕に覆い被さってきた。
僕の肩を抱き締めて、唇を押しつけては、腰をたくさん振っている。

「あ、あ、あ、あっ」
「ルカぁっ、ちんぽやべえ、気持ちいいっ、はあ、もう出そうっ」

そう叫び力強く抱擁した後、上に密着したおちんちんがビクビクッと脈を打った。
生温かいどろっとした液体をお腹に感じて、僕は反射的に目を閉じる。

「……んぁ……もういっちゃったのお兄ちゃん…? しかもたっくさん出たよ……」

兄ははあはあ激しい息をついて、すぐに答えなかった。
どうしたんだろう。
やっぱり僕の治療じゃなかったから、いつもと違うことが起きちゃったのかもしれない。

「ルカ……大好き。もう全部、俺のものにしたいぃ……」

なんだか泣きそうな声で僕の頬に顔をうずめて、こすりつけてくる。
少し心配になった僕は回した腕に力をこめた。

「お兄ちゃん、僕も大好きだよ。僕、お兄ちゃんのだよ?」

そうだよ。だって弟だもん。

「お兄ちゃんだって、僕のでしょう? ずーっとずーっと、僕のお兄ちゃんだよね」
「……う、うん。そうなんだけどね……もうそれだけじゃ我慢出来ないの俺。……ああ、愛しい……俺のルカ」

また抱き締められた。
がっちりと腕の檻の中に入れられて、僕は当分出られそうにない。

我慢できないって、どういう意味だろう?
僕の治療、まだまだ足りないのかな。だったらもっと、頑張りたいなぁ。

それから、たくさんキスをされた。お兄ちゃんのキスは長く続いて、僕はそれだけ気持ちよさの中に閉じ込められていた。



prev / list / next


back to top



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -