お兄ちゃんシリーズ | ナノ


▼ ルカのお願い

お兄ちゃんは、僕たちの再会を約束してくれた。
軍が許可する長期休暇はまだ先だし、最初は信じられなかった。でも僕が泣き言を言ってしまった翌月、なんと本当にその機会が得られることになったのだ。兄と、友達のサミさんの協力によって。

僕は週末、車で五時間以上の距離にある街に向かった。
兵士は土日の訓練は休みだけれど、一応職務中であるため、遠出は許されていない。

だから兄は母に話し、サミさんにも頼んで、自分が出れる範囲の街まで車で僕を連れてきてもらったのだ。
こんな遠い距離を送ってくれたサミさんに感謝の気持ちを伝えると、「たいしたことじゃねえ、俺もそろそろダチの顔見てえしな」と不敵に笑っていた。

僕たち三人は、あるホテルのロビーで待ち合わせをした。僕は明日の日曜日の午後まで兄と過ごせるのだという。
たった一日だけだけど、どんな一日よりも嬉しかった。

クラシックな内装の、こじんまりとしたホテルの椅子で、僕はどきどきしながら荷物を抱えて待つ。
腕を組んで立っていたサミさんが、突然「あっ! なんだあれ、あいつ、うわっ。おい兄ちゃん来たぞ!」と興奮気味に発声した。

「ほんとに? ……あ! お兄ちゃん!」

立ち上がって目線を追うと、金髪を短く刈り上げた、すごく背の高い軍服姿の兵士が歩いてくる。ボストンバックを肩にかけ、精悍な顔つきをした兄は、やがてこっちに気がついた。

目が合うと「あっ」という口をし、途端に懐かしい笑顔を浮かべ、ガラス扉を抜けて直進してきた。

「ルカっ!!」

大声で叫んだ兄は駆け寄ってきてバッグを床に置き、僕のことを真っ先に抱きしめた。
逞しく太くなった腕にぎゅうっと包まれて、その後、何度も両頬にちゅっちゅっとキスをされた。

「おっ、にい、ちゃっ」
「ルカぁ! 久しぶり、ああマジで嬉しい、会いたかった……!」

僕も嬉しくてたまらなかったけれど、何が起きてるのか分からなくなり、されるがままになる。さすがに恥ずかしくなってきてサミさんに助けを求めると、「やらせてやれ」と生暖かい眼差しで見られた。

「お兄ちゃん、僕も会いたかったよ。今すっごく嬉しいよ。来てくれてありがとう」
「こっちこそありがとう、ルカ。……なんだよかしこまって、大丈夫かっ?」

照れくさそうに頭をわしゃわしゃ撫でられて、赤くなった僕は数度頷くにとどまった。
正直言うと、会うのが久しぶりで緊張してたし、兄の姿は大人の男性らしさがパワーアップしていて、まごついてしまった。

兄は僕を傍らに抱いたままサミさんに向き直り、にかっと歯を見せてパン!と互いに手を握り合った。そのまま友達同士のハグをする。

「おいダッジ、元気そうじゃねえかよ。なんかお前俺よりでかくなってねえ!? うわっ、このガタイ、やべえ、ワンパンでやられるわ」
「ははっ、今の俺なら何でも出来るぜ。まあお前も入れば嫌でもこうなるよ。つうかサミ、ルカのこと連れてきてくれてありがとな」

二人はまるで高校生に戻ったかのように、和気あいあいとお喋りをしている。

その後は、夕御飯には早いけど、何か食べようかってことになった。
ホテルでまず僕と兄はチェックインをする。サミさんは兄とは違う兵舎にいるエディスさんと会う約束をしていて、別のホテルを取っているらしい。

ロビーの近くに美味しそうなレストランがあったので、皆でそこに入った。
軍服姿の兄は目立っていたけれど、「この街は外にもちらほらいるよ」と言われて驚いた。

僕は兄の隣に座り、向かいのサミさんと一緒に笑い話を交えた。
偽お勉強会事件のこともネタにされてしまったけれど、また本気で怒りだしていた兄にはドキリとした。

でもこの前のラテン語のテストでは、兄のアドバイスのおかげで成績が少しアップしたのだ。それを教えたら「えっ、すげールカ! やったな!」と自分のことのように喜んでくれた。

肩が触れそうなぐらいの距離にいることがまだ信じられない。
僕本当に、またお兄ちゃんと一緒なんだ。

時々夢みたいにぼうっとしながら、食事の時間は過ぎていった。

「じゃあな、俺また明日チェックアウトの時間に来るからよ。兄弟仲良く過ごせよ」
「おう、ありがとな」
「ありがとうサミさん、エディスさんにもよろしくね」

サミさんはまた帽子を被り直し、片手をあげて去ったのだった。




兄と二人きりになり、カードキーを持ってエレベーターに乗り込む。上階の部屋へと続く廊下を歩いていると、兄が僕の手を自然に繋いだ。見上げると笑いかけられ、嬉しくて気持ちが高まる。

自分達が泊まる場所の扉を開けたら、そこは二つのベッドに、向かい合うソファとテーブルつきの、ゆったり過ごせそうな広い客室だった。

「うわぁ、すごーい綺麗な部屋! お兄ちゃんありがとう」

振り向いた時には、僕の体はふわっと持ち上がっていた。久しぶりに目線が高くなり、兄に正面から抱っこされたのだと気づく。
僕はもうすぐ13才だしいつもなら恥ずかしくて降りたくなるけれど、ほんのり赤く染まった兄の顔が近づいてきて、唇を塞がれてしまった。

「ん……っ、んん」

そのキスは、初めての感触がした。
もうお兄ちゃんとは何回したか分からないのに、びりびりして、全身にぶわっと鳥肌が立つ。

兄の口づけは優しいものから段々激しく変化した。息をつくのも惜しみ、僕の口を吸ってくる。
僕も落ちないよう足を兄の胴に巻きつけた。するとお尻を抱えたまま、兄はベッドの上に腰を下ろした。

ようやく口を離されて、見つめ合う。あまりに熱いキスに、二人ともはあはあ言っていた。

「ルカぁ……俺もう無理……ずっとこうしたかったよ」

小さな声で肩に顎を乗せられ、強く抱きしめられた。

「……僕も。お兄ちゃん……もっとしてえ……」

甘えた声を出すと、また兄は上気した顔で唇を重ねる。味わうようなキスで、舌をからませて僕の口の中をとろとろに舐めてくる。

僕は全身に広がる快感に耐えながら、一生懸命キスに応えていた。
初めて舌を自分から動かしてみる。積極的に絡ませると、もっと深く繋がってるような感覚がした。

でもお兄ちゃんはびっくりしたのか、顔を素早く離した。

「……んっ!? ルカ? ど、どうした今の……」
「……んぇ? なにが……?」
「いや、だから、今自分からエロいキスしてきたでしょ、いつの間にそんなこと……!!」

衝撃に固まっている兄の前で、首をかしげた。
もしかしてだめだったのかな。

「えっと、僕も練習してみたの。一人で触ってるときにね、こんな感じかなあって。でもお兄ちゃんとキスする妄想してたら、もっともっと早くイッちゃったよ」

笑顔で教えてあげた。恥ずかしいけど、本当のことだもん。
お兄ちゃんはうずくまってしまった。耳が両方真っ赤になっていて、顔を見せてくれない。

「どうしたの?」
「ちんこが痛いの……」
「えっ? 大丈夫? 心配だよお兄ちゃん、見せてっ」

僕は兄の膝の上から降りて、おちんちんを確かめようとした。
カーキ色の長ズボンのベルトを外し、チャックをおろして下着をめくる。すると大変なものが現れた。

「わあああっ!」

叫び声に驚いたのか「えっなに?」と赤面してのけぞっていた兄がこっちに向き直った。
そそり立つおちんちんが、パワーアップしている。
もっと長く見えるし男らしくて太いし、なんというか、前よりマッチョになっていた。

「どうして? お兄ちゃん、おちんちんもトレーニング出来るの? お兄ちゃんの体みたいに、すっごく強そうになってるよ!」

興奮が止まらずにいると、すかさず「出来ないよそんなのっ」と突っ込まれてしまった。
でも、じゃあどうしてこんなに……。

「ええと、ただ成長しただけっていうか……ルカが可愛すぎて……ね。バッキバキになっちゃっただけだよ」

恥ずかしそうな表情は変わらない。そこには治療の先生として安心した。
こうなったら僕は兄の体の変化がすごい気になってしまった。上着の上からぺたぺた触っていると、兄も動く。

「な、なに、ルカ」
「ねえねえお兄ちゃん、全部脱いでみて」

お願いすると、「いいよ」と兄はゆるく微笑んだ。迷彩模様の上着を脱いで、ベージュ色のぴちっとしたTシャツに首をくぐらせる。

僕は兄の鍛え抜かれた肉体に驚愕した。よく日に焼けた肌は肩幅が広くがっしりして、胸の筋肉も張っている。前から鍛えていた腹筋も完全に割れていて、ウエストは無駄がなくきゅっと引き締まっている。

「お兄ちゃん、すごぉい……ムキムキで格好いい……」
「……そう? よかった。怖くない?」
「ううん、僕ドキドキしちゃう」

でもよく見ると、ところどころスリ傷とか痣もあって、胸がちくっと苦しくなる。

「お兄ちゃん怪我しないでね、僕心配」
「大丈夫だよ、ルカ。お前が心配することなんもないからな」

頭を撫でられて、また唇を角度をつけて当ててきた。
そのまま兄に押し倒されてしまった。ベッドの上で、元気なままのおちんちんが僕のお腹にこすりつけられる。

兄は「ルカの体も見たいな。背もだいぶ伸びてるし、成長したんじゃない?」と嬉しそうに話し、大きな手でまさぐってくる。
恥ずかしくてよじるけれど、反面僕は期待もしてしまった。だって、ずっと離れていたし、今こうやって触れ合えるのは本当に夢みたいだなって感じるのだ。

「……えっ? ちょっと、なにこれルカ!」

胸をはだけられ、兄の手が僕のズボンを少しずつ下ろした時だった。なぜかパンツを見下ろし、口をぱくぱくしている。

「僕、なにか変?」
「いや変じゃないけど、ルカ、前ブリーフだったのに、ボクサーパンツになってるじゃん!」

体を半分起こして頷く。確かに12才になってからお洒落でタイトな下着を選んでいた。

「うんっ。そうだよ。だって僕もう子供じゃないもん。いつまでも白いブリーフじゃ恥ずかしいでしょう」
「……そう、かなぁ……ああ、またルカの成長見逃した……」

なぜか悲しそうな目でぼやく兄をよしよしする。
短くて小動物の毛並みみたいに、いつもと異なる手触りの金髪を抱える。

兄は僕の首にキスをした。甘噛みしながら、舌をれろっと這わせてくる。「あっんあっ」って声が出ちゃうけど、兄の口は手で揉んでいた僕の胸に下りていった。

おっぱいが好きなのは相変わらずで、乳首にも音を出して吸いついてきて、舌で遊んでいる。
その間も大きな手のひらが体中を這って、僕はびくんびくん震えた。

「んあぁぁ……だめえ……」

兄は顔を上げて微笑みかけると、ボクサーパンツの上から撫でてきて、やがて中に手を潜り込ませた。
硬くなったおちんちんに触れられた瞬間、僕の腰はびくん!と跳ねた。

気持ちいい……。
ずっと欲しかったお兄ちゃんの手が、また僕のものを愛情こめて包んでくれている。

「ルカ、良い?」
「うん……っあ、あ……やあ、すぐ出ちゃうかもしれない」
「大丈夫だよ、リラックスして」
「やだあ……」

珍しく反抗した僕に、兄がきょとんとする。

「だって、僕もっとお兄ちゃんに触ってほしいの。すぐに終わっちゃやだよ」

腕を弱い力で掴むと、兄は僕のほっぺたを優しくつついて微笑んだ。

「終わんないよ、だいじょーぶ。今日はずっと一緒なんだから、いっぱいしような?」
「……うんっ」

嬉しい言葉に安心したからか、それからすぐに僕は限界がきてしまった。

「あぁっ、ん、いく、お兄ちゃんっ」

おちんちんが震え、ぴゅっぴゅって肌に白い液がかかってしまって、放心状態になった。
やっぱり自分でするのとじゃ全然意味が違う。お兄ちゃんは僕の好きな人だから、こんなに直に感じてしまうんだなって分かった。

「お兄ちゃん、僕にもさせて」

僕は兄と体の位置を交換した。濡れて汗もかくから、二人とも真っ裸だ。
寝そべって枕から顔を上げた兄の上に、僕はまたがった。
両手で大きなおちんちんを握り、一生懸命下から上に擦りあげる。

「あー、気持ちいい、……ああっ、このルカ、やばい」

腰を下から少しずつ突くようにして、兄の腹筋もびくびくしなっている。
ゆらゆら揺らされ、僕もお尻に伝わる振動に敏感になりながら、手を動かした。

「もうイキそう、出るよ……!」
「んっ、イッていーよ、お兄ちゃん、たくさん出してね」

優しくお願いしたら、こっちを見た兄はすぐに眉間をきゅっと寄せて、お腹を何度も痙攣させた。

「……くっ……あっ、ああぁっルカぁっ!!」

おちんちんが手の中で脈打って、先っぽからミルクが大量にびゅるびゅる出てきた。
しかも、すっごく長い。これだけ続くお兄ちゃんの射精は見たことがなくて、僕はまた勝手にお尻がむずむずしてしまった。

久しぶりに大きな達成感があったとき、背に兄の腕が回された。
分厚い胸に引き寄せられて、全身がふわぁっと温かくなる。

「ルカ、大好きだよ。お前が一番好き」
「……僕もだよ。お兄ちゃんは僕の特別なの。大好き」

背中を撫でられて、頬をさすられたので顔をあげたら、二人の唇がまたくっついた。

夢見心地でいると、兄は僕を抱えたまま寝返りをうち、シーツの上に僕を寝かせて、覆い被さってきた。

「俺もっとルカのこと気持ちよくしたいなあ。いい?」

大人なお兄ちゃんの笑みにドキドキする。
僕は今がチャンスだと思い、勇気を出すことにした。それは、会えない間もっと心の内側で募ってしまった、もうひとつの願いごとだ。

「じゃあお兄ちゃん、僕とほんとのセックスしてくれる……?」

目元が自然と熱くなる。見下ろしていた兄は、ビシッと体を固くした後、僕の上に落ちてきそうになり、手首でぷるぷると持ちこたえていた。
どうやらまた撃沈しそうみたい。

「……ルカ、またそんなこと言って……お兄ちゃん身がもたないから、ゆっくりペースにして……」
「やだっ。もう待てないよ。僕お兄ちゃんともっと、強く繋がりたいの」

恥ずかしそうな、困った顔をする兄が僕の頬に手を当てる。
僕はそれを上から握って、目でお願い光線を出した。

「分かってないだろ? どんなことするか。俺はね、もうちょっと大きくなってから、少しずつルカに教えてーー」
「もう僕大きくなったよ、もうすぐ13才だよ。それに、お兄ちゃんは勝手に僕の体全部気持ちよくしちゃったのに、どうして僕のお願いは聞いてくれないの?」

少し怒ったフリをして強く出た。すると兄は分かりやすく瞳を揺らす。
僕のわがままで今日も会えたのに、っていうことは知ってるけど、離ればなれが寂しすぎて、気持ちを抑えられなかった。

「聞いてあげたいよ、ルカのお願い。でもね……だってさ、俺のちんぽ見て、ほら。こんなに大きいの、ルカのちっちゃいお尻に、そんなすぐは……」

握って見せてくる兄のおちんちんは、ビクビクと揺れ僕に挨拶してきた。
しばらく考えていた兄は僕の隣に横たわる。もしかして、僕のせいで終わっちゃったのかな。
そう思い寂しくなってくっつくと、長い腕がしっかりと囲ってくれた。

手は僕のお尻にゆっくり伸び、揉んでくる。「んっ」と声が出てしまう。

「だって、分かる? ここで……するんだよ?」

兄の指の腹が僕のお尻の真ん中を撫でた。そこは、兄とまだ一緒にいた時から、たまに撫でたり舐められたりしちゃってた所だ。

「んあっ。し、知ってるもん。僕、パソコンで調べたから」
「……え!? 調べちゃ駄目だよそんなことっ」

またお兄ちゃんにショックを与えてしまったみたい。でも僕はいつまでも子供扱いされてるけど、もう子供じゃないのだ。
こんなに好きって気持ち、どうしたら伝わるんだろう。

途方に暮れていると、兄は立ち上がった。近くに置いてあったボストンバックの中を探って、小さいチューブを取り出す。

「……いや、別に準備してたとかじゃなくてな、もしもの時にお前を守れるように肌身離さず……」

言い訳っぽくぶつぶつ言う兄がまたベッドに上がってきて、興味深々の僕は手を覗きこんだ。

「それどうするの?」
「ルカのお尻にぬるの」

驚愕の事実に出会った僕は、最初に薬をぬっておくのかなって、このとき勘違いしてしまっていた。

「やだったらすぐ教えて。ちょっと確かめるだけだからね」

優しく言って僕は仰向けにされた。足を持ち上げられてドキドキする。

「ねえねえ。お兄ちゃんの前だけだよ、僕、こんな格好するの」

高まる羞恥から告げると、「うん。それは絶対そうだよ」と納得済みの笑みを返された。
しかし、少しの間のあと、突然生温かいものの感触が伝わってきた。取り出したクリームじゃなくて、兄の舌だ。

「んやあぁあっ、なんでぇっ」
「すまん先に舐めさせて」

赤らんで興奮した顔が僕の下半身にくっつき、舌が動きまわる。
恥ずかしくて苦手なのに、気持ち良すぎておかしくなる。

「はぅぅ……おにいちゃぁん」
「……ルカ、舌いれるの好きだよな。やっぱ指でも、大丈夫そうかな……?」

調べられている間も、お尻の真ん中がぴくぴくしちゃう。胸で息をしていると、あたたかいジェルみたいなのが塗られ、兄の指がマッサージする。

指、入って来ちゃうの?

ちょっぴり不安になったけれど、頑張るって決めた。
だって僕は本気なのだ。

優しく円を描いていただけで、腰が浮く。ぬぷっと指を入れられたときは、思わず声をあげてしまった。

「あっ……あぁぁっ……」

すごくゆっくり入ってきて、とまる。すごく変な感じで、お兄ちゃんの指は長くて太めなのに、窮屈な感じはするけど、痛みはない。

「大丈夫か? 痛くない?」
「ううん、平気、みたい……」

それどころか、なんだかじわじわしてきた。
兄の舌の攻撃に、もう慣れてしまっていたからだろうか。

「ほ、ほんとに大丈夫なの、ルカ。じゃあ少しだけ動かすよ?」
 
そろりと引いて、また中に進んできた。それがゆっくり繰り返され、段々指の周りがうずく感じがしてきた。

「あっ、あんっ、あぁあっ」
「……どう? ルカ……」
「わ、かんな、……んぁっ、指、だめっ」

だめって言ってるのに、様子を見ていた兄は、指を曲げてぐいぐい中をこすってきた。
その瞬間、僕の腰はもっと激しく跳ねてしまった。

「ひゃあぁっ、だめなのそこっ、お兄ちゃんっ、やめてえ!」

膝を曲げて両手の甲で顔を隠す。
変な風に腰が動いちゃう自分がかなり恥ずかしいと思った。
でも兄は体を起こし、顔を寄せてきた。

「んー……可愛いな……もしかして、感じちゃってる?」

指が中をくりくり擦って色んな場所を押してくる。
兄は同時に僕の胸を舐めた。また好きなように吸っておっぱいを激しく揉んでいる。
二つがいっぺんに弄られて、僕のおちんちんも我慢出来なくなってしまった。

「お兄ちゃん……っ」
「ルカのちんちんも触る? 舐めていい?」

そう言って体を起こし、僕のものをくわえこんで、指も止まることなく動かして、僕は今までで感じたことのない気持ちよさに襲われた。

「やあぁぁっ、気持ちいいお兄ちゃんっ、そこ、あぁあっ、だめぇ、イクッ、イッちゃうのっ」

お尻がきゅう、きゅうって中から引っ張られる感覚がした。間もなくおちんちんからも液が溢れていく。
兄がうっとりした顔で僕のを飲んでしまうのを見ながら、激しい息を落ち着かせようとした。

「……は、あぁぁ……ん、あ、おにい、ちゃ……」

兄は起き上がって僕の隣にまた寝転がり、すぐに抱き締めてきた。
おでこにキスをし、髪の後ろを優しく撫でてくる。

しばらくして見た顔は、興奮して赤らみ、でもどこか嬉しそうな感じに見えた。

「お前、お尻もイッちゃったな。びくってしたの分かったよ。すごい……かわいい。気持ちよかったの?」
「うん……僕、気持ちよくなっちゃった……どうしよう」

秘密の調べによると、いつかお兄ちゃんのおちんちんが、入ってきちゃうんだよね……そしたら、どうなっちゃうんだろう。

「ねえねえお兄ちゃん、これで僕も少し準備が出来たね。今度またお兄ちゃんに会えたときは、もっとラブラブ出来るかな?」

腕に巻きついて好奇心を抑えながら見上げた。
するとなぜか兄の瞳は潤んでいた。

「ええと、うん。でも今はちょっと休んで、ルカ。あとでお風呂一緒に入ろうな」

キスを一度されて、また頬にも何度かされてるうちに、だんだんと眠気が襲ってくる。

いつもより力が抜けてしまい、僕はしばらくベッドの上で兄に抱かれて、休んでいた。
するといつの間にか眠ってしまったのだった。





何時になったのだろう。
僕は髪にぽたぽたと何かがこぼれる音で目を覚ました。体を動かそうとすると、ぎゅっと抱き締められる。

兄の顔は見えないけれど、カーテンからのぞく窓の外は暗くなっていた。

「わあっ、どうしようお兄ちゃん、もう夜になっちゃった? ごめんね、僕たくさん寝てたみたい」
「……いや、大丈夫だよ。……あ、あとで何か飯買ってくるか。……ていうかルカ、もしかして観光とか行きたかったか? ごめんな、ずっと部屋になっちゃって…」

僕の頭を抱えたまま、かすれた声のお兄ちゃんが気になったけど、首を横に振った。

「ううん。僕今日はどこにも行きたくないよ。だってせっかくお兄ちゃんと二人きりだし、ずっとくっついていたかったの」

温もりに掴まって本音を伝えると、今度は頬にぼたっと滴が落ちてきた。

「ルカぁ…………」

びっくりした僕は兄の顔を見る。そして目を疑った。
体格はものすごく男らしい兄が、真っ赤に目を腫らしていて、表情は子供みたいにくしゃってなっていた。

「おっお兄ちゃん! どうしたの、なんで泣いてるの!」
「……だって寂しいじゃん……俺もうお前と離れたくねえよ……」

初めて聞く直接的な兄の弱音に、僕は愕然とする。
でもすぐに、僕もじわあっと涙が満ちてきた。泣くのは僕のほうが得意だから、あっという間に噴水になる。

「僕も寂しい……やだあ……思い出しちゃったよ、明日お兄ちゃんがいないの」
「……うう、そんなこと言うな、ルカ……」

僕らは二人でベッドの中、しばらく抱き合ってグスグスしていた。
兄の泣き顔なんてほとんど見たことない。だからこれは、相当なことなんだと分かる。
僕のほうが絶対寂しいと思い込んでいたから、さらに胸がしめつけられた。

「ごめん。兄貴のくせに情けねえな……。今日はもっと楽しまなきゃな、ルカ…」
「……うん、そうだね。僕たぶん明日のほうが泣いちゃうから、涙は取っておこうね、お兄ちゃん」
「だ、だからそういうこと……ぅうっ、ルカぁ!」

その後はむしろ兄を慰めるのに費やしたのだった。

それからはというと、二人で夜ご飯を買いに行き、ホテルの部屋に戻って仲良く寄り添いながら食べた。
家じゃない場所でこんな時間を過ごすことは新鮮で、楽しくもあった。

お風呂に入ってお喋りして、ベッドに戻ったときには、また眠くなるまでくっついたり、触れ合ったり。

明日のことを考えると胸が詰まるけれど、それは僕のお兄ちゃんとの大切な思い出の中でも、忘れられない一日になった。



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