短編集 | ナノ


▼ 制服を着た弟が悪い

大学のゼミが急遽休講になったと友人からメールをもらい、今日はそれ一コマだけだった為ラッキーなことに外出しなくて済んだ。

午後三時のちょうど眠気が襲ってくる時間帯、家族は皆出払い静かな一軒家のリビングで、俺はソファを一人占領し雑誌を読みながらくつろいでいた。

しかし突然玄関の鍵ががちゃりと鳴る。
飛び起きた俺は小走りで扉へと向かい、思わぬタイミングで帰宅した「唯一無二の存在」を待ち構えた。

「……げっ。なんでいんの、兄貴」
「おう、おかえり優人くん!」

明らかに嫌そうな面構えをした愛する我が弟、高校二年生の優人が玄関扉を後ろ手で閉める。
俺とは違い柔らかな茶髪に形のよい眉、大きな茶目は今だけ煩わしそうに伏せられているが、そんな気怠げな所もまさに今時のイケメン男子である。

あれ、でもちょっと待てよ。なんか服がいつもと違う。こいつの高校は私服のはずなのに、上下紺のブレザーを着ている。
革靴を脱ぎながら無造作にネクタイを緩める弟を見て、下から血が滾ってきた。

「ゆ、優人、おまえ今日制服で学校行ったのか? やべえ、すっげー可愛いんだけど」
「はぁ? うわっちょ、近寄んなよッ」

興奮しながら迫ると鞄で勢いよくガードされた。だが俺は構わず弟を上から羽交い締めにする。
サッカーをやっていて年の割に筋肉質な少年ではあるが、幼い頃から空手で鍛えている有段者の俺には所詮敵わない。

汗の匂いをくんくん嗅ぎ好きなだけ吸い込むと、ぶるっと優人の体が震えた。その後もしつこくなんで可愛い格好してるのか尋ねると「集合写真で必要だから着ただけだ!」と追いやられてしまった。

玄関から逃げ出すように二階へ向かおうとする弟の腕を掴んだ。

「おい待てよ、まだ話終わってないから」
「着替えてからでいいだろ、ちょっと待ってよ」

階段に足をかけて振り向いた奴の耳が赤くなっているのを、俺は見逃さない。どこを触っても敏感な弟なのだ。だから余計に構ってからかいたくなる。

それにまだ弟の制服を堪能してない。こんなレアなシチュエーションだ、そうやすやすと脱がれてたまるか。

俺はポケットから五千円札を取り出した。優人の眉がピクリと上がったのを見て、すかさず奴のオデコにパシン!と貼り付ける。

「兄貴……。まさかそのお金で俺へのセクハラを許容しろって迫るつもりか? 信じられない、あんたそこまで堕ちたのかッ」
「違えよ、落ち着けよ。つうかなんで弟に触るのに金が要るんだよ、俺はこれからもタダで触るぞ。……いや言いたいのはそうじゃなくて、この金は母ちゃんから貰ったんだ。今日の晩飯代だってよ」

優人の顔がみるみるうちに安堵の色を浮かべ始める。ふっ単純なとこが年下らしいというか可愛い奴。

「だからさぁ、出前取ってもいいんだけど、どうせなら半分こしねえ? 飯なんて冷蔵庫の残り物でいいだろ」
「やだよ、どうせ俺が作るパターンだろそれ。自分で作れば……いや兄貴の料理不味いからいいや」
「ひっでえな。まあ事実だからお前が作ってくれる? 3000円にしてあげるから」
「ヤダっつってんだろ! ていうか出前なら俺寿司がいい。なぁそうしよ。はい決まりね」
「寿司? ジジくせえな、ほんとに高校生か? 俺はピザのほうがいい」
「は? 二人なら高い寿司食べれるチャンスだろ! つうかそんなジャンクフードばっか食べてるから太んだよ!」

普段は家で静かにゲームしてるタイプの弟が、よっぽどお腹が空いてるのか声を荒げてキリキリしている。
しかし突然奴の手が俺の腹に伸びてきた。服を捲くって「ほらお腹が出てるぞっ」とやりたかったのだろうが、独自の自重トレーニングで鍛えてる俺が太っているわけがない。

「あ? いくら体に悪いもん食べてもなぁ、俺のこのパーフェクトボディは崩れたことなんかねえ。偉そうにお前はどうなんだ? ほれお兄ちゃんに自慢の若々しい体を見せてみろ」

さっきの続きだと言わんばかりに、俺は速攻で弟の体を壁に押し付けた。奴もまあまあ背は高い部類だが俺より10センチ以上低いところにいる。
優越感に浸りながら腰に手を回し、にやりと見下ろした。優人が唇を噛んでキッと睨みつけてくるが、心なしか目は潤んでるし細かな息遣いがマジでエロい。

「あれ、優人くんどうしたの? もう降参?」
「ち、ちが……離、せっ」
「そんなこと言って、本当は俺にもっと触ってほしいんだよなぁ。だって優人はちょっと触っただけですぐ赤くなるし、顔が本気で嫌がってないもん」

我ながら適当な言い分だが、悔しそうに言い返せない様子の弟を見ているとあながち間違ってもいないようだ。
無言になった隙をついて制服のズボンからシャツを引っ張り出した。せっかくだからボタンを一個ずつ外し薄っすら日に焼けた胸筋を目を細めて楽しむ。
いわゆる細マッチョと呼ばれそーな体型だが、俺からしたら薄くて非常にそそる脇腹をぎゅっと掴んだ。

「やめ……っ、そうやって、兄貴が触ってくる……から!」
「うん、そうだな。だから何だ? それで段々気持ちよくなっちゃったってこと?」
「……うっさい、へんたい、セクハラ男! 気持ち良くなんかねー!」

気持ち良さそうに舌を覗かせ喘ぎながら言われても、なんの説得力もない。
涙目ではぁはぁ言っている弟の腹を弄り尽くした後、ズボンの中にそろっと手を忍び込ませた。

正直ここまでやったのは始めてである。普段抑えているつもりの弟への欲望が、制服という禁断の倒錯アイテムによりむくむくと頭をもたげていく。

「いやぁでもな、確かに最初はセクハラだったかもしれないけど、ここまで来たらもう合意なんじゃないか? ほらお前の勃ってるもん。先っぽもこんな濡れててエロいよ? もう我慢出来ねえって感じ」

下着越しに湿り気を感じながら手で包み込むように撫で撫でしてやると、優人の可愛い口から「黙れ変態野郎っ」と罵詈雑言が飛んでくる。だがなぜか奴の両手は力なく俺の腕を掴むだけで、本気で止めようとはしていない。

つまりこれってそういう事だよな?
日頃の過剰なスキンシップが功を奏したというわけだ。となればこのチャンスを逃す訳にはいかないし、なんなら少しだけステップアップしてもいいのではないか。

「んーそうだなぁ。じゃあこのまま優人が我慢出来たら、もうセクハラしないから。出前も寿司にしてやるし」
「が、我慢って、何…っ?」
「射精しないってことだよ。気持ちよくないんだろ? じゃあ俺に触られてイクわけないよな」
「……だ、めだよそんなの、メチャクチャだ、兄貴……っ」 

優人がぎゅうっとしがみつく力を込めてきた。ああ、これはやばい。こうやって一方的に弟を辱め攻めるのも最高だが自分のも出しとくんだった。
普段素っ気なく清ました顔の弟が見せる痴態に、股間が痛いほど張りつめて仕方がない。

「なんで駄目なんだよ、お前が出来るって言ったんだろ?」
「い、いってない、そんなこと」
「じゃあ我慢出来ないの? なんかお前のチンポさっきからびくびくしてるけど、もしかしてもうイキそうなの?」
「んっんっ、あ、ア、ち、ちが」

まだ直に触ってないのに、どんどん先走りで弟のボクサーパンツが濡れていく。
さすが現役高校生だ。取り出してちょっと擦っただけでこいつブチまけそうだな、そう思った瞬間だった。

「や、あに、兄貴、もう、だ、め」
「んん? イッちゃいそう?」
「う、うん、い、いく、……んあっ、んっ、んんーッ!」

優人は唸るような声を漏らし俺に抱きついた後、腰をガクガクと震わせた。下着の中がさっきの比じゃないぐらいにびちょびちょになっていく。
巧みに緩急つけたとはいえ上から撫でていただけで、本当にイッてしまうとは。想像以上に俺の弟はヤラシイ体してると口元が緩みそうになる。

「……っはぁ、はぁ、……ううっ、サイテーだ、あんた……」
「なんでだよ、良かっただろ? お前すげー顔してたぞ」
「……ひ、人にされたの、初めてだから……それだけだッ!」

言い訳のつもりだろうが普通に認めちゃってるところが可愛い。弟は真っ赤な顔で怒っているが、俺以外にこんな事する野郎がいたらブチのめすぞ、と本気で返すのも引かれるかと思い我慢した。

「そっかそっか、そんなに気持ちよかったか、お兄ちゃんも嬉しいぞ。だが勝負はお前の負けな。これからも覚悟しとけよ」
「はぁ!? ふっざけんなよ、もう俺に触んな変態ヤロー!! あと兄貴の今日の夕飯抜きだからな! 俺だけ高くて美味いもん頼んでやる!」

だらしなく開いたズボンをかちゃかちゃと仕舞い、捨て台詞を吐きながら優人は二階へと駆け上がっていった。えっ結構凄いことしたのにそれだけで済んじゃうのか?
あいつってやっぱ、甘いよな。嫌そうにしてるけど、本当は俺のこと好きなんじゃないのかな。

首を捻りながら、なんにせよ今日という日の思わぬ収穫に感謝した。



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