「僕は長いままが良いな」
随分伸びて邪魔になってきたから髪を切ろうと思うの。何気なく言った彼女の言葉に、傍らに座るダイゴがさらりと反駁してきた。
高価な指輪の填まる長い指たちが伸びて、毛先を弄ぶ。
「短いの、私に似合わない?」
「そうじゃないけど、」
───ヤッてるときに長い髪が散らばってるの見てると、無理矢理犯してるように見えて興奮するんだよね
「…………馬鹿じゃないの」
形の良い唇から紡がれた言葉に彼女の目は見開き、そして呆れたように半眼になる。
「そうかな?」
ギシリ。
軋んだソファ。
より密になる2つの身体。
「目隠ししたり縛ったりすると名前だって興奮するでしょ。何だかんだ言って、君は犯されるのが好きなんだ」
「違う!」
「そうやって清純キャラを演じる君も好きだけどね」
「演じるって…」
その言い種を些か心外に感じて彼女はダイゴの身体を押し返す。
「違わないでしょ」
手首を捕まえられ、引き寄せられる。
絡む視線。
強かな笑みを浮かべる顔が彼女に見せ付けるように毛先に唇をよせて。
「……馬鹿」
強がった唇に唇が重なって、ソファに長い髪の広がる音がした。
逆流フラストレーション
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爆ぜる熱情が、