───臨也のキスは、強烈なテキーラみたいだ


口腔を荒らされながらそんなことを考えた。
唾液を垂れ流すその舌は何処までも柔らかく、そして熱い。他人が不躾に触れてくる、舌の上皮。或いは硬口蓋の表面が熱く灼ける錯覚。
吸われて、絡められて。そこに快感を感じてしまったらもう終わりだ。酒精に溺れるのと同じように快感に溺れて、本能に従順になってしまいたくなる。


「……っ、ん」


キスの和訳は口付けの筈なのに唇よりも舌に意識を取られるのだから滑稽だ。
熱に浮かされているかのように働かない頭が指示を出して溢れかけた唾液を呑み込んだ。ぬらりとした生暖かさが喉を燕下して胃に行き着いた瞬間、胃の底が灼かれるような激しい不快感が襲ってくる。ほら、矢張りテキーラだ。


「ほら。俺、キス上手いっていったでしょ?」


天井を背景に敷き、臨也はそれはそれは綺麗な顔でくすりと笑った。


「……えぇ、そうね」




















倒錯的享楽不快感






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最早両方生理現象。
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