俺の隣は… | ナノ






こんにちは、こんばんは、おはようございます!世界の、あ、な、た、の、紀田正臣でっす!!。
今日も世界中の女の子の為に、この熱いハートをフォーリンユーしていきたいと思っています!。
さぁ、世界中のラブリーな女の子達よ。俺の胸に飛び込んで…っ、

「来ないだろうねぇ…」

そんなことないですよ!?今にきっと『紀田くんラブ!』って子達が、大量に押し寄せて来るに違いないんですからね!?。

「て言うより、此処は俺の部屋なんだから、君がそんなに頑張ったって来る訳ないと思うよ?諦めたら?」

冷たいですよ臨也さんっ。俺という恋人に対しての余りに冷たいお言葉…っ、俺、泣いちゃいますよ!?。

「へぇ…恋人だったんだ。俺と紀田君って」

そんな……っ、忘れちゃったんですかっ?あの夏の日に暑く燃え上がった、アバンチュールのごとき恋を…!。ヒドいですよっ臨也さん!。

「全くの事実無根だからねぇ。それに夏は仕事で向こうに渡ってたから、君とは一緒に居なかったと思うんだけどなぁ」

うぅ…、そうですよ…、いきなりお留守番よろしくねって言って出てったっきり、帰って来ませんでしたよね…臨也さん…。でも、だからこそっ、妄想の中でならばちょっとくらい…っ、

「うん。好きにすればいいと思うよ。俺以外でね」

そんなぁ…!。

「あ。ねぇ、紀田君?さっきから気になって、言いたかったんだけどさぁ…」

なんですか!?愛の告白ならバッチコイで受け付けてますよっ!?。

「なんで君、俺の部屋に居るの?」

ぐはぁ…っ、その上目首傾げなポーズは致命傷ですよ…!。世界の紀田くんは瀕死状態なんで、臨也さんの口付けで起こして欲しいなぁなんて…、

「あ、帝人君?実はここに変質者がいるんだけど、」

あああぁあぁぁ…!!やめて下さい臨也さんっ!俺、帝人に殺られちゃうから…っ。本当にやめて下さい謝りますからすみませんごめんなさいっ!。

「と、言うのは冗談で、」

首の皮一枚で繋がった、良かったなっ俺…っ。…本当に冗談じゃなくぱないんで、ほんっとーにやめて下さいね…?。

「それは君の態度次第かなぁ」

本当に何でも言う事聞きますから、帝人だけは本気でやめて下さいお願いします。

「?、帝人君は君の親友じゃないのかい?」

…あはは…、臨也さんは知らなくてもいいんですよ。寧ろ知らないでいて下さい。俺の身の安全の為に。

「ふーん…?、まぁいいけど。で、なんで部屋に居るの?」

話はそこに戻るんですか!。…いや、別に、意味はあるといいますか、ないといいますか…。

「はっきりしないなぁ…。そんなんだからモテないんだよ、紀田君は」

ガーン…!はっきり言わずにもうちょっとオブラートに包んで下さいよ、臨也さん…っ。俺めちゃくちゃショック受けたんですけど!?。

「そんな事言われてもなぁ。俺は事実を言ったまでだからねぇ…」

!!…ヒドい…酷過ぎる……っ。紀田正臣はHPが0になり、戦闘不能になりました…。ばたっ。

「ちょっと。こんな所で寝ないでくれないかい?」

…………………。

「おーい?」

………………いいんだ。どうせ俺なんか………。

「紀田くーん?」

…………片思いし続けて幾星霜……どんなに遠回しにアタックするも、直接告白するも、気が付いて貰えない、駄目な男なんだ…………。

「………」

…………いや、でも、分かってただろう紀田正臣。この人が鈍いことは承知してただろう?。今更ここで挫けるなんて男じゃないぞ…俺……っ。

「……正臣君?」

………ふ、ふふ。大丈夫だ。俺はやれば出来る男だ。立ち上がるんだ紀田正臣。頑張ればきっと多分大丈夫のはずだ………っ!。

「……………正臣」

!!!!!………い、いい、臨、臨也さんん……っ!?。い、今、なまっ名前っ…名前…っ!?!?。

「…さーて。仕事でもしようかな」

まま、待って下さい臨也さんっ!今っ正臣って呼び捨てにしましたよね!?そうですよねっ!?。

「さぁ?気のせいじゃないかな、紀田君の」

確かに、確かに正臣って聞こえましたよっ?。

「じゃあそうなんじゃない?」

そんな投げやりな!?。大事なことですよねっ!?名前って!?。そこから関係が深まっちゃうとか、みたいな!。

「人の話を聞かないような人間とは、仲良くなりたくないなぁ」

……臨也さん、もしかして。

「…何かな?」

俺が臨也さんのことを無視してたから、寂しくなっちゃって怒ってるんですか?。

「思い上がりも甚だしいね」

…実はここに来たのは臨也さんに会う為なんですよ。

「へぇ、ありがとう」

さっき話してた女の子の話も、臨也さんが気にしてくれたらなぁって思って、言ったんですよ。

「…ふーん」

俺、臨也さんのことが、好きなんですよ。

「そうなんだ」

そうですよ。

「……………」

……………。

「…で?」

いや、それだけですよ?。

「あ、そう」

え。あ、そうって、ちょっと反応薄くないですか!?。

「そうかな?」

そうですよ!!俺今告白しましたよねっ!?。

「あ、そうなんだ?」

だからそうなんですってばっ!。もしかして分かってなかったんですか…っ!?。

「そうなんだ…じゃあありがとうね、紀田君」

ありがとう!?どっち!?と言うかじゃあってなに!?そして結局返答貰ってねぇ…!。突っ込み所満載ですよっ!?臨也さん!。

「えぇー?そんな事言われてもなぁ…」

ちくしょう、こうなったらやけだ!。男は度胸、紀田正臣、逝きます……っっ!。

「漢字変換がおかしいんじゃ、」

臨也さんっ!!。

「はいはい。何かな?」



「あなたのことが好きです。付き合って下さい。









――…愛してます、臨也さん」



「…ふふ。やっと言ったね」

「えっ、い、臨也さんっ?」

「正臣君全然言ってくれないんだもん。待ちくたびれちゃったよ」

「あ、あの、何で急に抱き、」

「ねぇ、正臣君」

「は、はいっっっ!!」

「俺も、愛してるよ?」

「〜〜〜〜〜〜っ!?!?」



どうやら、年上の恋人の方が、やっぱり一枚上手のようです。








fin!!



臨也さんに振り回される正臣君が好きです。この後きっと狼さんな正臣君に逆襲される臨也さんが見られると思います(笑)。
こちらの企画に参加させて頂きました!『Love is all』。






*story*


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