今回の事件によって、この街では既に三人が死亡しており、現在この地域でブローカーの疑惑がかけられながら生き残るのは五人。
東街の路地で酒場を営むレイガン・バルドー、西街に葬儀屋を構えるカイル・エドモンド、中央街の病院に勤務するヘイゼル・キース、主に北街で客をとっている娼婦のアビー・テイラー、そして南街に在住する議会議員のギネヴィア・ホフマンだ。
どうやら彼らの中ではヘイゼル・キースとカイル・エドモンド以外は互いに面識も無いらしい。また、面識のある二名ですら互いがブローカーであることを知らず、五人は各自別行動をとっているという。

しかしこうも生活区域がバラバラであると、次の犠牲者が出てしまうのは避けられないように思えた。
いくら殺人を防いで犯人を捕まえたくても、彼らに事前に「あなたは狙われています」「守ります」とは言い出し辛い立場だ。

教団側は伯爵側に救いの手を差し伸べたりはしない。実際コムイが犯人捜しを任務とすると上に報告した際も、中央の大元帥や枢機卿達にいい顔はされなかったようだ。
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墮天の黒翼

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