4
それからと言うものの、私へのいじめは酷くなる一方だった。
でも、愛美の態度は変わらない。
「渚〜!!」
愛美はいつものように私に抱き付いてきてくれた。
「愛美…ど、どうしたの?」
いつも通りの愛美のはずなのに、私は自然と固くなってしまう。
「あのね!渚に話があったの!」
「話?何??」
えーっとね〜と、愛美は可愛く考え始め、口を開いた。
「渚〜あのね…」
゙わたし、幸村君のこと好きになっちゃった!゙
えっ?と、私は思わず聞き返してしまった。
「愛美…冗談…だよね?」
「冗談じゃないよ」
その刹那、愛美の表情が一変した。
そして、愛美は再びいつもと同じ笑みを浮かべる。
「だからね、渚には〜幸村君と別れて欲しいんだ!」
「え…?」
嬉々とした表情のまま、愛美は私を見つめる。
「渚、お願い聞いてくれるよね?」
「どうして?…だって愛美は…」
「渚ってさ、本当に鈍いよね〜」
愛美は少しずつ私に近づいてきた。
「私…幸村君が好きだったの…ずっと、渚が幸村君と付き合う前からずっと…ね」
恐い。
この時、初めて愛美のことを恐いと思った。
「だから、ね!」
お願いっ!と、愛美は私に頼んできた。
私には、答えることが…出来なかった…
恐怖