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自殺して、2日が経ちました。
ですが…
「…何にも変わってない…」
朝起きても相変わらず10年前の姿のまま。
自分の家も、家族も全部10年前のもの…
「渚!時間じゃないのっ!」
「はーいっ!今行きます!」
考えていても仕方がないのでとりあえず学校に行ってみることに。
「精市だっているしね」
*****
「渚〜おはよー!」
学校で私を待っていたのは、親友の愛美。
愛美は私の腕にギューっとしがみついてきた。
「あ、愛美…」
彼女とは、小学校からずっと一緒で…確か、この先もずっと一緒に仕事したりしてたな…
「渚、残念そうな顔してる〜」
「し、してないよっ!」
「本当に〜?」と、彼女は小首を傾げた。私はそれに、肯定の意味として首を縦に振る。
「…あ!幸村君だっ!」
「えっ!?」
遠くから精市の姿が見え、愛美はすぐさま精市にあいさつをしに行った。
私はただ、その姿を見つめているだけ。
しばらくすると、精市は私に気付いたようで、愛美を無視してこっちに近づいて来た。
「おはよう渚」
「お、おはよう…精市」
あいさつを交わすと精市は私の頭を撫でてくれた。
久しぶりの精市の手に、私はいつも以上にドキドキしていた。
これが、幸せなんだって…バカみたいだけど、今更気付いた。
その代わり、私は気付いていなかったんだ。
あの子の気持ちを…