出逢い






「なんだよばあちゃん」


そう言いながら居間にやって来たのは、ピンクの髪を持った同い年くらいの子。
おばあちゃんはわたしとその子を向かい合わせに座らせると、突然、話だした。


「海穂。この子は綱海条介、うちの隣に住んでいるんだよ。条介、この子は私の孫の海穂だよ。今日からここに住むことになったんだよ」

「ふーん、オレは綱海条介、よろしく!」

「う、うん。よろしく…」

差し出された手に戸惑いながらも、ぎこちなく握手を交わす。
同年代の男の子と握手するのなかんか初めてなわたしは内心穏やかじゃなかった。


「で?こいつが何かしたのか?」

「ああ、今日はわたしの代わりに、この子を海に連れていっておくれ」

「えっ!?」


おばあちゃんの言葉に、驚きを覚えた。
事実、わたしとこの子…綱海君は初めて会ったばかりだし、二人で海に行くのは気まずいだろう。
おまけにわたしは海恐怖症な訳で、こんなわたしと綱海君が一緒に海に行ったって仕方ないと思うものの、綱海君は「ああ、いいぜ!」とすんなりと了承してしまった。


「ち、ちょっとおばあちゃんっ!?」

「さー行こうぜ!」


有無を言わせぬスピードで、綱海君はわたしの手を引っ張り、歩きだした。
そんなわたしを、お母さんとお父さんは唖然としながら見つめていた。





王子との出逢い


(離してー!)






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