初恋は叶わないなんて誰が決めた?かっこよくいっても大体初恋っていうものは叶わないようになっている。

桜がひらりひらりと散っていく、桃色の中に目立つ綺麗な緑色。どくどくどくどくと心臓が激しくなって、ああ、ああ、間違いない!!


「寿、寿か?」
「緑間君……み、どりま、くん…」


間違い、な…い……
……で、でけええええええええ!?緑間君でっけええええ!!え、私170ぐらいあるんだけど、それよりももっと上に緑間君の頭がある。
ていうか、


「(かっこい…!?)」


背が高くて手足も長い、細いのにしっかりした体につい目がいってしまう。学ランにトリケラトプスのぬいぐるみのミスマッチ具合がなんともいえない。すっと通った鼻筋に二重に下睫毛、肌荒れを馬鹿にしてるぐらいに透き通った肌。
やばい、かっこいい、くらくらしそうだ。いやしてる。緑間君の瞳に乾杯。


「でかくなったな」
「え、いや、うん、私の台詞だね」
「はじめてあった時はこんなに小さかっただろう」
「流石にぬいぐるみほど小さくないよ」


トリケラトプスのぬいぐるみにずいっと前に出す。私どんだけ小さかったんだよ、赤ん坊かおい。
トリケラトプスのぬいぐるみという事は緑間君は蟹座か、おは朝はあの時から神聖視してます。とか聞きたい事もあるんだけど今日は入学式。話合う暇なんてありゃしない。


「じゃ、緑間君後で」
「ああ………寿」
「なに?」

「……お前は、疫病神なんかじゃない」


ああ、初恋って叶わないのかな、これで叶わないなんて腹が立ってくる。そして私を疫病神疫病神とからかった工藤君、今だけありがとう、私は幸せです。


「ラッキーアイテム、持ってるから!!」


笑顔で手を降れば緑間君は驚いた顔をしてクラスへ入っていく。私と緑間君はクラスが違うみたいだ、悲しい、切実に。
私の名前が書かれたクラスに入ると顔見知りなんて一人もいない。必死に頑張った私の頭はなかなか凄いのかもしれない。

そういえば、おは朝曰く、恋愛運絶好調だっけ。やっぱ凄いなおは朝。疑問とか通りこして素直に神聖視するわ。



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