久しぶりに出会った友人はとても大きく美しくなっていた。
俺は無愛想だし背が高いだけの不細工だが彼女に少しでも好意を抱いて欲しくて、いつも以上に人事を尽くしてみる。

そんな事を真ちゃんに言われた。


「緑間…お前それわざとなの…?」
「は?何がだ?」
「無愛想と背が高いのは同意してもいい、でも真ちゃんは背が高い“だけ”じゃないしましてや不細工でもない、真ちゃん鏡みた事ある?今でも自分を不細工っていうなら真ちゃん、それは嫌味だよ…」
「…しかし、しかし俺は顔の作りはよくないのだよ」
「どの口がいってんのかなああああ!?お前世の中のブサメンとフツメンの俺に喧嘩うってんのかなあああああ!?」
「…意味がわからないのだよ」


眉間に皺を寄せる真ちゃんを殴りたくなった、お前が不細工?じゃあ世の中のほとんどが不細工になるぞ、その整ったお顔で鏡みた事あるだろ、まじかよ。


「真ちゃんは変な所で過少評価しすぎなんだよ」
「……流石に顔の作りは人事を尽くせん」
「……はあ…」


人事を尽くして天命待つ。それが真ちゃんの座右の銘、真ちゃんは努力家で秀才の塊みたいな子なんだけども…
逆に、持って生まれた物にコンプレックスを抱いていた。
ヒールな印象すらあるキセキの世代であるが故に僻みを受けた真ちゃんは自分を過少評価しすぎていたわけだ。
整った下睫毛の長い綺麗な顔も、サラサラの絹の様な緑髪も、声もなにもかも全てがコンプレックス。
生きにくい、実に生きにくい男だ。


「しんちゃあーん……もっと自信もてってぇ、な?」
「……むぅ」
「ほら笑顔!!」
「喧しい」
「いでっ!!」


うん、ついでにその性格も直す様に人事尽くせって緑間。



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