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もう何日目かもわからない。だけど、すでに2回気を失った。

夜がくるたびにあいつに犯されているんだったら、今日はもう3日目と言うことだろう。だけど、手も足も縛られ、口にはボールギャグ、さらに目隠しまでされた状態では時間の感覚なんかもうとっくに麻痺している。

常に神経はとがり、些細な物音にも過敏に反応する。睡眠と言うよりは気絶を繰り返しているだけなので体力的にも限界だった。

正直、俺はいつ発狂してもおかしくない。

「――ただいまー、いい子にしてた?」

あの男だ。身体に染みついた恐怖が、その声を聞いて硬い床の上で身体を跳ねあがらせる。

こいつが、俺を犯すのだ。わけのわからないままに拉致されて、有無を言わさず浣腸を受けた。そして、今日まで目も口もふさいだまま、俺はもう2度も尻の穴を犯されているのだ。

おまけにまともにトイレにも行かせてもらえず、すでに大も小も何度漏らしたのかわからない。

「ん、お漏らしはしてないね。いい子いい子」

頭をなでる気配を察知して咄嗟に身体をのけぞらせると、首に巻かれた首輪と、その先につながる鎖がじゃらりと音を立てる。

「なんだ、しつけは褒めてあげた方がいいって聞いてたのになあ」

完全に俺を犬かなんかと勘違いしている男は、一つため息をついて立ち上がる。次の瞬間、右のこめかみに衝撃、冷たい感触があって、一瞬の後に刺すような熱と痛みを感じる。

「――あ、がッ!」
「やっぱ、峰人くんは痛くされるのがいいわけ?」

なぜか俺の名前を知っているこの男は、俺のこめかみを素足で思い切り踏みつけたらしかった。

足をどけると俺を休ませる間もなく、鎖を引っ張り上げるから、俺を首輪にぶら下がる形になってすごく苦しい。ボールギャグの間からだらだらと涎をたらしながら必死に空気を求める。

「か、は」
「ねえ、せっかく優しくしてあげようとしてるのに、なんなのその態度は」

ぐい、と男のように引き寄せられる。がり、と胸に歯の感触を感じると、乳首が燃えるように熱くなるのを感じた。

「んっ―――、あ゛!」
「ご主人様になつかない子は、お仕置きだね」

お仕置き、という単語を聞いて身体が勝手にガタガタと震えだす。俺はもうとっくにこの男に調教されているのかもしれない。

お仕置きの前には、必ずあいつは俺に注射をする。この注射をされると、理性はいやでいやでたまらないままなのに、身体が勝手に欲情してしまう。自分でもどうにもできない欲望に、俺ははしたなく男にすがってしまう。

副作用はないのか、中毒性は? このまま薬漬けにされたら逃げられるものも逃げられなくなってしまうんじゃないだろうか。まだ理性と希望を完全に捨て去ってはいない俺は、わずかな抵抗を試みる。

「ん゛っ、ん゛ーー!!」

腕にチクリとした物が触れて、俺は咄嗟に身体をよじった。さっきみたいに頭蓋を踏まれてもいい。とにかくこの薬だけは何としても回避したかった。

体罰に備えて身を固くしていると、以外にも男はあっさりと身を引く。

「なに、お注射いやなの?」

コクコクと頷いて必死に意思表示をする。

「あっそ。これないと辛いと思うんだけど。でも、まあ、峰人くんがそういうなら使わないであげるよ」

でも嬉しいなあ、と男は言う。

「やっと僕を直で感じてくれる気になったんだね、」

俺の身体が恐怖でこわばる。そうなのだ。薬を使わないということはつまり、まともに準備のできない身体を無理矢理こじ開けられるということだ。

わかってはいたが、あらためて宣告されて身体から血の気が引いていくのが分かった。
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