エリート転校生
「えー、今日はテストだ!心して受けるよーに!」
「ワイルド先生」
「?なんだバニー。トイレなら今行っていいぞ」
「僕はバニーじゃありませんバーナビーです。それにトイレじゃありません」
「じゃあなんだよ」
「名子が……」
そう言い、バーナビーは後ろの席に座っている名子を見た。
名子は具合が悪いらしく、机に突っ伏していた。
「………………名子が生理痛みたいなんで僕が保健室に、」
「先生!バーナビーが名子にセクハラ発言しました!」
ブルーローズがここぞとばかりに手を挙げた。
「セクハラ発言?貴方にですか?」
「私じゃなくて名子によ!いい加減にしなさいよ!」
「貴方には関係のないことです」
「同じ女子として見逃せないわ」
言い争いをする二人を無視し、ワイルドタイガーは名子の背中をさする。
「おーい、名子大丈夫か?」
「うぅ……………」
「どっか痛いのか?」
「おじさん。邪魔です」
ワイルドタイガーを押し避け、バーナビーは名子の前に立った。
「名子。僕と一緒に保健室に行きましょう」
「……………うぅ、すぴー」
寝てないかこいつ。
そんな周りの考えを無視し、バーナビーは名子を抱き上げ、
「次の授業欠席します」
と一言残し、教室を出ていった。
名子の貞操が危ない。
全員そう思ったが、エリート転校生を誰も止めることはできなかった。
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