五通目

拝啓 苗字名前様

 もう暦の上では秋だというのに、変わらずに残暑が続いておりますが、お元気でしょうか。
 俺は長男だから我慢出来ると思っていました。今までだって、ずっとそうやって我慢してきました。けれど、もう半年近くも君に会っていません。心の中にぽっかりと大きな穴が空いてしまっているようなのです。それはどんなに塞ごうとしても塞がらず困り果てているのです。もうこれ以上は我慢が出来ないようなのです。
 今、俺は名前の住んでいるところへ向かう汽車に乗って手紙を書いています。ひと目だけでも君に会いたい、あわよくば君の身体に触れて抱き締めて、そのまま俺の腕に閉じ込めてしまいたい。
 今から、君に会いにゆきます。
竈門炭治郎

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