工藤新一が行方不明になった。
そう、例の読書仲間である。

彼と知り合ったのは確か小学生の時。
図書室で読書をしている所に声をかけられ……そこで語り合ってしまいました。

で、それなりに仲良くなり、本を読みによく家にもお邪魔させて頂いていたのだが。

「……物語が、始まったのかな」

工藤新一の名を聞いた時に、思い出した事がある。
前世にあった物語。
というか漫画。
その主人公だったのだ、彼が。

内容までは、正直に言うと……部分部分しか知らない。
アニメもチラチラっとみた程度。

ただ、主人公が敵の組織に殺されかけ、薬の力で幼児化した……ということははっきり覚えていた。
それを防ごうとも思ったが、何処でその組織と会ってそうなるのか、わからなかった。

まぁ、死ぬわけじゃ無いから……とか思ったけど、一応忠告はしておいたのだ。
それも無意味だった様だけど。

数日、姿が見えないなと思ったら……毛利さんと眼鏡の少年が一緒に歩いているのを目撃してしまい、なっちゃったかーっと影で頭を抱えた。

通行人の視線が痛いけど、それより頭が痛かった。
まじかよ。
まじかよっ……!

「………………。本読もう」

嫌な事、面倒な事から一時的に離れて頭を冷やすには読書が一番だ。(持論)







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