前世の記憶が戻ったのは、意識が戻ってすぐの事だった。

私は米津凪。
小学一年生になったばかりの時に、事故にあった。
その拍子に、覚えの無い記憶が思い出せるようになった。
所謂、前世とやらだろうか。

その記憶の存在には、すごく悩まされた。

6歳までしか生きていない記憶と、成人した人間の記憶が同時に存在しているのだ。
どれが私なのか、と悩みに悩んだ小学校時代。

お陰でボッチを貫く事になりました。
どっちにしろ、周りと話が合うわけ無いんだけど……。

結局、記憶については二つ共私の物。
これが合わさってこその私だと半ば無理矢理に納得させることにした。
これ以上考えると、ノイローゼなりそう。

そうなると、私の精神年齢は高校に入った時点でさんじゅ……これ以上は言いたくない。
外見はちゃんと十代だから。

そうして生きてきて、かれこれ10年。
気づいたら高校2年になってました。



「おーい米津!
あの新刊もう読んだか!?」

「ん、読みました。凄かったです」

「ああああっ!俺も読みたい!!」

「買ってきたらどうです」

読書仲間(相手は推理系のみ)と教室で短い会話を交わし、席につく。

今日も、以前に習った内容をまた教わるのだろう。



早く帰りたい。






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